浪速の味 江戸の味 【3月】草餠(浪速)
菅原道真を祀った天満宮は各地にあります。太宰府天満宮、北野天満宮などがよく知られています。大阪天満宮は、日本一長い天神橋筋商店街の天神橋筋二丁目商店街のすぐ傍にあります。天満宮の門前には繁昌亭という寄席があり、にぎわっています。
大化改新にあたり孝徳天皇は、飛鳥より難波長柄豊崎宮に皇居を移され、その宮跡に難波宮は建てられました。そして都の北西を守る神を祀るため大将軍社が建てられました。
延喜元年(901年)、太宰府に向かう菅原道真はこの大将軍社に参り、旅の無事を祈願されました。太宰府で菅原道真は亡くなりましたが、その後村上天皇の勅命でこの地に社を建て、菅公の御霊を厚く祀られました。現在、天満の天神さんと親しみをこめて呼ばれる大阪天満宮は、学問の神様として知られ、受験生をはじめ多くの参拝者が訪れます。
二月は、菅公ゆかりの梅が見ごろで、盆梅展が開催されます。七月二十四日、二十五日には、日本三大祭の一つである天神祭が開催され、大阪天満宮界隈に見物客が大勢つめかけ熱気に包まれます。
そんな天満の天神さんにちなんだ草の餠があります。天神橋筋商店街にある和菓子屋さんが大きめの草餅にさっと焼き目をつけて、熱々を売っています。蓬の香りと焼き目の香ばしさ、餡のほどよい甘さが口いっぱいひろがります。その餠の名は「天神大焼」。受験生に力をつけてくれそうです。
草餅や絵馬に大きく志望校 洋子