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第十六回 カフェズーム句会 句会報(飛岡光枝選)

caffe kigosai 投稿日:2024年8月3日 作成者: mitsue2024年8月3日

七月十三日のカフェズーム句会句会報告(飛岡光枝選)です。(   )は添削例。
カフェきごさいズーム句会はどなたでも参加いただけます。右の欄よりお申込みください。

第一句座              
【特選】
初めての糸瓜咲きけり黃鮮やか     たきのみね
(金色に初めての糸瓜咲きにけり)
首のべて亀の噛みつく大暑かな     葛西美津子
鰭ゆらし夏のよどみへ金の鯉      葛西美津子
三伏のま白き鳩の歩み来る       葛西美津子

【入選】
雲の峰マンタと泳ぐ太平洋        藤倉桂
夏を告ぐほほづき市や空青し      前﨑都
おさがりの今年ぴつたり夏帽子     矢野京子
(今年ぴつたりおさがりの夏帽子)
ベランダのトマトを添えて夏料理    早川光尾
(ベランダのトマトを捥ぎて夏料理)
サングラス親指ぐいと踏み出しぬ      村井好子
犬用の合羽も干され梅雨晴間      赤塚さゆり
早苗田の影悠然と浅間山        藤井和子
(早苗田に影悠然と浅間山)
老い二人ほどよき間合ひ冷し酒       前﨑都
(老い二人ほどよき間合冷し酒)
茄子漬の白き切り口雨あがる      たきのみね
取取のマカロン並ぶ梅雨晴間      赤塚さゆり
(取り取りのマカロン並ぶ梅雨晴間)
心太割箸の香もすすりけり       高橋真樹子
(割箸の香をすすりけり心太)
金魚鉢ちがふ景色に移さるる      斉藤真知子
梅雨しとどグロリオーサは赤増しぬ   上田雅子
トンネルを抜け青田波青田波      村井好子
(トンネルを抜けて押し寄す青田波)
異国語は音楽めきて夏の夜       鈴木勇美
おのづと手を合はせてをりぬ滝の前   前﨑都
(おのづから手を合はせけり滝の前)
海の日や新日本丸の風受けて      花井淳
(海の日や新日本丸風受けて)
母のゐし夏の夕暮れ琥珀羹       葛西美津子
この星を焼き尽くさんと酷暑かな    藤井和子
(この星を焼き尽くさんと油蝉)
神鳴や我が夜我が街撃ちぬきて     鈴木勇美
青い目の少女うるはし浴衣かな     伊藤涼子
月明に似たる糸瓜の花一輪       たきのみね

飛岡光枝出句
どぢやう鍋ポンポン船の遠ざかる

第二句座(席題・登山、鰻)
【特選】 
鰻やのメニュー松竹梅とかいろはとか  上田雅子      
(うな重や松竹梅とかいろはとか)
うな重やちょつと寄り道鰻塚      藤倉桂
(うな重やちよつと手を合はせ鰻塚)

【入選】
女郎蜘蛛住んでをるらし登山小屋    伊藤涼子
山登りケルンに積みし石ひとつ     斉藤真知子
不忍の池見下ろして鰻食ふ       上田雅子
(鰻食ふ不忍の池見下ろして)
登山口熊に注意の六ヶ条        高橋真樹子
近江町はうなぎ鰻の熱気かな      花井淳
(近江町うなぎ鰻の熱気かな)
一献や鰻白焼きあればよし        矢野京子
リハビリの後の一鉢うなぎかな      前﨑都
百寿まで生きると決めて鰻喰ふ     高橋真樹子

飛岡光枝出句
富士登山父母かくも若かりき

第十五回 カフェきごさいズーム句会 句会報

caffe kigosai 投稿日:2024年6月30日 作成者: mitsue2024年6月30日

2024年(令和六年)六月八日のカフェズーム句会、句会報告(飛岡光枝選)です。(   )は添削例。
カフェきごさいズーム句会はどなたでも参加いただけます。右の欄よりお申込みください。飛岡光枝

第一句座              
【特選】
父の日やカードで開ける父の墓         上田雅子
黒南風や苔を舐めとる鯉の口          葛西美津子
黴にほふ母のバッグの捨てられず        伊藤涼子

