カフェきごさいネット投句(八月)飛岡光枝選
朝日浴び烏賊釣り船の帰り来し 弘道
過不足なくしっかりと詠んだ秀句。
【入選】
火の鳥の羽根やグラジオラス燃ゆる 涼子
何本も咲き誇るグラジオラス。「や」の切れが中途半場。「火の鳥の羽根かグラジオラス燃ゆる」。
へたりたる白玉もまたご馳走に 涼子
「へたりたる」を具体的に描きたい。「扁平の白玉もまたうまかりき」など。
白玉に氷室のごとく削り氷を 隆子
「氷室のごとく」がわからない。「白玉を添えて氷室のかき氷」など。
大都会グラジオラスはピンヒール 周作
グラジオラスのつんとした様子を描いた。が、この断定はちと強引。「グラジオラス都会を跨ぎピンヒール」など。
生きてなほ蜩遠く遠くまで 弘道
死が近く感じられるのは蜩のちから。