a la carte 太刀魚
兵庫県の明石の魚の棚(うおんたな)には、午前11時30分から始まる昼市(昼網)で仕入れたばかりの魚が並びます。新鮮そのものというか、生きたまま売られている魚も多いです。その新鮮な魚をもとめる客で、大賑わいです。
魚の棚からすぐ南の、明石港の端で開かれる昼市では、 水揚げしたばかりの魚をトロ箱に入れ、せりにかけます。ここでは、小売店が直接せりに参加しています。
せりが始まると、指で値段を示して、一番高い値段をつけた人が落札します。同額の場合は、じゃんけんで決めます。鯛、黒鯛、蛸、烏賊、がしら、蝦などが、次々と落札した人に引き取られてゆきます。
その中で、特に目を引いたのが太刀魚です。その名の通り、太刀のように扁平で長く銀色で、トロ箱から尾が、たらりとはみでています。自然界のものは、なんと美しい色、形であろうかと思うことがありますが、せりで見た太刀魚も、まさにそうでした。 海のかがやく銀色の波が太刀魚になったようです。
刺身、塩焼き、ムニエルなどにして食べます。上品な味で旨いです。(洋子)
太刀魚のまぶしき銀をせり落す 洋子