今月の花(七月) 竹
竹は東洋では生活用具や、食用、建築など、生活の中で使われています。筍として生え、成長した幹を多く利用します。一方で根を張り巡らすのが早く、放置されている空き家などでは、畳を突き破り家の中にまで竹が生えてくることもあるそうです。
そんな竹の処理を頼まれる千葉にあるNPO法人にお邪魔しました。ここではその竹を使いコンポスト作りや竹炭を焼いたり、竹灯籠の作り方や子供たちに竹トンボの作り方を教える活動をしています。
私が帯広で竹を使った作品を作る時、北海道では真竹や孟宗竹は育たず入手不可能のため、ここから竹を何度も送っていただきました。
今回、東京での展覧会では何を使おうかと思っていた時、ふと、竹箒で地をはくとき手に返ってくる感蝕、先の細い枝が集まったところが出す音を懐かしく思い出しました。私の暮らす集合住宅などでは今や使うことのない竹箒の竹の枝先を集めて作品作りができないかと考えました。
NPO法人の理事長のKさんとはメールや電話で連絡は取っていましたが、お目にかかるのは今回が初めて。駅にお迎えに来ていただき、20分かけて廃校になった幼稚園を使っている作業所兼事務所にお連れくださいました。
切っておいていただいた7メートルの竹からサンプルを切り、作品のデッサンをお目にかけ、同じようなものを数本、切って送っていただくようにお願いしました。
後日送られてきた段ボールの中の丸く巻かれた竹の枝は、ほとんど葉がとられていました。「丸く巻いて送るしかなかった」と言うKさんに、「作品の大きさに規定がありすぐ丸めないと形が付かないので手間が省け大変助かった」と申し上げました。早速いい具合に美しい曲線が付いた枝を選び、切って重ねて束ねて円を作っていきました。
数日後、まだ残っていた葉が乾いて落ち、中から薄緑の小さな葉が次々と顔をのぞかせたのには驚きました。生きている!可哀そうとは思いましたが、全部取り除きました。伐って一週間以上も経つのに7メートルの枝先に潜んでいた小さな薄緑の葉、その生命力に感動しました。
写真は私の作品です。花屋さんに指定して取り寄せた葉先が美しい夏ハゼ、赤い花は蘭の一種のレナンセラ。擬宝珠の葉と一緒にステンレスの自作花器にその竹をいけました。
ホトトギスの鳴き声に耳をそばだて、竹林を吹き渡るきれいな空気を胸いっぱい吸いながらの竹箒作り。初夏の同じ頃またあの竹林に行きたくなりました。(光加)
