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いどばた歌仙 善哉

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いどばた歌仙 善哉「新米の巻」 満尾となりました。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    

《連衆》青沼尾燈子 安藤久美 石川桃瑪 斉藤真知子 高角みつこ 
高橋真樹子 田村史生 土谷眞理子 永井貝太 中野美津子 氷室茉胡 
《捌き》木下洋子 
2025年9月16日~11月7日

【初折の表】
発句   新米もまだ艸の実の匂ひかな    蕪村(秋)
脇     稲架の間を駆け廻る子ら     尾燈子(秋)
第三   今日の月都を偲ぶ笛の音      みつこ(秋・月)
四     メールで届く辞令見つめる    桃瑪(雑)   
五    白波の立つ湖を渡し船       貝太(雑)
六     誰が忘れし麦藁帽子       真知子(夏)
【初折の裏】
初句   朗らかに遠近で鳴く夏蛙      貝太(夏)
二     お不動さまの守る山里      眞理子(雑)
三    朝ドラの夫婦を演じ恋仲に     史生(雑・恋)
四     W不倫のスクープ写真      茉胡(雑・恋)
五    客をらぬ回転木馬くるくると    真樹子(雑)
六     睨みを利かすキングメーカー   美津子(雑)
七    褞袍着て名言集を読み返す     久美(冬)
八     啄木の見し冬の月なり      尾燈子(冬)
九    ナナハンをふかし夜明けの渚まで  久美(雑)
十     やめたやめたの出世街道     真樹子(雑)
十一   足軽もお屋形様も花見酒      史生(春・花)
折端    一期一会の春惜しむ句座     茉胡(春)
【名残の表】
初句   逃げ水を躓きながら彷徨す     尾燈子(春)
二     約束の地へ旗ひるがへす     貝太(雑)
三    平和賞なにがなんでも取りたくて  真知子(雑)
四     デイールデイールとひとりで叫ぶ  史生(雑)
五    夏富士へインバウンドの波寄する  眞理子(夏)
六     人に驚き隠るる子鹿       美津子(夏)
七    指笛の上手き少年いま何処     真樹子(雑)
八     ガンジス川のほとりに契る    真樹子(雑・恋)
九    永眠の君の唇ありがたう      茉胡(雑・恋)
十     迎へに来たる輿は月へと     尾燈子(秋・月)
十一   やつと寝て絵本を閉ぢる秋燈下   眞理子(秋)
十二    鳴らぬひよんの実ポケットに入れ 桃瑪(秋)  
【名残の裏】
初句   中学の恩師を囲む集ひへと     真知子(雑)
二     不惑で始む杜氏の修業      美津子(雑)
三    久々に煙の上がる登り窯      真知子(雑)
四     強まる風に耐ふる薄氷      桃瑪(春)
五    みちのくのことにうれしき花便り  久美(春・花)
挙句    伸びつ縮みつ遠足の列      貝太(春)

投稿日:2025年11月10日 作成者: kinosita2025年11月10日

いどばた歌仙 善哉「新米の巻」 名残の裏 挙句                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    

「伸びつ縮みつ」が生き生きと子ども達の遠足の様子を伝えてくれます。
明るい余韻の残る挙句です。
めでたく満尾となりました。
連中の皆様と「新米の巻」の旅を無事終えることができました。
それぞれの一句が連なってひとつの作品になりました。
日々の投句、ありがとうございました。

次の発句は
水鳥のおもたく見えて浮きにけり   鬼貫

11月24日、月曜日午後8時までに脇句(冬)を投句してください。
よろしくお願いいたします。

【名残の裏】 
初句  中学の恩師を囲む集ひへと     真知子(雑)
二    不惑で始む杜氏の修業      美津子(雑)
三   久々に煙の上がる登り窯      真知子(雑) 
四    強まる風に耐ふる薄氷      桃瑪(春)
五   みちのくのことにうれしき花便り  久美(春・花)
六    伸びつ縮みつ遠足の列      貝太(春)

〇
伸びつ縮みつ遠足の列(貝太)

△
野に放たれて遊ぶ春駒(久美)

・
逃水を追ふ子らの声々
一族総出青き踏みつつ
季節見送り桜蘂降る
いつの間にかに春の夕焼
ほんのり苦き蕗味噌の味
風の間に間に鶯の声
流れを急ぐ雪解けの水

投稿日:2025年11月8日 作成者: kinosita2025年11月10日

いどばた歌仙 善哉「新米の巻」 名残の裏 五                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    

前句を受け、ことにうれしき花便りの句をいただきました。

いよいよ挙句となりました。
さらりと自然体で詠んでください。

【名残の表】
十二   鳴らぬひよんの実ポケットに入れ 桃瑪(秋)
【名残の裏】 
初句  中学の恩師を囲む集ひへと     真知子(雑)
二    不惑で始む杜氏の修業      美津子(雑)
三   久々に煙の上がる登り窯      真知子(雑) 
四    強まる風に耐ふる薄氷      桃瑪(春)
五   みちのくのことにうれしき花便り  久美(春・花)
六

