Category Archives: 今月の料理

今月の料理(四月) 葉山葵のお浸し

雪国に住む人達にとって春は格別にうれしいもの。新潟出身の人が東京に冬はないと言った事がしみじみ思いだされます。青空に浮かぶ雪嶺も、一日中光をこぼす雪解の雫もそののどかな音も、長い暗い冬があってこその事ではないでしょうか。春は空のカーテンをさっと開けたようなそんな気分です。そしてこの頃になるとそろそろ気になるのが山菜です。

去年の事ですが、友人から葉山葵のお浸しをいただきました。そのさわやかな香りと辛味がなんとも新鮮で、早速作りたかったのですがその時は山葵はもう終りで作る事が出来ず来年のお楽しみにしていました。

そんな訳で今年、早速近くの山へ採りに行きました。出たての葉山葵はまだ小さく採るのもなかなか大変ですが、やはりこの春一番初めに採れたものには格別の喜びがあります。作り方も山葵漬を作るよりずっと簡単で、つけ汁を濃いめにすると日もちします。

【作り方】

葉山葵を洗いざくざくと食べやすい大きさに切ります。

多めの塩で良く揉んで灰汁をだし絞ります。

笊にとってたっぷりの熱湯をかけ絞り熱いまま密閉の容器に入れます。

密閉容器のまましゃかしゃかと振り冷蔵庫で一晩置きます。あとはお好みの出汁醤油でいただきます。

一株はコップに挿して花山葵        善子

今月の料理(三月)辛子和え

二月は逃げる、三月は去る。昔の人は面白い事を言ったものです。確かに一月は元日、今日は二日、今日は三日、四日は仕事始、松納と一日一日しっかりと確認しながら過ごします。ところが二月になるとその意識も薄れ、普段の月のように仕事や日常は曜日を意識して過ごす事が多いようです。ちょっとした事なのですが、この意識の持ち方が二月は逃げるように終わり、三月はあっという間に去ってしまう、気がつけばもう新年度が始まると言う思いにつながるのでしょう。

今年もまた、ゲリラ豪雨ならぬゲリラ雪?に悩まされた地方もありましたが、さすが三月ともなれば気持ちにも余裕が出てきます。気の早い処ではもう夏の食材の蚕豆
やグリンピースなどが出回っていますがこの時期一番おいしいのはやはり青菜の類でしょうか。

全国的にはわかりませんが、ここ新潟では最近の人気の品種に「アスパラ菜」という菜があります。小松菜のような葉に菜の花に似た花を付け、全体に少しほろ苦さを感じさせる茎の甘い菜です。他にも地名をとった「女池菜」「大崎菜」、「新井郷菜」「小針菜」、新潟市江南区の曽野木で栽培されている「そのき菜」など数多くの地域野菜があります。みなアブラナ科の野菜で、見た目はとても良く似ていますが、各々名前がついているのはきっとその土地の土壌に合うように工夫され少しづつ違った味わいがあるのでしょう。これらは春本番にむかっておいしくなる青菜です。和、洋、中華となんにでも使え重宝する野菜ですが、一番は取り立てを手に入れてお浸に。

今月はこのアスパラ菜をつかって辛子和えを作ります。お汁粉には隠し味の塩を使いますが、辛子和えの隠し味には砂糖を使うと味が決まります。

【作り方】
青菜(小松菜 菜の花 ちんげん菜)などを塩を入れたお湯でゆで上げます。
茹で上げたら笊にとってさまし水分を軽く絞り、だし汁にさっとくぐします。
これを軽く絞って辛子醤油であえます。

【分量】
青菜 二株ほど
醤油 大匙1杯から2杯
練り辛子 適量
砂糖 適量

お浸しの青菜に花の莟かな 善子

今月の料理【二月】酒粕のカナッペ

酒粕の甘酒は今風に言えばホットドリンク。子どもの頃寝る前によく頂いたものでした。昔の日本家屋は窓枠も玄関の戸も木製で古くなると何処からともなく入る隙間風や夜空を渡る北風の音に何となく心細い思いをしたものです。そんな夜にいただた暖かな飲み物は体だけでなく気持ちもほかほかとなった思い出があります。生姜湯を始め、風邪の時には焼き梅干しに海苔と葱散らしたもの、柚子や金柑のジャムにお湯をさしたものなどみな素朴な物ばかりでした。柚子湯などは火鉢に掛けた薬缶の熱湯を注ぐと部屋中に良い香りが立上がったものです。