【入選】
酒盗ひと口冷酒ひと口八丁堀           花井淳
(酒盗ひと箸冷酒ひと口)
梅雨晴れ間キャベツ千切りシャキシャキシャキ  藤倉桂
(梅雨晴間キャベツ千切りシャキシャキと)
紫陽花の路地の奥なる書道塾          鈴木勇美
洗鯉あかね色の空惜しみつつ          矢野京子
ライラックこの街に住み二十五年 高橋真樹子
幾万の中の五百句夏ふかむ           斉藤真知子
火を恋ふる翅美しや虫篝            上田雅子
(焼き尽くす翅美しや虫篝)
下手な句をまだ捨てられぬ暑さかな       斉藤真知子
めまとひを払ひながらの案内かな        矢野京子
老鶯や筧を走る山の水             葛西美津子
鱚三十天ぷらにまた風干しに          葛西美津子
あぢさゐの道の果なき夫逝きて         花井淳
(あぢさゐの道の果てなし夫逝きて)
柚子の花旅のひと日の芳しく          伊藤涼子
五月雨の神社に赤き芝居小屋
          鈴木勇美
田水張り煙草喫ふ父眩しげに          早川光尾
(眩しげに煙草喫ふ父田水張り)
あぢさゐや傘とほり過ぐ塀の上         矢野京子
麦秋や砲声未だ鳴り止まづ           早川光尾

飛岡光枝出句
舌出すに似て薄羽の天道虫 

第二句座(席題、青梅、アマリリス)
【特選】
家中に籠の実梅の匂ひけり       斉藤真知子
そこいらの竿もて落とす実梅かな    前﨑都

【入選】
青々と瓶に沈めて梅酒かな       上田雅子
(青々と瓶に沈みて実梅かな)
アマリリスけふ開くかと思ひしが    斉藤真知子
つば広の帽子深めにアマリリス     前﨑都
青梅のぷかりぷかりと瓶の中      斉藤真知子
Tシャツの魔女の行方にアマリリス   高橋真樹子
(猫つれて魔女の行方やアマリリス)
アマリリス遠く聞こえて来るロンド   たきのみね
女冥利真夜の厨の梅仕事        藤倉桂
青梅を一つ拾ひていかにせむ      伊藤涼子
ご隠居の自慢の実梅届きけり      赤塚さゆり

飛岡光枝出句
飛梅やいよいよ青き実をつけて

 ≪報告≫  第六回「花仙の会」2024 初夏の巻 

caffe kigosai 投稿日:2024年6月2日 作成者: mitsue2024年6月2日

「カフェきごさい」サイトで毎月(今月の花)を執筆する草月流福島光加がいける花6作品に、参加者が俳句を作り飛岡光枝が選をして一巻を巻き上げる「花仙の会」。第六回となる「初夏の巻」は、5月23日に東京都千代田区飯田橋の「東京レジデンス」にて開催されました。前回はコロナ前の2018年の冬に開催、ほぼ5年ぶりの今回は30名以上の参加者による花と俳句が展開される活気あふれる3時間となりました。

山法師が吹雪く花に始まり、糸芭蕉、アイリス、トルコ桔梗、木賊と涼し気な植物がつぎつぎといけられ、第六花の平和を願う向日葵が玻璃の花器にいけられると会場からため息がもれました。入選の句は日本画家杜今日子さんがその場で書にしたため、花とともに入選者にお持ち帰りいただきました。以下、花6作品と俳句6句のコラボレーションをお楽しみください。(光枝)
(写真をクリックすると大きくなります)撮影:花井淳


【第一の花】
山法師・縞がま・擬宝珠・ダリア
【第一の句】
「はるかより帆船来たれ青嵐」光枝

【第二の花】
海藻・モカラ・糸芭蕉の葉
【第二の句】
「雲の峰まで噴き上げよマーライオン」和華子

【第三の花】
土佐水木・ジャーマンアイリス・杜若の葉
【第三の句】
「まづ顔が怖き師のあり走馬灯」容子

 

