今月の花(一月)餅花

正月花の稽古の時に松、千両、柳や好みの花と共に餅花をいけるのが私のクラスの正月花の特徴です。

餅花は餅を使った飾りで花餅ともいい、本来は一月十五日の小正月の飾りですが、今では正月から飾られます。まだ緑色を残している枝に食紅で色をつけた直径1㎝くらいのピンクの餅と白の餅が、7~10センチの間隔をおいて交互につけられています。東京の花屋さんではあまり見かけず、師走に入る前に関西に注文をだします。

箱の中から餅花のついた柳の枝を取り出し、縛っている紐を注意深く切って枝を立てると、空間にパッと紅白の餅がちりばめられます。はじける拍子に餅同士の触れ合うコンというかすかな音。餅を付けるのは手作業なので各々の大きさにわずかな差があります。丁寧に扱わないと餅が割れて落ちてしまうこともあります。

花餅をつける枝は地域などによって異なり、柳のほかに水木や榎、ぬるでなどがあります。餅の大きさもまちまちで、まっすぐに伸びたしっかりした枝につけられているものは力強く見えます。しかし私は枝垂れ柳の長い枝につけられ、どこか優しげに垂れかかる姿が好みです。

養蚕の盛んだった地域では米粉で繭の形に作られる繭玉がありますが、これも餅花と同様正月の飾り木の一種です。餅花にしても繭玉にしても家に飾るのは、一年の五穀豊穣を祈り金運に恵まれたいという願いを形にしたものでしょう。

昔は場所によっては小正月が過ぎると枝から餅をとって様々な方法で食べたということです。貴重な食糧になるものを使うので、飾りとはいえ粗末にしないという細やかな気遣いが思われます。(光加)

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