朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」8月
8月の朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」の兼題は「カフェきごさい」サイトより、8月の季語「「夏の思い出」の中の初秋の花」8月の料理「生姜ご飯」8月の花「もみじあおい」です。
【特選】
ひまはりやずしりと重き金メダル 涼子
向日葵と金メダル。子供なら夏休みの宿題に描きそうだが、大人になるとなかなかできない取り合わせ。「ずしり」の存在感が一句の命。
島人はもみぢあふひを供花にして 隆子
ハイビスカスと近縁という、もみじあおいの華やかで大きな紅の花。一読、沖縄の八月を思った。
晩夏の光に映える少し重たい紅色。「供花として」。
【入選】
撫子の小さき花束教師へ 今日子
撫子に「小さき」は言わずもがな。この場面ならではの描写を。
砂場には裸の子居る蝉時雨 周作
蝉時雨と砂だらけになった裸の子供には、夏の終わりの感じがある。ただ「には「居る」が冗長。「砂場に裸の男の子」。
生姜ご飯辛さと甘さ引き合ひて 涼子
「引き合ひて」がわかりにくい。「辛さ甘さの引き合うて」これもまだ。ご一考を。
とらはれの金魚一匹金玉糖 光加
夏らしいお菓子の様子が楽しく描けた。より美味しそうに「とらはれて金魚涼しく金玉糖」。
落蝉の骸ころがす猫がゐて 稲
非情な日常。「落」は不要。
草叢で螽斯鳴くところそつとみる 守彦
わくわくする少年の心が描けた。「草叢の」。
柔肌は土が造りぬ新生姜 今日子
新鮮な新生姜へのアプローチ。「柔肌」では新生姜のきりりとした感じに合わない。
しっかり描くことは必要だが、言い過ぎるとただそれだけの句になる。難しいがそこが推敲のしどころ。
紅蜀葵水打つて立つ砂ぼこり 光枝