朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」(一月)
新宿朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」。一月の兼題はサイトより、季語「寒」花「寒牡丹」浪速の味「蕪蒸」です。
【特選】
宍道湖の夕日に育ち寒蜆 涼子
「夕日」がいい。過不足なく伝わる一句。
【入選】
分水嶺越えて関東冬日和 清雅
晴れ渡った関東の冬が目に浮かぶ大きな句。
初夢や故郷への道遠いまま 弘道
「初夢」に託す、年を経てより募る故郷への思い。
音もなく大地は廻り寒明ける 守彦
音もなくでは普通。「音たてて大地は廻り寒明ける」など。
根深汁たうたう雪となりにけり 守彦
やけに寒いと思ったら。「根深汁」が美味しそう。
古火鉢ひとつ残りし生家かな 勇美
「古」では説明。「大火鉢ひとつ残りし生家かな」など。
九九のうた漏れくる小さきマスクかな 勇美
この春は小さいマスクが殊に気になる。
地を踏んでごつと茎あり寒牡丹 隆子
寒牡丹の力強さ。「茎」が正確なのかもしれないが、少々分かりにくい。
寒泳の恥づかしさうな褌かな 涼子
恥ずかしいのと寒いのとで・・・。気の毒のような可笑しいような。
寒晴れや納め不動の人の波 守彦
「寒晴れ」がよく効いている。原句は「寒晴れや納めの不動の人の中」。
若きらと稽古着しやきつと初稽古 弘道
上五を使って、何の稽古かを描いたほうがよりしっかりした句になるか。原句は「若者と稽古着しやきつと初稽古」。
菰を被て神やすらふや寒牡丹 光枝