カフェきごさいネット投句(1月)飛岡光枝選
「昭和のチョッキ」がいい。まるで昭和を解いて編み直しているようです。
竹馬やどの子も同じ足の跡 弘道
言われなければ気づかないこと。子どもへの温かいまなざしが感じられます。
灯されて浮かぶかまくら蕪蒸 涼子
どちらも温かく、心まで温もります。かまくらの後で切れます。
【入選】
箸袋名を記しつつ除夜の鐘 和子
それぞれの顔を思い浮かべながら迎える大晦日。原句は「箸袋名を記し終へ除夜の鐘」。
大寒の光がつつむ烏の子 隆子
寒中の淡い光に黒い羽が浮かび上がります。
丈なさぬことも艶なり寒牡丹 涼子
小さなものに感じる艶ぽさ。
夕風に研がれゆく月寒の入 涼子
よく見かける題材ですが、「寒の入」で句に動きが出ました。
新宿の窓にさやけき寒の富士 勇美
軽いスナップショット、情景が的確に表現されました。
揺れし筆ただ息災と賀状かな 弘道
思いのこもった年賀状。原句は「揺れし筆ただ息災と友の賀状」ですが、これをスタートにして俳句に仕上げていきましょう。