第二十四回カフェきごさいズーム句会(2025年3月29日)の句会報告です。( )は推敲例。
第一句座
【特選】
泰山の鳴動してか黄砂来る 早川光男
(泰山の鳴動止まず黄砂ふる)
駆け出せば子供らはもう春の風 矢野京子
(駈け出して子供らははや春の風)
噛み当てし眼かなしき蛍烏賊 葛西美津子
(噛み当てて眼かなしき螢烏賊)
児童公園母と子達の花筵 上田雅子
(一枚は母と子どもの花筵)
【入選】
恐ろしき炎が包む春の山 上田雅子
また一人欠けて詣る彼岸寺 赤塚さゆり
北斎の浪の如くにミモザか 早川光尾
(北斎の浪とあふれてミモザかな)
空耳や父の声のせ春の風 前田悠
(空耳か父の声のせ春の風)
滝口の石に分かるや春かなし 花井淳
(滝口の石に分かるる春の水)
残り鴨お前も足を挫いたか 前﨑都
待ち受けにふるさとの山暖かし 早川光男
曲水や伏見の酒の香り立つ 花井淳
足投げ出す風やはらかき蝶の昼 伊藤涼子
五七五ゆく春の指折りながら 葛西美津子
(ゆく春や五七五と指を折り)
異国語の表紙の句集風光る 前田悠
むらさきに春明けゆくや初句集 飛岡光枝
第二句座(席題・四月馬鹿、青き踏む)
【特選】
うかうかと過ぎてしまへり四月馬鹿 葛西美津子
(うかうかと老人となり四月馬鹿)
毎日が四月馬鹿なり大統領 前田悠
【入選】
若いよね言われしことも万愚説 斉藤真知子
十勝岳の風満身に青き踏む 高橋真樹子
爪先でふらつきながら青き踏む 早川光尾
宝くじ買つてしまひぬ四月馬鹿 伊藤涼子
万愚説痴呆の父に約束し 周龍梅
広州のあひる追ひかけ青き踏む 飛岡光枝