そんな夜には一つの炬燵で兄や妹と勉強したり、喧嘩をしたりと泣くのも笑うのも炬燵にあたってでした。足をけった、布団の下に鉛筆を隠した等、些細な事で始まる言い争いもその頃食べたお八つも冬と言う季節があってこその思い出かも知れません。

さて、今月の料理ですが、最近は魚を粕漬けにしたり春になると山葵と和えたりと、調理にばかり使っていた酒粕ですが今月は板粕を使っておつまみを。お八つには焙った板粕にお砂糖を振りかけた物を食べた記憶がありますが、板粕は焙っただけではおつまみに甘すぎます。そこで、板粕にチーズやアンチョビなどを乗せて目先の変わったおつまみに。ここではアンチョビやチーズなど一般的なものを用いましたが、お酒の好きな方には酒盗なども良いかもしれません。色々試して自分好みの一品を楽しんでください。

【作り方】
板粕アンチョビとろけるチーズなど、お好みで。
板粕はオーブントースターでこんがりと焼きます。
アンチョビペーストを塗りケッパーの微塵切りを散らします。
同じように少し焙った板粕にチーズを乗せ、再びオーブントースターでチーズが溶けるまで焼きます。

今月の料理【一月】ポークの紅茶風味

年末年始の慌ただしい時期ちょと手の空いた時に作り置きが出来るお惣菜があるととても助かります。また、この頃は人の集まる機会も多く主婦は何かと心せわしいもの。そう毎日お鍋にする訳にもいかずあれこれ頭を悩まします。そんな時のお助けになる一品です。はじめていただいた時はローストポークかと思いましたが、お肉からほんのりと紅茶の香りがしてとてもさっぱりとしていました。
作り置きができるので、切り分けて大皿に盛れば人が集まった時にも利用できますし、オープンサンドなどにしてもいただけます。また、ローストポークよりずったあっさりしてお肉の臭みもありませんので、お年を召した方も違和感なくいただけるとおもいます。

ローストポークですと、オーブンが必要ですがこちらはお鍋一つで作れるため、温度調節などもいりません。豚肉の部位はお好みで結構ですが、紅茶が脂肪を分解してくれるので肩ロースなどの脂の多いところでも思った以上にさっぱりといただけます。付け合わせはオニオンスライスなど何でもあいますが、お肉がさっぱりとしているのでニンジンやサツマイモのグラッセなどバターを利かせたものでもバランスが良くいただけます。

【作り方】
豚肉は塊のままタコ糸で縛っておきます。鍋にお肉が入るくらいのお湯をわかして紅茶を濃いめにだします。紅茶はティーバックでもけっこうです。
煮だした紅茶にお肉をいれ火にかけます。中まで火が通ったら完成です。
肉の熱いうちに塩とコショウをすり込むようにしてラップできっちと包みそのまま冷めるのを待ちます。
別の鍋に林檎を煮てピュレ状にします。これに濃縮されたバルサミコ酢を合わせソースを作ります。バルサミコ酢はメーカーによっては甘みの強いものもありますので味を確かめながら、料理してください。

和風に仕上げるなら、醤油2 酒1 酢1 みりん1の割合で煮たてつけ汁をつくります。
引き上げたお肉をいれて一日くらい漬け込んで出来上がりです。こちらは酢が入っているので日もちします。

今月の料理(12月)_牡蠣蕎麦

soba  一枚残ったカレンダーを眺め、つくづくとこの一年の速かったことを思うのは毎年のことです。若いうちはクリスマスや年末休暇など楽しいことがあった年の瀬ですが、現役を退職し毎日が日曜日となると年末年始の混雑が返って煩わしく思えます。とは言え、自分ばかり世の中の時間の流れとは無関係に過ごせるわけではありません。

