カフェきごさいネット投句(9月)飛岡光枝選
稲刈りを前に今年の出来が気になる落とし水。現れたのは泥鰌どころか鰻、それも大振りの。「踊る」に収穫の期待と喜びが溢れる。
【入選】
澄む秋の波にたゆたふ大鳥居 涼子
秋の澄んだ空気と水の頃の安芸の宮島。しっかり詠めているが単純な景なので、季語でより深味を出したい。「行く秋の波にたゆたふ大鳥居」。
川面打つ蜻蛉の尻の句読点 周作
説明しすぎないように。「川面打つ蜻蛉の尻句読点」
秋夕日店の奥には招き猫 周作
「には」が説明。「秋夕焼け米屋の棚に招き猫」。
水引の一枝ごとに深空あり 隆子
一本一本が印象的な水引草。あまり大きな草ではないので空でよいか。
【投句より】
「水引の小さきちさき花そよぐ」「こまやかな雨の一日水引草」などの句は、これまでたくさん詠まれている。その先の俳句を目指したい。(光枝)