「カフェきごさい」 ネット投句(1月)
波間に揺られるゆりかもめは優雅だが、ひとたび群れて餌などを取り合うと本性を発揮して獰猛にさえ見えることがある。そこが神の池であろうがおかまいはしない。
煩悩の大根煮ゆるや歓喜天 隆子
「煩悩の大根」がいい。が、煩悩は歓喜天からの発想だからなかなか思いきれないのだがこの句に歓喜天はいらない。「煩悩の大根煮ゆる湯気あげて」。
【入選】
青空に五色の雲や初芝居 和子
初芝居らしいすがすがしい青空。
妻の手の魔法のごとき年用意 弘道
「魔法のごとし」切る。年用意にはいろいろな内容がある。ぴたりとした具体的なものを探したい。「妻の手の魔法のごとしごまめ炒る」など。
手術跡しかと浮かびし初湯かな 弘道
「しかと」では説明。より心に添ったことばを探したい。「手術痕しらじら浮かぶ初湯かな」など。
【今月の投句から】
「屠蘇祝ふ子等の並びて待ちしかな」
「祝ふ」「並ぶ」「待つ」と動詞が多く句がごちゃごちゃしてしまいました。すっきりさせる工夫を。「屠蘇の膳子等はずらりと顔並べ」など。
「皮厚く剥ひて風呂吹き透きとほる」
「風呂吹き透きとほる」はいいフレーズですが、料理の手順そのままになってしまいました。「海荒るる日や風呂吹き透きとほる」など。