〇
みちのくのことに待たるる花便り(久美)(みちのくのことにうれしき花便り)

△
介添の声朗らかに残る花(貝太)  
花守の百寿を待たず花のもと(真知子)
惜しまれて暖簾をたたむ花の宿(史生)

・
酔ひつつも謡吟じる花の奥
目処つきし老後生活花の昼
あざやかに上下左右に花吹雪
花盛りほつと一息休むとす
初花を見つけて憂さを忘れたり
大甕に投入れてある花の枝

投稿日:2025年11月6日 作成者: kinosita2025年11月7日

いどばた歌仙 善哉「新米の巻」 名残の裏 四                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    

早春の時期の薄氷。消えやすいですが、風に耐えていると表現。

次は花の定座です。

【名残の表】
十一  やつと寝て絵本を閉ぢる秋燈下   眞理子(秋)
十二   鳴らぬひよんの実ポケットに入れ 桃瑪(秋)
【名残の裏】 
初句  中学の恩師を囲む集ひへと     真知子(雑)
二    不惑で始む杜氏の修業      美津子(雑)
三   久々に煙の上がる登り窯      真知子(雑) 
四    強まる風に耐ふる薄氷      桃瑪(春)
五

〇
風の重さに耐ふる薄ら氷(桃瑪)(強まる風に耐ふる薄氷)

△
春一番の風にも負けず(みつこ)(春一番に背中押されて)
よいせと揚げるびくの公魚(貝太)
真青な空を映す薄氷(史生)

・
日々上手くなる初音朗々
春告鳥の鳴く峡の里
星の瞬く寒明けの空
交換の捕虜帰る春の野
待ち遠しきは合格通知
朝寝の顔を人に見られて
朧月夜を猫の通ひ路

投稿日:2025年11月6日 作成者: kinosita2025年11月6日

いどばた歌仙 善哉「新米の巻」 名残の裏 三                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    

ここは叙景の句がほしいところ。
山麓の傾斜に沿って築かれた登り窯。焼成にかかる二日あまりは交代で
火の番をします。焼き上げた後は20日ほどかけて自然冷却し陶磁器を
取り出します。登り窯の煙の上がる山麓の景です。

次は早春の句を詠んでください。
五が花の定座なので、植物は避けてください。

【名残の表】
十    迎えに来たる輿は月へと     尾燈子(秋・月)
十一  やつと寝て絵本を閉ぢる秋燈下   眞理子(秋)
十二   鳴らぬひよんの実ポケットに入れ 桃瑪(秋)
【名残の裏】 
初句  中学の恩師を囲む集ひへと     真知子(雑)
二    不惑で始む杜氏の修業      美津子(雑)
三   久々に煙の上がる登り窯      真知子(雑) 
四

〇
久々に煙の上がる登り窯(真知子)

△
水旨き峡の里へと移住して(眞理子)(水清き山峡にある小さき村)
顕微鏡覗けば小さき生命あり(貝太)(小さき生命あり→円き細胞が)
山裾の林貫く銃の音(桃瑪)(林貫く→林に響く)

・
つひつひと試飲重ねてべろべろに
飼い主を襲ひし獣に吠える犬
三人の孫に俳句を教へもし
スマホから離れて過ごすありがたさ
箸とりて夕餉につくが今日の幸
フレンチに合ふ辛き吟醸

投稿日:2025年11月5日 作成者: kinosita2025年11月5日

いどばた歌仙 善哉「新米の巻」 名残の裏 二                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    

不惑は四十歳。新たな挑戦を始めるようです。「修行」は「修業」に。

次も雑で詠んでください。
締切は都合により11月4日(火)午後8時にさせていただきます。

【名残の表】
九   永眠の君の唇ありがたう      茉胡(雑・恋)
十    迎えに来たる輿は月へと     尾燈子(秋・月)
十一  やつと寝て絵本を閉ぢる秋燈下   眞理子(秋)
十二   鳴らぬひよんの実ポケットに入れ 桃瑪(秋)
【名残の裏】 
初句  中学の恩師を囲む集ひへと     真知子(雑)
二    不惑で始む杜氏の修業      美津子(雑)
三  

〇
Uターンして杜氏の修行(美津子)(不惑で始む杜氏の修業)

△
足らぬパズルのピースを探す(貝太)

・
新たな趣味に余生生き生き
薄化粧にて清楚なスーツ
趣味は絵画で個展を開く
びつしりと書き十年日記
話し弾みて拡がる宇宙
季語を探して開く歳時記
フラッシュモブを仕込む世話役

投稿日:2025年11月1日 作成者: kinosita2025年11月1日

いどばた歌仙 善哉「新米の巻」 名残の裏 初句                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    

同窓会というと人数がかなり多い印象がありますが、恩師を囲む会に集うのは、
かつての級友の一部かと。その分、共通の思い出に話が弾みそうです。
次も雑で詠んでください。
思い出に戻らず、前へ進めてください。