かたちだけになった年越しの行事ですが、それでも年越し蕎麦をいただき、新年を迎える気持ちはまだ、老若男女だれにでも残っているようです。縁起を担いでの年越しそばは大晦日にまわして、今月は今が旬の牡蠣を使った温かいお蕎麦です。牡蠣は煮すぎると硬く風味も落ちますのでさっと火を通すようにするとお蕎麦と共に喉越しよくするするといただけます。普通お蕎麦は醤油仕立ての汁ですが、ここでは塩で味付けし薄口?油で香り付しました。香りのよい三つ葉と海苔、柚子を一片添えて熱いうちにどうぞ。

【作り方】
鍋に出汁を煮たて牡蠣を入れさっと火を通します。
牡蠣に火が通ったら牡蠣だけをすくい、残った出し汁に塩、薄口醤油を入れて味を調ます。
蕎麦を器に盛り、煮立った出汁を加えて上に牡蠣と刻んだ三つ葉、海苔を盛り薄くそいだ柚子を添え   て出来上がりです。
【分量】
蕎麦一束 (一人前)
出汁  1.5カップ
三つ葉       適量
海苔  適量
柚子  適量
塩  約小さじ半分弱
薄口醤油 少々

今月の料理(11月)_白和え

%e6%9f%bf 秋に入って立て続けに台風に見舞わたせいか野菜の高騰が話題になっています。先日、東京に住む友人からレタスや葉物、ニンジンなどの値段を聞かされその馬鹿々しい値段に少し呆れかえりました。もちろん、便乗値上げなどもあるのでしょうが日常使う野菜が高いのは考えものです。こんな時は田舎住まいの良さを痛感しますが、地方も段々と都市の悪いところ?を真似て少しづづ野菜などが値上がっているのも事実のようです。

収穫の季節も終わり、刈り取った田にはこの暖かさでひつぢ穂が勢いよく育っています。この頃、見渡しの良くなった田圃に見かけるのはびっりしと実をつけた柿の木。昔は貴重な食糧だったのでしょう。梅と共にどの農家にも必ずと言ってよいほど植えてありました。以前、新潟から東京へ就職した知り合いが「東京では柿とイチヂクを売っている」と驚いて話してくれましたがこの風景を見ると納得します。こちらでは、柿やイチヂクは庭や野にあるものなのです。

さて、何もかも枯れて行く中で柿の実が赤々と実っているのはとても印象深いものです。昔は天の取り分として最後の一つを木につけたままにしておく習慣がありましたが、これが「木守」です。まだ、本格的な冬には時間がありマーケットには柿が沢山出回っています。今月の料理は柿を使った白和えです。精進料理などにはよく柿の白和えが用いられますが、少しアレンジして若い方にも好まれるように洋風にしてあります。柿ばかりでなく、手近にある果物を使ってお試し下さい。

普通白和えと言えば和え衣にお豆腐を使いますが、水切りが中々面倒です。そんな時は水切り不要の濃いお豆腐を使うと簡単に出来ます。ここで用いたもは普通のお豆腐よりかなり水分がぬけていてオリーブオイルと塩、コショウでいただくもの。商品名は「ナチュラル豆腐」とありました。丁度頂き物の柿がありましたので、柿とリンゴを使って仕上げてあります。キューイフルーツなどもおすすめです。

和え衣はお豆腐のほかクリームチーズを使っています。ここではお豆腐とチーズを同量でもちいましたが、チーズが苦手な方はお豆腐を多めにしてチーズで和え衣のコクを出すようにすると食べやすいと思います。

【作り方】
クリームチーズとお豆腐をよく混ぜあわせ和え衣つくります。チーズは冷蔵庫から出して室温に戻すと柔らかくなります。
リンゴは一部皮を残して剥き、柿と共に同じ大きさに切りチーズとお豆腐とで合えます。味は塩とレモンで整えます。果物の甘みが強い時はレモンを利かすとさっぱりといただけます。

今月の料理(10月)_新米に

p新潟は今稲刈りの真最中。実った稲は機械であっという間に刈りとられてしまい、今では刈り取り機がその場で稲を脱穀までしてしまいます。空に突き出された煙突のようなものから、さらさらと玄米が出てくる仕組みです。これを見たときは正直驚きましたが、二、三年もするとほとんどの農家の方がその機械で稲を刈っています。雨で倒れた稲もなんなく刈り取られ、数日でほとんどの田を刈り終えてしまいます。素人にはわかりませんが、稲を干すと言うひと手間が完全に抜けているのです。

