いどばた歌仙 善哉「初空の巻」名残の表 十二(折端)
蓮の花が蓮の実になり、その孔から黒い種子が飛び出し水中に落ちます。
縁側からその様子を眺めています。ゆったりとした時間。
名残の裏に入ります。晩秋の長句を。
都合により、12日水曜日午後8時締め切りとさせていただきます。
【名残の表】
七 遠く見るポーカーフェイス恋しくて 尾燈子(雑・恋)
八 ネットカジノで稼ぐ大金 うた子(雑)
九 求人はリゾートバイト実は詐欺 美津子(雑)
十 夢にまで見る母の肉じやが 真樹子(雑)
十一 柴又へふらりと帰る月の夜 一郎(秋・月)
十二(折端)蓮の実飛ぶを眺む縁側 桃瑪(秋)
【名残の裏】
一(折立)
〇
蓮の実の飛ぶ寺の縁側(桃瑪)(蓮の実飛ぶを眺む縁側)
△
初めて咲きし大輪の菊(真知子)
紅葉かつ散り浮かぶ辞世句(茉胡)
・
溜息をきく秋の夕暮れ
虫売りの声ひびく縁日
倒れてもまた起きるコスモス
ひようたん顔の生物学者
酒の肴はやまぬ虫の音
息呑むほどの満天星紅葉
空の鞄に秋風の吹く