【名残の表】
八    ガンジス川のほとりに契る    真樹子(雑・恋)
九   永眠の君の唇ありがたう      茉胡(雑・恋)
十    迎えに来たる輿は月へと     尾燈子(秋・月)
十一  やつと寝て絵本を閉ぢる秋燈下   眞理子(秋)
十二   鳴らぬひよんの実ポケットに入れ 桃瑪(秋)
【名残の裏】 
初句  中学の恩師を囲む集ひへと     真知子(雑)
二  

〇
中学の同級生に会ひにいく(真知子)(中学の恩師を囲む集ひへと)

△
将来の夢は三様三姉妹(茉胡)
日本に虎一色のスタジアム(真樹子)(タイガースカラーで埋まるスタジアム)

・
空港の荷物検査を無事に抜け
楽しみはお土産だけの父帰る
蝦蟇あぶら売る口上に人集り
この頃は二季化してをる大八洲
伐採し森の公園造成す
シリーズのMVPを競り合ふて

投稿日:2025年10月31日 作成者: kinosita2025年10月31日

いどばた歌仙 善哉「新米の巻」 名残の表 十二                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    

十一の「秋の夜」は「あきのよ」なので、「秋燈下」にします。
ひよんの実は、イスノキの葉にできた虫こぶ。虫が出た後の空洞部分を
吹くと音が出るはずだが鳴らない。それでも大事そうにポケットに。
七に「指笛」が出ているので、「吹く」は避けました。

いよいよ名残の裏に入ります。
雑で詠んでください。

【名残の表】
七   指笛の上手き少年いま何処     真樹子(雑)
八    ガンジス川のほとりに契る    真樹子(雑・恋)
九   永眠の君の唇ありがたう      茉胡(雑・恋)
十    迎えに来たる輿は月へと     尾燈子(秋・月)
十一  やつと寝て絵本を閉ぢる秋燈下   眞理子(秋)
十二   鳴らぬひよんの実ポケットに入れ 桃瑪(秋)
【名残の裏】 
初句  

〇
音も出ぬのにひよんの実を吹く(桃瑪)(鳴らぬひよんの実ポケットに入れ)

△
色の深まる紫式部(美津子)

・
スマホ漬けなる暮しうそ寒
夫の帰りを待つ冬隣
二人羽織で啜る新蕎麦
母恋ふ雀蛤となり
惜しむほどなく秋は短し
雀しぶしぶ蛤となる
どこからとなく初鴨のこゑ

投稿日:2025年10月29日 作成者: kinosita2025年10月30日

いどばた歌仙 善哉「新米の巻」 名残の表 十一                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    

絵本の読み聞かせをしていた子どもは、やっと眠りについたようです。
次は、晩秋に季節を進めてください。

【名残の表】
六    人に驚き隠るる子鹿       美津子(夏)
七   指笛の上手き少年いま何処     真樹子(雑)
八    ガンジス川のほとりに契る    真樹子(雑・恋)
九   永眠の君の唇ありがたう      茉胡(雑・恋)
十    迎えに来たる輿は月へと     尾燈子(秋・月)
十一  やつと寝て絵本を閉ぢる秋の夜   眞理子(秋)
十二  

〇
子の眠り絵本を閉ぢて夜食とる(眞理子)(やつと寝て絵本を閉ぢる秋の夜)

△
秋深き正倉院の扉開く(美津子)
長き夜の村の語り部わづかにて(みつこ)(長き夜村に伝はる話して)
胸もとのそれは何かと赤い羽根(桃瑪)(胸もとの赤い羽根見てそれは何)

・
裏の石万博用に持ち帰る
飛び入りがさらふ優勝草相撲
ナスカ絵を探すAI秋深し
機織りのさなかと露の札かけて
二三日で食べごろとなる吊し柿

投稿日:2025年10月29日 作成者: kinosita2025年10月29日

いどばた歌仙 善哉「新米の巻」 名残の表 十                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                     

まるでかぐや姫ではないかと思う展開になりましたが、月は魂の帰りゆく
ところとも。
さあ、次は。秋で詠んでください。

【名残の表】
五   夏富士へインバウンドの波寄する  眞理子(夏)
六    人に驚き隠るる子鹿       美津子(夏)
七   指笛の上手き少年いま何処     真樹子(雑)
八    ガンジス川のほとりに契る    真樹子(雑・恋)
九   永眠の君の唇ありがたう      茉胡(雑・恋)
十    迎えに来たる輿は月へと     尾燈子(秋・月)
十一

〇
迎へられたる輿は月へと(尾燈子)(迎えに来たる輿は月へと)

△
月の光の森に差し込む(眞理子)
どこからとなく香る木犀(真知子)

・
羽の生えたる天狗舞ふ空
身振り手振りで伝へる熱意
すべてを赦す広き海原
月見団子と並んで座る
月の光に葉巻燻らす

投稿日:2025年10月28日 作成者: kinosita2025年10月28日

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