いどばた歌仙 善哉「花」の巻 満尾となりました。
《連衆》青沼尾燈子 安藤久美 斉藤真知子 高角みつこ 高橋真樹子
田村史生 永井貝太 中野美津子 氷室茉胡
《捌き》木下洋子
2025年4月15~6月14日
【初折の表】
発句 残生やひと日は花を鋤きこんで 飴山實(春・花)
脇 白き蝶々あそぶ川舟 真樹子(春)
第三 春風に乗りて祝電届くらん みつこ(春)
四 初日の朝は豆腐味噌汁 久美(雑)
五 母と子の寝息安らかけふの月 美津子(秋・月)
六 あきんど集ふ豊年の村 貝太(秋)
【初折の裏】
初句 長き夜にコンクラーベの始まりて 史生(秋)
二 山から山へ上がる狼煙 尾燈子(雑)
三 後宮に貴妃の奏づる琵琶の音が 真知子(雑)
四 和歌の上手な恋の狩人 茉胡(雑・恋)
五 くどくには今宵はひどき鼻詰まり みつこ(雑・恋)
六 余熱でつくる半熟卵 史生(雑)
七 フォロワーが百万人のアイドルに 久美(雑)
八 スタジアムより見る月涼し 史生(夏・月)
九 したたかに酔つてくぐらんドヤの門 貝太(雑)
十 夢か現か二度寝の沼に 尾燈子(雑)
十一 今生は烏に生まれ花の山 久美(春・花)
折端 釣り糸垂らす永き日の暮れ 真知子(春)
【名残の表】
初句 茶摘唄背なの赤子も唱和して 茉胡(春)
二 下田の沖に黒船が見え 美津子(雑)
三 写経する墨の香りにつつまれて 真樹子(雑)
四 千年後へ立つ心柱 久美(雑)
五 懐かしき地球を眺め日向ぼこ 史生(冬)
六 雪の兎は雪野へ帰り 貝太(冬)
七 鉄ちゃんと鉄子の出会ふ無人駅 美津子(雑・恋)
八 代はる代はるに取りし育休 茉胡(雑・恋)
九 待望の総裁選へ駒進め 真樹子(雑)
十 いまだ叶はぬ能登の復興 真知子(雑)
十一 万博の大屋根リング月上る 尾燈子(秋・月)
十二 耳をすませば秋の波音 みつこ(秋)
【名残の裏】
初句 猪が近づいて来る秘密基地 史生(秋)
二 宇宙資源の利権争ふ 茉胡(雑)
三 勲章とダイヤきらめく晩餐会 みつこ(雑)
四 王家を離れ修行の旅へ 尾燈子(雑)
五 花守の合間に開く古本屋 史生(春・花)
挙句 いまもかすかに引鶴のこゑ 真知子(春)