昨日も家の前の田圃で稲刈りが行われていました。この田圃の主は無口ですが、実に勤勉な方で暑い最中も田の見回りを欠かさず、炎天下畔の害虫を焼いたり枝豆の苗を間引いたりとよく働く方です。了解を得て刈り取った稲を一掴みいただきに田に降りたのですが、その時の甘い香りにびっくりしました。瑞々しく甘い香りはご飯を炊いた時の匂いです。それが、刈り終えて数時間もすると、田の匂いは新藁の匂いと変わってしまうのです。一時この甘い瑞々しい香りは実に新鮮な驚きでした。

今月の料理は新米ですが、このままで美味しいものをさらに美味しくするのは至難の業です。そこで、ちょっといたずら。
どのお宅にもあるパン粉。これと豚のひき肉をオイルとバタ―で炒めふりかけにします。たかがパン粉ですが侮る事なかれ、パン粉のいためた物はイタリアでも、シチリア風などと呼ばれパスタやサラダによく使われているようです。

【作り方】
パン粉の倍の量の豚肉を用意します。
フライパンにサラダオイルをいれ、ひき肉を炒めます。
肉の色が変わったら醤油を入れ、パン粉とバターを入れてさらに炒めます。
全体にさらさらになってきたら、醤油と酒を加え味を調えて炒め上げます。
分量はお好みで大丈夫です。健康に心配なければバターを多めに。お肉より断然パン粉が美味しいのが不思議です。ニンニクのみじん切りを加えオリーブオイルで作れば、パスタにもサラダにも合います。

三百年家を守りて今年米     善子

今月の料理(9月)_椎茸の酒塩焼

kinoko常に食事を賄う主婦にとって外での食事は中々楽しいものです。献立に頭を悩ます必要もなく作る手間も片付ける手間もありません。365日家族の健康を考え経済を考慮しなおかつ美味しいものを作り続けるのは誰が考えても簡単な事ではありません。コックさんと執事、メイドさんのいる生活がしたいと言った友人がいましたが、そんな生活が出来たらいいですね。また、料理好きにとって外食の楽しさは他にもあります。ホテルなどの食事は別として、ちょっと気の利いたお料理屋さんのカウンターや、気さくな女将のいる店などで板前さんの包丁さばきや料理、食材についてのあれこれを見聞きするのは家庭料理のヒントにもつながります。

そう考えると、カウンターは料理の工程がみられる楽しいところ。全てとは言えませんが、目の前に出される一品がどんな風に作られるのか、器も盛り付けも目が離せません。昔、京都の「千花」というカウンターだけのお店に行った時は主の巧みな話術や料理のあれこれ見事な包丁さばきなど、お料理以上のものを堪能して帰ってきました。後で知った事ですが、創業者の永田基男さんはカウンタ―で料理を出してもてなす草分け的存在で、多くの文化人がそのお料理や会話を楽しみに通ったと聞きました。最後に青紫蘇の千切りがご飯の上に乗って出てくるのですが、その見事な包丁さばき。きざまれた青紫蘇はふわふわと絹糸より細く少しも口に触ることなく香りだけが広がって行きます。

今月の料理もさる女将からちょっと教えていただいたものです。新潟の駅前にある小さなお料理屋さんで何気なく注文したものですが、家庭でも簡単に出来そうなのでご紹介します。また、焼いた椎茸は例えば、三つ葉と和えたり炊き合わせ添えたりと、他のお料理にも応用できますのでお試しください。お酒に椎茸を漬けて焼いたものですが、ご存知のように椎茸は旨みが強すぎいっぺんに沢山は食べられませんが、お酒に漬けたせいでしょうか普通に焼くより食べやすく椎茸が余り得意でない方にもおすすめです。

【作り方】

塩を入れたお酒を用意します。塩加減はお好みで。お酒の分量は椎茸が浸かるくらいです。お店ではお酒に漬け一晩置くとの事ですが、家庭ではそこそこで良いと思います。もちろん長く置いても差し支えありません。ただ、あまり長時間だとお酒の匂いが強くなります。漬けておいた椎茸をペーパーなどで軽く拭き、傘を裏返して魚焼きグリルで焼きます。椎茸のひだから水分が出てきたら焼き上がりです。この水分は旨みですので裏返さずに。

