飛梅「大津絵の鬼の巻」満尾となりました
《連衆》 安藤文、土谷眞理子、三玉一郎、松川まさみ、青沼尾燈子、葛西美津子(ミツコ)、上田雅子、密田妖子、佐藤森恵、西川遊歩、飛岡光枝(捌)
二〇二四年十一月七日~二〇二五年一月十九日
【初折の表】
発句 年の夜や大津絵の鬼うす笑ひ 妖子 (冬)
脇 軒端に干しておねしよの蒲団 遊歩 (冬)
第三 しののめの風林火山旗印 一郎 (雑)
四 今日より打たん山の新蕎麦 遊歩 (秋)
五 水を汲む灌漑池は月抱き 妖子 (秋・月)
六 眉根やさしき後の雛さま 妖子 (秋)
【初折の裏】
初句 富士を越え飛行機雲はどこまでも 一郎 (雑)
二 歌い継がれる鉄腕アトム 一郎 (雑)
三 ジャングルのゴリラ調査も十年目 雅子 (雑)
四 おぼろおぼろと君の面影 雅子 (春・恋)
五 巡りくる三月十一日の空 一郎 (春)
六 茶摘みの唄の流れ来る道 遊歩 (春)
七 足軽くツッコミ同士二人旅 まさみ(雑)
八 ぶらんこ乗りの夫婦老いたり まさみ(雑・恋)
九 夏の月はな子のゐない動物園 一郎 (夏・月)
十 激戦の跡仏桑華咲き 尾燈子(夏)
十一 光りさす海よマンタのひるがへり ミツコ(雑)
折端 夢のごとくに春の大虹 文 (春)
【名残の表】
初句 赤ん坊に初めての靴花の山 尾燈子(春・花)
二 甘茶を浴びて日にてらてらと 妖子 (春)
三 アメリカにふんぞり返るがまがへる 文 (夏)
四 腹の核弾頭つぎつぎ破裂 ミツコ(雑)
五 はばからずアダムとイブはキス交はし 文 (雑・恋)
六 迷ひこんだる万華鏡の中 まさみ(雑)
七 雫して朝日に溶ける軒氷柱 妖子 (冬)
八 いぶりがつこのいよよ色良く 一郎 (冬)
九 また届く見合写真を山と積み 一郎 (雑・恋)
十 新酒酌むにも餡パンが友 まさみ(秋)
十一 月射して賢治童話の朗読会 森恵 (秋・月)
十二 まだあをあをと鵙の早贄 文 (秋)
【名残の裏】
初句 百歳を超えていよいよ盛んなり 文 (雑)
二 玉のごとくに調べすがしき 一郎 (雑)
三 ちらちらと木洩れ日遊ぶ白き顔 尾燈子(雑)
四 栄螺かかげて海女浮かび出づ 文 (春)
五 飛花落花のこる瓦礫に狂ほしく まさみ(春・花)
挙句 筆のびらかに招く春風 森恵 (春)