朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」七月
七月の「カフェきごさい句会」の兼題はサイトより、今月の季語「夏の雨」料理「蚕豆」花「水無月」です。
【特選】
夕立に洗はれ愛車生き返る 涼子
「生き返る」に実感がある。
【入選】
サンバイザー思いは深く沈ませて 光加
最近のサンバイザーは顔を覆うようなものもあるが、普通のサンバイザーではこの句に合わない。「サングラス思ひは深く沈ませて」。仮名使い注意。
行きてなほつかまえがたき雲の峰 光加
「雲の峰」の説明になってしまったのが惜しい。この1歩先へ。
夏の雨銀座画廊でやりすごす 弘道
「夏の雨」の明るさがある一句。「銀座」も生きている。
炎天をめざすグラジオラスの花 隆子
グラジオラスの炎のような形。
道産子のたて髪かわす蜻蛉かな 光加
秋の空気が感じられる。「道産子のたて髪かはし蜻蛉かな」。
亡兄の被爆者手帳夏終る 弘道
毎年くりかえされる鎮魂の夏。「亡兄の被爆者手帳夏の果」も。
国ぢゆうが鰻を食べる日なりけり 涼子
鰻屋が大喜びしそうだが、かなりオーバーに言ったことで土用の暑さを思う一句になった。
ふる里や濡れるにまかす夏の雨 守彦
「夏の雨」の爽快感とふる里の心やすさが伝わる。「ふる里は濡れるにまかす夏の雨」。
ヤンバルの森沸き立つや夏の雨 光枝