木洩れ日に椎茸の榾組まれあり      善子

今月の料理(8月)_生姜ご飯

syougamesi梅雨が開け、うっとうしい雨から解放されると今度は真夏の暑さが待っています。暦では八月に入って一週間もすれば、立秋なのですが連日の猛暑に体がなかなかついて行けません。クーラーを利かせてもキッチンのコンロ回りでは温度が上がり、台所を預かる主婦はたいへんです。冷たいものの取り過ぎで食欲も進まず冷房で体の芯が冷えてしまい、体調を崩しやすいのもこの頃です。

漢方では生姜の辛み成分は胃腸の働きを高め、食欲を増進させ新陳代謝をよくしてくれるとあります。また、皆さまご存知の通り体を温める作用もあります。食材としても、その香りは爽やかで適度な辛味は食欲をそそります。

今月の料理は生姜を使ったご飯です。生姜は秋の季語ですが新生姜は夏の季語に入ります。梅干しを作った後の梅酢に赤しそを入れ紅生姜を作られる方も多いと思います。まだ柔らかく香りの高い新生姜をご飯に炊き込みます。

この生姜ご飯いろいろなレシピがありますが、ここではぐっとシンプルに生姜のみで炊き上げます。生姜ご飯冷たくなってもしっとりとしてお弁当にも向いています。

【分量】
お米         2合
生姜すりおろし    大匙2杯
昆布         5,6センチ角一枚
醤油           大匙2杯
お酒         大匙2杯
出汁         適宜

 

【作り方】
材料の全てを炊飯器に入れ炊き上げます。
水の量の半分くらいは出汁を使うと一層おいしく炊きあがります。

たちまちに酢に染まりゆく生姜かな           善子

今月の料理(7月)_利休汁

001あら、ぶた、船場、納豆、どろがめ、とろろ、根深、粕、つみれ、かき玉、
けんちん どぶ、のっぺ、これはいったい何だと思いですか。実はこれ汁の
種類なのです。

のっぺ汁などは季語にもなっているので、おおよそは見当がつくのですが、
どろがめやどぶ汁って食べ物にしてはすごい名前だと思われませんか?

どろがめ汁とは茄子を使った滋賀県の郷土料理で、ごまを擂って味噌とまぜ
汁物に仕立てた夏バテ防止のお味噌汁。どぶ汁は茨木から福島あたりにかけて
伝わる汁物で、現在の鮟鱇鍋の元のような味噌汁で鮟鱇の肝を入れて作ります
インパクトのある名前に圧倒されますね。

さて、皆さまは朝食に何を召し上がっていらっしゃいますか。昔は、ご飯と
お味噌汁に糠漬けなどの香の物。おかずと言えば焼きのりや納豆ぐらいで実に
質素なものでした。当時の食卓の上は味噌汁や漬物など色も地味なものばかり
で、色取りの良いサラダやオムレツ、ヨーグルトなど豊かな食材は当時から見
ると夢のようです。

ところが、年齢を重ねるとこの地味な色合いの質素な食事が懐かしく、せっ
せと糠漬けを作り、出汁を引いて汁を仕立て海苔をあぶっているのは皮肉なも
のです。香ばしいトーストやバターの香りは何処に失せてしまったのか。など
と言いつつ自分の口に合った物を自分で作れるのは幸せかもしれません。

今月の料理は利休汁、これからは茄子が美味しくなります。この茄子を油で
焼いて作るコクのある味噌汁です。お料理に利休とつけば、胡麻を使うのはご
存知の通り、赤だしの深い味が油を吸った茄子ととてもよくあいます。

【作り方】
茄子を輪切りにして水にさらし、ごま油を熱してフライパンで焼きます。
茄子の両面に焦げ目をつけ、焼きあがったら椀に盛りつけます。
出汁に味噌を溶きさっと煮たて熱いうちに椀に注ぎ、すり鉢ですった白
ごまをかけ出来上がりです。

分量は普段のお味噌汁を作る要領で、茄子は一人半分程度が目安です。
この汁はごまの香りと油に負けない八丁味噌がおすすめです。