朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」八月
八月の朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」、兼題はサイトより八月の季語「秋風」、料理「白玉」、花「グラジオラス」です。
【特選】
爽籟や雲をまぢかにカルデラ湖 涼子
秋風の吹きわたる壮大な風景。白と青のコントラスト。
繋がれて犬の尾しづか白木槿 今日子
「犬の尾」という具体的なものに焦点をあてて成功。季語はいろいろ考えられるが「白木槿」は上々。
鯔の子の群れてさざ波立ちにけり 守彦
河口でみられる鯔は比較的身近な魚。飛び跳ねる姿を詠むことが多いが鯔たちのたてるさざ波を詠んで新鮮。すっきりした姿も秋らしい一句。
【入選】
白玉を母と分かたむ一周忌 涼子
しみじみとした母への思い。「白玉」ならでは。
なみなみと直会の酒夏祭 守彦
「なみなみと」がいい。「夏祭り」。
門の無き下町生まれ心太 今日子
「門の無き」が少々説明臭い。一考を。
美保岬燈台うらより秋の蝶 弘道
秋の光が感じられる一句。
白烏賊の日干し連なる美保の浜 弘道
地名はたいへん生きる場合と観光俳句に陥る危険の両方があることを心に留めておきたい。「白烏賊の日干し連なる秋の浜」。
秋風や職退いて着るアロハシャツ 隆子
「秋風」の微妙な働き。
紅の花の飛びゆく野分かな 光枝