【第四の花】トルコ桔梗・金宝樹
【第四の句】
「金魚には告白してる恋いくつ」栄順

【第五の花】エピデンドラム・木賊・豆
【第五の句】
「秋近し望遠鏡に土星の環」道子

【第六の花】着色オーガスタの葉・向日葵・ヒペリカム
【第六の句】
「反戦歌声振り絞る夏の果て」遊歩

第六回「花仙の会」2024 初夏の巻 開催のお知らせ(終了しました)

caffe kigosai 投稿日:2024年5月5日 作成者: mitsue2024年5月30日

牡丹

「カフェきごさい」特別イベント「花仙の会」~連花と連句・草月いけばなと俳句~ を開催します。コロナで中断していたこの会も六回を数えます。
「カフェきごさい」今月の花でお馴染みの福島光加さんのいけ花に参加者が俳句を詠み、飛岡光枝が選をします。花と俳句6作品が連なる斬新な試み、毎回俳句が初めての方も果敢に挑戦され、参加者全員で花と俳句の世界を作りあげてきました。さて今回はどんな景色が出来上がるでしょうか。
いけた花は俳句の入選者にお持ち帰りいただきます。俳句を詠まない方もご参加いただけますので気楽にご参加ください。お待ちしております。
お申込みは以下へどうぞ。

【日時】2024年5月23日(木)13時30分~16時(予定)

【場所】東京都千代田区飯田橋2-18-1 東京レジデンス 1階「コラボレートルーム」
    ・地下鉄・JR「飯田橋駅」徒歩7分・地下鉄「九段下駅」徒歩5分
    (ご参加の方へは地図をお送りします)

【会費】2,200円(要予約)

【申し込み・問合せ】飛岡光枝 t1o2b3y4y@outlook.jp

いどばた歌仙「飛梅」 スタートのお知らせ

caffe kigosai 投稿日:2024年3月28日 作成者: mitsue2024年3月28日

カフェきごさい店長、飛岡光枝が捌く「いどばた歌仙 飛梅」が始まります。どなたでも参加可能なネット歌仙です。参加ご希望の方は、長谷川櫂さんのサイト「俳句的生活」の「いどばた歌仙 飛梅」参加フォームからどうぞ。第一巻は4月1日スタート、途中からの参加はできませんのでご注意ください。歌仙初心者の方も気楽にご参加ください。お待ちしています。(店長)

第九回 カフェきごさいズーム句会

caffe kigosai 投稿日:2023年12月30日 作成者: mitsue2023年12月30日

毎月1回ズームで行う「カフェきごさいズーム句会」、今月の句会報告です。
添削例も参考にしてください。
この句会はどなたでも参加可能です。ご希望の方は右のご案内から、どうぞ。

第九回 2023年12月9日(土)
飛岡光枝選(  )は添削例

第一句座              
【特選】
浅草や色とりどりに着ぶくれて        鈴木勇美
鵯の食ひ散らかすや木守柿          早川光尾
雪催たんと漬け込む山東菜          前﨑都
出番待つ羊並ぶやクリスマス         高橋真樹子
(出番待つ子羊並ぶクリスマス)

【入選】
初氷秩父連山晴れ晴れと           藤倉桂
空つ風鯛焼き二つポケットに         藤倉桂
イマジンの遠くなりけりレノンの忌      早川光尾
夕されば欲しき寄る辺や寒昴         伊藤涼子
飄々と冬の空へと旅立てり          前﨑都
眠る山起こさぬやうに山の径         斉藤真知子
舌仕舞ひ忘れて猫の日向ぼこ         赤塚さゆり
咲き満ちて大シャンデリアしやこさぼてん   伊藤涼子
柚子の香のふはり風呂吹透きとほる      伊藤涼子
(柚子の香の風呂吹大根透きとほる)
鯛焼の惜しみなく餡はみだしぬ        高橋真樹子
アリゾナは海の墓標に開戦日         伊藤涼子
(アリゾナは海の墓標よ開戦日)
滔滔と黒き大河や去年今年          葛西美津子

