いどばた歌仙 飛梅 飛梅の巻 満尾
飛岡光枝さん捌きの「いどばた歌仙 飛梅」の「飛梅の巻」が満尾となりました。
《連衆》
密田妖子 佐藤森恵 篠原隆子 松川まさみ 土谷眞理子 西川遊歩 湯浅菊子 三玉一郎 上田雅子 北側松太 藤倉 桂 川辺酸模 楚立三 尾燈子 石川桃瑪 安藤文 飛岡光枝(捌)
二〇二四年四月一日~六月十四日
【初折の表】
発句 飛梅の莟のつぶて夢の中 光枝 (春)
脇 大きな窓にたびら雪舞ふ まさみ(春)
第三 阿蘇は今空焦がしつつ野火奔る 酸模 (春)
四 シンバル構へ追ふは指揮棒 森恵 (雑)
五 月光の射し入る高速エレベーター 松太 (秋・月)
六 栗羊羹のくり真つ二つ 一郎 (秋)
【初折の裏】
初句 豊年のけさ初孫を授かりて 隆子 (秋)
二 どんぶらこつこ都をめざす 尾燈子(雑)
三 釣書に偽りあるも頼もしく 桂 (雑)
四 女子学生の詰めかけるゼミ 妖子 (雑)
五 老いらくの恋深閑と蝉しぐれ 松太 (夏・恋)
六 背に不意打ちの水鉄砲浴び 遊歩 (夏)
七 砂漠五十年恐竜の骨さぐりあて まさみ(雑)
八 いよよ賑はふ原発の街 隆子 (雑)
九 電線の鴉の凍る月明り 松太 (冬・月)
十 姥捨山を影の彷徨ふ 酸模 (雑)
十一 朝粥に梅干しひとつ花の宿 松太 (春・花)
折端 保護猫親子愛しむ春 遊歩 (春)
【名残の表】
初句 手庇に海市へ向かふ白き船 まさみ(春)
二 陽に朗々とアザーンの声 隆子 (雑)
三 子羊のスープの香りなつかしく 文(雑)
四 現役引退懸ける夏場所 一郎 (夏)
五 居眠りてベリーショートに髪切られ 眞理子(雑)
六 人を呑みこむ「真実の口」 尾燈子(雑)
七 ギャンブルの沼にはまりて抜け出せず 文(雑)
八 妻の鼾に眠り覚めたり 酸模 (雑・恋)
九 夏燃ゆる女の闘い都知事選 雅子 (夏)
十 隣近所に里芋配り 一郎 (秋)
十一 ハイボールからんころんと月上る 文(秋・月)
十二 ゆつくり帰れ茄子の牛歩よ 尾燈子(秋)
【名残の裏】
初句 雪しまく千人風呂に傷癒し 桂 (冬)
二 「火の用心」は鉄斎の筆 妖子 (冬)
三 三体の木乃伊の傾ぐ阿弥陀堂 酸模 (雑)
四 子等全力で揚雲雀追ひ 桂 (春)
五 花吹雪く復興遅き能登の空 雅子 (春・花)
挙句 ひときは大きく春の満月 雅子 (春・月)