à la carte 聖菓
12月25日は、キリストの降誕を祝う日です。ひと月も前から、人の集まるところにクリスマスツリーが飾られ、師走の街が華やぎます。
教会の前を通ると、遠い日のクリスマスの記憶が甦ってきます。プロテスタントの幼稚園に通っていたので、降誕祭の劇を園児たちで演じていました。私は、天使三人のうちの一人で、せりふは一言だけでした。それでも、ドキドキして舞台に立っていました。
無事に劇を終えたクリスマスの夜は、母が作ったばらずしと、近くのケーキ屋さんで買ったクリスマスケーキが待っていました。丸いバタークリームのクリスマスケーキにはかわいい飾りがいろいろ付いていて、わくわくしたものです。妹より先にお目当ての一切れをとれるかどうか必死でした。
今は生クリームとフルーツのおしゃれなケーキが人気ですが、あの日のバタークリームのケーキをもう一度食べてみたいと思います。(洋子)
聖菓切る母の手元を見つめをり 洋子