第二句座(席題、冬芽、鼻水)
【特選】
知らずして水洟垂らす写経かな       葛西美津子
水洟を拭く間も惜しく遊びけり       上田雅子
 
【入選】
ほの赤き冬芽を包む小さき手        藤井和子
鼻水の乾き切つたる笑顔かな        藤倉桂
吹き荒ぶ風も落とせぬ冬芽あり       藤井和子
街路樹は冬芽ゆたかに北辛夷        高橋真樹子
くちやくちやの笑顔の羅漢みずつぱな    藤倉桂
鼻水も空飛んでゆく大回転         藤井和子
水洟をすすりて詠まん戦の句        矢野京子
しろがねや天を目指して冬木の芽       伊藤涼子
樹齢百年牡丹の冬芽赤々と          藤倉桂
(百年の牡丹の冬芽赤々と)

第八回 カフェきごさいズーム句会報告

caffe kigosai 投稿日:2023年11月12日 作成者: mitsue2023年11月12日

毎月1回ズームで行う「カフェきごさいズーム句会」、今月の句会報告です。
今月から添削例も併記しました。参考にしてください。
この句会はどなたでも参加可能です。ご希望の方は右のご案内から、どうぞ。

第八回 2023年11月11日(土)
飛岡光枝選(  )は添削例 

第一句座 
【特選】
堂々と老い山茶花の白が好き        前﨑都
(堂々と老い山茶花の白愛す)
これよりは佳き日重ねむ返り花       藤倉桂

【入選】
七五三晴れ着のままに眠りけり       斉藤真知子
小春日や茶の湯の会へ人の列        花井淳
鶏頭を剪るにすこしの勇気かな       斉藤真知子
(鶏頭を剪るにすこしの勇気欲し)
秋の空飛行機雲の迷ひなし         藤井和子
(秋の空飛行機雲の迷ひなく)
近づいてやつぱり咲いてゐる柊       葛西美津子
(近づいてたしかに咲いてゐる柊)
立冬や煮豆ことこと終日          藤倉桂
診察を待つ窓の外冬紅葉          早川光尾
(冬紅葉診察を待つ窓の外)
秋晴れを掴みて吾子の初立つち       藤井和子
冬立つ日空澄みわたり術後の目       前﨑都
(術後の目立冬の空澄みわたる)
太秋柿由来知らねど良き名なり       前﨑都
雪ばんば今日は一斉下校といふ       高橋真樹子
綿虫のむらさきいろのあたたかし      高橋真樹子
ぴゆうと風吹きて三つ星濃くなりぬ     伊藤涼子
熊よけのラジオ流れる露天風呂       村井好子
舟寄せて浮島の松手入れかな        矢野京子
(ぎいと舟寄せて浮島松手入れ)
足場組むハンマーの音今朝の冬       村井好子
シャコサボテンごま粒ほどや花の精     伊藤涼子
(シャコサボテンごま粒ほどの莟つけ)
稲架掛けや父と息子の息合ひて       早川光尾
(稲架掛けや父と息子の息合はせ)
再びのサイレン聞こゆ今朝の冬       赤塚さゆり

第二句座(席題、白鳥、セーター)
【特選】
出来上がらぬ夫のセーター三年目      村井好子
(出来上がらぬ夫のセーター三十年)

【入選】
湖に眠りし白鳥の夢いくつ         斉藤真知子
(湖に眠る白鳥夢いくつ)
新しきセーターに猫甘えくる        斉藤真知子
セーターのトンネル抜ける赤ん坊      高橋真樹子
夕闇につがいの白鳥いよ白し        藤井和子
(夕闇につがひの白鳥いよよ白し)
白鳥も加賀の湯の里好むとや        花井淳
温きかなまだ編みかけのセーターよ     藤倉桂
セーターの裾を掴みて離れぬ子       矢野京子
思ひ出を消すごとセーター解いてゆく    前﨑都

第七回 カフェきごさいズーム句会報告

caffe kigosai 投稿日:2023年10月30日 作成者: mitsue2023年10月30日

毎月1回ズームで行う「カフェきごさいズーム句会」、今月の句会報告です。
この句会はどなたでも参加可能です。ご希望の方は右のご案内から、どうぞ。

第七回 2023年10月21日(土)

