カフェきごさい ネット投句 (10月) 飛岡光枝選
佐渡のおけさ柿に秋が深まってゆく。
【入選】
おにぎりの形いろいろ天高し 涼子
おにぎりは秋の行楽の楽しみのひとつ。原句は「おにぎりの形さまざま秋晴るる」。
柿もみぢ父のぬり絵の空澄みて 勇美
ぬり絵の柿の葉も紅葉して。
秋風や独り言を友として 弘道
「秋風」によりしみじみとした一句となった。
いぢめつ子いぢめられつ子も運動会 弘道
原句は「いじめっ子笑顔で一緒運動会」。散文的にならないよう表現に工夫を。
彼岸花生への未練燃え盛り 和子
彼岸花と真正面から対峙した一句。少し引いて「彼岸花何の未練か燃え盛り」などもあるか。
【投句より】
(金色の夕風待ちて尾花散る)
全て言ってしまったのが残念。「金色の夕風を待つ尾花かな」など。
(味噌玉のまだ艶々と新生姜)
新生姜がどこにあるのか不明。「まだ」はいらない。
(秋の潮寄せる外海の隠れ里)
「外海」と「隠れ里」の関係がちぐはぐになってしまいました。ことばの整理が必要です。
(白樺や金色(こんじき)のベール舞い降りて)
「白樺黄葉」の句だとなんとなくはわかりますが、秋の句としてしっかり描くことが必要です。「白樺林秋金色のベールかな」など。「舞ひ降りて」。