a la carte_花吹雪
4月13日、14日と吉野山で恒例の花の句会がありました。私は、十年余り通い続けていますが、今年はまさに満開の花を見ることができました。
これまで、咲き始めたばかり、逆にほとんど散っていたり、雨だったりと、さまざまなその年の花を見てきました。今年は、下千本、中千本が満開。上千本もほぼ満開で、奥千本は咲きはじめという花見のベストタイミングでした。14日朝は快晴で、句会は満開の花の吉野山を一望できる大広間で行われました。
吹き上げて谷の花くる吉野建 飴山 實
まさにこの句の通りです。心奪われたのは、花吹雪のショータイムと呼びたい光景でした。前触れの一陣の風が大きな玻璃戸を鳴らします。一呼吸おいて、谷からたくさんの花びらが勢いよく吹き上がってきます。天上に飛んでいくのかと思うほどです。風に乗って花びらはくるくる舞いながら、上下左右に飛びまわり、山手にさっとはけてしまいます。再び風が吹くと、次の花吹雪がやってきて存分に舞ってくれます。今年の美しい花の句会を、生涯忘れないと思います。(洋子)
朝の句座のぞきにくるよ花吹雪 洋子