いどばた歌仙 善哉 雲雀の巻 名残の表/七
溢れる思いを懸命にラブレターに書こうとしているんですね。
この健気な恋は、どうなったのでしょう。
続きにならないよう、がらっと転じてください。
次も雑で恋を。
【名残の表】
一(折立) 風の中仔馬ゆつくり走り出す 尾燈子(春)
二 正午を告げるビッグベンの鐘 真知子(雑)
三 押し寄せる不法移民に揺るる島 美津子(雑)
四 道化を演じ切り抜ける才 桃瑪(雑)
五 遺言なく揉める相続雪しまく 茉胡(冬)
六 雀と遊び春を待つなり 貝太(冬)
七 書き直しまた書き直すラブレター 真知子(雑・恋)
八
【付句候補】
〇
書き直しまた書き直すラブレター(真知子)
△
ひと言も発さず白無垢見送れり(尾燈子)
・
このバスに乗れば彼女に会えるはず
初恋の人は薄荷の香りして
ほんのりと君の面影浮かぶカーディガン
恋人とお初天神とん平焼き
そのむかし同じ根付を付けし日々
化粧してハローワークへ通ふ日々