いどばた歌仙 飛梅「星飛んでの巻」満尾となりました
《連衆》安藤文、土谷眞理子、青沼尾燈子、葛西美津子(ミツコ)、上田雅子、松川まさみ、密田妖子、佐藤森恵、西川遊歩、飛岡光枝(捌)
二〇二四年九月一日~十月三十一日
【初折の表】
発句 星飛んで吾も飛びゆく夢の中 眞理子(秋)
二 川面くろぐろ鮭上るなり 妖子 (秋)
三 月餅の山と積まれて今日の月 遊歩 (秋・月)
四 タワーマンションまた買ひ漁る 文 (雑)
五 独房の固きベッドのよく眠れ 文 (雑)
六 巨大流氷接岸の朝 ミツコ(春)
【初折の裏】
初句 花ふぶく崖に伐りだす硯石 遊歩 (春・花)
二 句を付けかねて草庵の春 文 (春)
三 若き妻おほどかに乳ふくまする まさみ(雑・恋)
四 寝覚めのヨガは猫のポーズで 妖子 (雑)
五 ガンジスの畔ヒッピー大夕焼け 遊歩 (夏)
六 大拙はるか夏柳ゆれ 森恵 (夏)
七 雲流れゆく方形の水鏡 まさみ(雑)
八 グランドゼロを照らす凍月 遊歩 (冬・月)
九 雨垂れのピアノの音色残し逝く 眞理子(雑)
十 花野を駆ける君を追ひかけ 文 (秋・恋)
十一 地芝居のお軽卒寿のあたり役 まさみ(秋)
十二 金毘羅の樽秋の波間に ミツコ(秋)
【名残の表】
初句 身に巣食ふ病倒さん酒をつぐ 文 (雑)
二 けふも売り切れ言問団子 雅子 (雑)
三 手花火にぐつと近づく顔と顔 文 (夏・恋)
四 袖振り合ふも山小屋の客 妖子 (夏)
五 しんしんと夜を降り積む火山灰 雅子 (雑)
六 しろもんの壺はや梅香り 妖子 (春)
七 薬売りのおやじ差し出す紙風船 遊歩 (春)
八 沖に大和の蜃気楼燃ゆ 遊歩 (春)
九 年寄りも若きもまじりデモの列 文 (雑)
十 遅すぎた気もする平和賞 尾燈子(雑)
十一 月まどか光り流るる鯨の背 森恵 (秋・月)
十二 秋の茄子の色よく漬かる 文 (秋)
【名残の裏】
初句 冷まじき顔ぞろぞろと選挙戦 文 (秋)
二 コビトカバの尻糞まき散らし 森恵 (雑)
三 すくすくと婆のほまちの野菜どち 眞理子(雑)
四 軒のさるぼぼ春風に揺れ 尾燈子(春)
五 舞ひ上がる花よ嵐よ吉野建 雅子 (春・花)
挙句 鼾とよもし眠る佐保姫 文 (春)