飛岡光枝選
≪第一句座≫ (当季雑詠)
           
【特選】
秋の渚花のやふなる貝の殻        上田雅子
故郷への橋は流され秋出水        鈴木勇美
山一つ湖に映して走り蕎麦        高橋真樹子

【入選】
秋風やこの身まるごと入れかはり     矢野京子
山ぶだう葉陰にルビー散りばめて     伊藤涼子
寄鍋に方言おどる同級会         前﨑都
節榑の指いとほしや栗を剝く       前﨑都
蒼き空独り占めせし雪の穂高       藤井和子
赤飯の蒸籠三段秋日和          葛西美津子
百六十センチ我を超したりアワダチソウ  上田雅子
水晶や祖父の命の今年米         藤倉桂
涙して人情噺菊日和           赤塚さゆり
秋空や神は何処ぞパレスチナ       早川光尾
秋晴や顔華やげる志功の画        花井淳
ふかし藷めぐる季節のまん中で      矢野京子
鬼やんまクラーク博士の指の先      鈴木勇美
りんご狩り新種いくつか味見して     矢野京子
あちこちに国の訛りや神の旅       斉藤真知子
 

第二句座(席題、、冬隣、運動会)

【特選】
羊羹の黒きひと口冬隣          花井淳

【入選】
暗渠より鈍き水音冬近し         葛西美津子
運動会鉛筆一本三等賞          葛西美津子
運動会昼はをさまる砂ぼこり       花井淳
休日の父の薪割冬近し          上田雅子
泣きながらビリを走るよ運動会      赤塚さゆり
冬となり真つ赤なコーヒーマグを買ひ   矢野京子
冬近し沖に黒々牡蠣筏          矢野京子

第六回 カフェきごさいズーム句会報告

caffe kigosai 投稿日:2023年9月12日 作成者: mitsue2023年9月12日

毎月1回ズームで行う「カフェきごさいズーム句会」、今月の句会報告です。
この句会はどなたでも参加可能です。ご希望の方は右のご案内から、どうぞ。

第六回 2023年9月9日(土)

飛岡光枝選
≪第一句座≫ (当季雑詠)
           
【特選】
猿の腰かけ木の魂喰うて太りけり     前﨑都
ふるさとの山は大なり栗ごはん      早川光尾
病室の窓から見えるだけの夏       上田雅子
廃屋を飲み尽くさむと凌霄花       藤倉桂
沈黙の半跏思惟像秋暑し         赤塚さゆり

【入選】
台風の置き土産なり虫合奏        早川光尾
Tシャツもくたびれ残る暑さかな     赤塚さゆり
草揺らし草揺らしては飛蝗かな      矢野京子
連山のくつきりと見え蛇笏の忌      斉藤真知子
蟹漁の港真つ赤に染まる秋        前﨑都
虫ごゑに五体傾くや仕舞風呂       藤倉桂
母癒ゆる猿のこしかけ神棚へ       前﨑都
灯篭や涙の川を消えてゆき        藤井和子
どれもこれも細き刀や秋刀魚買ふ     上田雅子
広島忌永久に怒れるゲンであれ      矢野京子
銀輪の向かふ奥能登秋の虹        花井淳
皆元気便り送らむ今年酒         藤井和子
底紅は眼を見開いて雨の中        葛西美津子
鯊ゐるかのぞく佃の舟溜り        葛西美津子
新生姜人肌色のなまめかし        矢野京子

≪二句座≫(席題、蜻蛉、稲妻)

【特選】
稲光あるはずのなき天守閣        伊藤涼子

【入選】
赤とんぼ人を待つにはあらねども     高橋真樹子
かつて居りし追い払ふ程の赤とんぼ    上田雅子   
親しげに帰郷の我に蜻蛉くる       斉藤真知子
ひねもすを谷地田に群るる蜻蛉かな    藤倉桂
鬼やんま一世教師で逝かれしか      前﨑都
稲妻や旅寝のシーツひやひやと      葛西美津子

第五回 カフェきごさいズーム句会報告

caffe kigosai 投稿日:2023年8月17日 作成者: mitsue2023年8月17日

毎月1回ズームで行う「カフェきごさいズーム句会」、今月の報告です。
この句会はどなたでも参加可能です。ご希望の方は右のご案内から、どうぞ。

第五回 2023年8月12日(土)

