カフェきごさい句会(4月)
7月にリニューアルオープンする新宿の朝日カルチャーセンターでの「カフェきごさい句会」。4月の「カフェきごさい句会」は有志での吟行句会。春の野点の気分でと臨みましたが、当日は冬に逆戻りした雨と風。貴重な春の嵐の一日を目黒「自然教育園」での吟行を楽しみました。
さみどりの若葉の雨となりにけり 隆子
目が洗われるような木々の緑。そこに降りかかる雨。まさに、町がさみどりになっていくようです。雨の中を歩いて生まれた、実感のある一句。
残り鴨雨の水面に羽繕ふ 圭滋
小さな池に番の鴨がいました。雨の中、のんびり羽を繕っている様子はまさに春の鴨。「雨の水面に」のゆったりとしたリズムが、この季節に合っています。
池に棲むヤツをおこせよ若葉雨 光加
降り続く雨が池の水面を叩きます。「何かいるね」と皆で覗き込みました。この季節ならではの生命力に溢れた一句です。上五中七の強さに比べると「若葉雨」が少しやさしすぎるでしょうか。
白金の森育みて穀雨かな
二輪草一人待つ間の春寒し
どちらも季語に問題が。一句目、確か吟行の前日が二十四節気の穀雨だったかと思いますが、「育みて」に「穀雨」ですと説明の句になってしまいます。どんな雨だとより句がいきいきするか。
二句目、園内に二輪草がきれいに咲いていましたが「二輪草」に「一人」は付きすぎ。書き留めた句を見直して現実にとらわれないで推敲することが大切。
先がけてあやめ開くや雨の中 光枝