朝日カルチャーセンター「カフェきごさい」句会(二月)
新宿朝日カルチャーセンター「カフェきごさい」句会。今月の兼題はサイトより季語「雛」、花「赤目柳」、浪速の味・江戸の味「温め鮓」です。
【特選】
墨東は花も団子も朧かな 隆子
「墨東」という地名が遥かな懐かしさを感じさせる一句。
【入選】
空色の小皿を二枚花菜漬 勇美
空色の皿にそっと取り分ける花菜漬。彩りが春そのもの。句の形もすっきりしている。
夕焼に洗濯乾すや遍路宿 守彦
一日を歩き通したお遍路さん、夕焼けがいい。「夕焼に洗濯干すや遍路宿」。
幼子にそそぐ光の吊し雛 勇美
吊し雛を見上げる赤ん坊、まるで光がふりそそいでいるかのよう。一句に切れを入れてより印象鮮明にしたい。「幼子にそそぐ光や吊し雛」。
鳥の恋スカイツリーを逆しまに 涼子
枝を飛び回る恋する小鳥たち。スカイツリーにも止まっているようで愉快。
おちよぼ口こぼれどこへと雛あられ 涼子
おすまししている女の子。「おちょぼ口」が目に浮かぶ。「おちよぼ口こぼれ何処へ雛あられ」。
瀬戸内の穴子はうまし温め鮓 涼子
「うまし」ではただごと。「瀬戸内の穴子うるはし温め鮓」。
はなびらの手で折つてをり紙雛 隆子
「はなびらの手」は感じはあるが、よくわからない。
枝垂梅ゆるる光の檻となり 勇美
満開の枝垂梅の枝の中へ入った時の心持。光をより感じるには「枝垂梅ゆれて光の織となり」も。
温鮓や病身といふしづけさに 光枝