飛岡光枝選
≪第一句座≫ 当季雑詠             

【特選】
   日盛りのいま絢爛と金閣寺        伊藤涼子
   勝ち進むざんばら髪や大団扇        前﨑都
   夏の果ボトルシップに射す夕日      鈴木勇美
   太陽と同じ大きさトマト熟る       赤塚さゆり
【入選】
   炎昼やラーメンスープ飲み干せり     村井好子
   一粒も欠けぬかがやき巨峰盛る      伊藤涼子
   高く低く蛍連れ舞ひ星に消ゆ       藤井和子
   産毛なす白磁の肌や桃香る        伊藤涼子
   砲声のまだ鳴りやまぬ麦の波       早川光尾
   かたまって人上りくる墓参り       高橋真樹子
   桃太郎出よ大きく紅き桃         葛西美津子
   この暑さ五右衛門釜に入りしごと     斉藤真知子
   桟橋を這ひずる蛸や雲の峰        前﨑都
   亡き兄の笑顔も揺れて吊忍        早川光尾
   八月の影うづくまる上野かな       葛西美津子
   蟻の列ついてゆきたる子供かな      斉藤真知子   
   朝顔や今日も始まる町工場        赤塚さゆり
   ひと晩は星に抱かれキャンプかな     斉藤真知子
   大いなる墳墓を守り芒原         鈴木勇美

第二句座(席題、鰡、星祭り)
【特選】
   畑のもの供へる母の星祭り        藤倉桂
   荒縄で括りつけたり七夕竹        藤倉桂
【入選】
   七夕竹寄せ来る波の音を聞き       斉藤真知子
   ダイキリへカシスの赤み星祭       花井淳
   願い事に重くなりたり七夕竹        伊藤涼子
   鰡飛ぶやみなとみらいの夜景美し     伊藤涼子
   老いてなほ小さき願ひ星まつり       斉藤真知子
   七夕に生まれし吾子や二児の父       伊藤涼子
   白き糸白き短冊星まつり          葛西美津子
   ふるさとによき菓子ありて星祭       矢野京子
   七夕や遥かとなりし君の星         上田雅子

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「カフェきごさいズーム句会」のご案内

「カフェきごさいズーム句会」(飛岡光枝選)はズームでの句会で、全国、海外どこからでも参加できます。

  • 第二十七回 2025年6月14日(土)13時30分(原則第二土曜日です)
  • 前日投句5句、当日席題3句の2座(当日欠席の場合は1座目の欠席投句が可能です)
  • 年会費 6,000円
  • 見学(1回・無料)も可能です。メニューの「お問い合せ」欄からお申込みください。
  • 申し込みは こちら からどうぞ

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スタッフのプロフィール

飛岡光枝(とびおかみつえ)
 
5月生まれのふたご座。句集に『白玉』。サイト「カフェきごさい」店長。俳句結社「古志」題詠欄選者。好きなお茶は「ジンジャーティ」
岩井善子(いわいよしこ)

5月生まれのふたご座。華道池坊教授。句集に『春炉』
高田正子(たかだまさこ)
 
7月生まれのしし座。俳句結社「青麗」主宰。句集に『玩具』『花実』『青麗』。著書に『子どもの一句』『日々季語日和』『黒田杏子の俳句 櫻・螢・巡禮』。和光大・成蹊大講師。
福島光加(ふくしまこうか)
4月生まれのおひつじ座。草月流本部講師。ワークショップなどで50カ国近くを訪問。作る俳句は、植物の句と食物の句が多い。
木下洋子(きのしたようこ)
12月生まれのいて座。句集に『初戎』。好きなものは狂言と落語。
趙栄順(ちょよんすん)
同人誌『鳳仙花』編集長、6月生まれのふたご座好きなことは料理、孫と遊ぶこと。
花井淳(はない じゅん)
5月生まれの牡牛座、本業はエンジニア、これまで仕事で方々へ。一番の趣味は内外のお酒。金沢在住。
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