今月の料理(三月)辛子和え
二月は逃げる、三月は去る。昔の人は面白い事を言ったものです。確かに一月は元日、今日は二日、今日は三日、四日は仕事始、松納と一日一日しっかりと確認しながら過ごします。ところが二月になるとその意識も薄れ、普段の月のように仕事や日常は曜日を意識して過ごす事が多いようです。ちょっとした事なのですが、この意識の持ち方が二月は逃げるように終わり、三月はあっという間に去ってしまう、気がつけばもう新年度が始まると言う思いにつながるのでしょう。
今年もまた、ゲリラ豪雨ならぬゲリラ雪?に悩まされた地方もありましたが、さすが三月ともなれば気持ちにも余裕が出てきます。気の早い処ではもう夏の食材の蚕豆
やグリンピースなどが出回っていますがこの時期一番おいしいのはやはり青菜の類でしょうか。
全国的にはわかりませんが、ここ新潟では最近の人気の品種に「アスパラ菜」という菜があります。小松菜のような葉に菜の花に似た花を付け、全体に少しほろ苦さを感じさせる茎の甘い菜です。他にも地名をとった「女池菜」「大崎菜」、「新井郷菜」「小針菜」、新潟市江南区の曽野木で栽培されている「そのき菜」など数多くの地域野菜があります。みなアブラナ科の野菜で、見た目はとても良く似ていますが、各々名前がついているのはきっとその土地の土壌に合うように工夫され少しづつ違った味わいがあるのでしょう。これらは春本番にむかっておいしくなる青菜です。和、洋、中華となんにでも使え重宝する野菜ですが、一番は取り立てを手に入れてお浸に。
今月はこのアスパラ菜をつかって辛子和えを作ります。お汁粉には隠し味の塩を使いますが、辛子和えの隠し味には砂糖を使うと味が決まります。
【作り方】
青菜(小松菜 菜の花 ちんげん菜)などを塩を入れたお湯でゆで上げます。
茹で上げたら笊にとってさまし水分を軽く絞り、だし汁にさっとくぐします。
これを軽く絞って辛子醤油であえます。
【分量】
青菜 二株ほど
醤油 大匙1杯から2杯
練り辛子 適量
砂糖 適量
お浸しの青菜に花の莟かな 善子