今月の料理(6月)_琥珀ゼリー
新潟は春から初夏にかけての季節が一番美しい時です。日を追って芽吹く山の木々の色を楽しんでいると、菜の花や桜などとりどりの花が咲きそろいます。
気が付くと、ある日ガサガサにひび割れていた田圃の土がきれいに耕され、崩れた畔が整っています。その頃になると農作業をする人もぽつぽつと田畑に出始め、代掻きが始まると田は一挙に活気づきます。やがて、新潟平野に水が張られ、空を映した水鏡のような田圃がはるか遠くまで続くさまは、いつまで見ていても飽きることがありません。
この頃になると山菜も出回り、裏の竹やぶから掘ってきた筍やタラの芽、コシアブラなどてんぷらにしてバーベキューを楽しみました。昼間は気付かずにいるのですが、ゆっくりと暮れる空と対象的にバーベキューの火が段々と美しさを増して行きます。真夏とは違い夜になるとにぐっと温度が下がりテーブルに座っている人達も火の回りに集まり話がつきません。そんな時、誰もが火に手をかざすのは面白いものです。
さて、家の中の食事とは違い後片付けは簡単なのですが、お酒の飲み残しにはちょっと頭を悩ませませて来ました。ワインや日本酒は調味料として使えますが、さすがにビールは捨てるしかありません。ところがある日古いレシピをひっくり返していると面白いものが出てきました。ビールを使ったゼリーです。あまり期待もせずにつくったのですが、なかなか洒落た味に仕上がりました。もし、残ったビールがあったらちょっと楽しんでみませんか。
材料はビールとアップルジュースです。アップルジュースの甘さにビールのほろ苦さが加わって市販のものでは味わえない味覚です。作り方はハウスのクッキングゼリーを使いますが、標準とされているゼラチンの分量より液体の量を倍にして作りました。ジュースとビールは同量ですが、ジュースの甘みで割合を加減してください。
【分量】 粉ゼラチン 5グラム
ビール アップルジュース 各100㏄
粉ゼラチンをジュースで湿らせ、溶けたらジュースとビールを加え冷やします。とても柔らかいので型抜きではなくグラスなどに入れてお作りください。