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第二十九回 カフェきごさいズーム句会報告(飛岡光枝選)

caffe kigosai 投稿日:2025年8月12日 作成者: mitsue2025年8月12日

第二十九回 (2025年(令和七年)八月九日)の句会報告です。(  )は推敲例。
「カフェきごさいズーム句会」はどなたでも参加できます。詳しくは右の案内をご覧ください。見学も大歓迎です。

第一句座              
【特選】
おみやげの貝風鈴も古びたり     矢野京子
(江ノ島の貝風鈴も古びたり)
赤信号木槿の影で黙祷す       矢野京子
(原爆忌木槿の影で黙祷す)もしくは「八月六日」と前書き
隅ながら泰然として冷奴       早川光尾
(ガラス器に泰然として冷奴)

【入選】
ゆく夏のかほが映りぬ夜の窓     葛西美津子
駅出でて男もすなる日傘かな     伊藤涼子
踊の輪ここが世界の中心よ      赤塚さゆり
稲妻を肴に今宵一人酒        藤倉桂
遠雷をしんと聴き入る夜の窓     葛西美津子
図書館の窓にゴーヤのたわわかな   鈴木勇美
蝦夷萱草オロロン街道真っ直ぐに   早川光尾
         (真つ直ぐ)
星祭吾娘に宿りし命かな       藤倉桂
(星祭わが娘に宿る命かな)
おはやうの声よく通る今朝の秋    藤倉桂
砂浜にスコップひとつ夏の果     鈴木勇美
いくたびも雲見上げゐる原爆忌    高橋真樹子
(いくたびも雲を見上げる原爆忌)
命終ゆ蝉も大事にこどもかな     斉藤真知子
(命終ゆ蝉を大事とこどもかな)
朝顔の窓よりラジオ講座かな     鈴木勇美
首里城へ案内するかに青蜥蜴     葛西美津子
差入れの西瓜届きし合宿所      赤塚さゆり
(差入れの西瓜の届く合宿所)
朝日さすなめくぢの道しろがねに   葛西美津子
飛び出す枝豆のまだ見つからず    斉藤真知子

飛岡光枝出句
夏鶯龍太の山をほしいまま

第二句座(席題・初嵐、秋簾)
【特選】         
縄かけて白山豆腐初あらし     花井淳

【入選】
初嵐ロープ行き交ふ船の上     葛西美津子
初嵐牛の群れなす丘の上      高橋真樹子
初嵐鶏に餌一掴み         藤倉桂
カンカンと帆柱鳴れり初嵐     葛西美津子
探し物なにかを忘れ初嵐      高橋真樹子
母逝きし家そのままに秋簾     高橋真樹子
(母逝きし家そのままに初嵐)

飛岡光枝出句
岬馬白きたてがみ初あらし

浪速の味 江戸の味(八月)芋ようかん(さつまいも)【江戸】

caffe kigosai 投稿日:2025年8月7日 作成者: mitsue2025年8月7日

さつまいもは17世紀初めに中国から琉球へ伝わり、その後薩摩で栽培されるようになり「薩摩の芋」として定着しました。

八代将軍吉宗が、飢饉の対策として青木昆陽に命じて薩摩から江戸に種芋を取り寄せ、小石川御楽園などで試作させたことはよく知られています。

現在でも関東でのさつまいも栽培は盛んで、近年では鹿児島に次いで茨城が二位、千葉が三位の生産量となっています。

そのさつまいもで作った和菓子に「芋ようかん」があります。さつまいもを使った駄菓子は古くからありましたが、明治三十年代、芋を裏ごしするなどして滑らかな口当たりの芋ようかんを売り出したのは、浅草寿町で芋の卸問屋を営んでいた小林和助でした。

店のくず芋を利用、当時高級品だった練羊羹の代わりになるものとして、千葉県船橋市出身の石川定吉と共同開発したとのことです。後に浅草一丁目に創業した「舟和」は、船橋の「舟」と和助の「和」をとって店名としました。

下町の手土産の定番として人気の「舟和」の芋ようかんは、寒天を入れる製法もあるなか、さつまいもと砂糖のみで作られ芋本来の味がより感じられます。最近では、芋ようかんのアイスやパフェを開発するなど、定番の味を進化させています。

暦の上では秋とはいえ、まだまだ暑い八月、冷たい芋ようかんスイーツで残暑を乗り切りたいものです。

生身魂芋やうかんに頬ゆるび  光枝

第二十八回 カフェきごさいズーム句会報告(飛岡光枝選)

caffe kigosai 投稿日:2025年8月2日 作成者: mitsue2025年8月2日

第二十八回(2025年7月19日)の句会報告です。(   )は推敲例。
「カフェきごさいズーム句会」はどなたでも参加できます。詳しくは右の案内をご覧ください。見学も大歓迎です。

第一句座              
【特選】
夏負けてをり人間も愛猫も        矢野京子
(夏負けてをり人間も三毛猫も)  
ひたすらに島辣韭を剥くおばあ      葛西美津子
平和とは七夕竹の重みかな        赤塚さゆり
(平和とは七夕竹の軽さかな)
新しきぬか床に先ず茄子一つ       上田雅子
昼顔の花眠さうや波の音         葛西美津子
一本の夏草さへもなき更地        矢野京子

【入選】
ぐずる子に紅き鬼灯ゆらしけり      鈴木勇美
亡き妻へいまひと言を夏花摘む      花井淳
冷素麺流す孫との物語り         周龍梅
(冷素麺流し孫との大笑ひ)
梅を干すひと日は家を離れざる      斉藤真知子
あかあかとグロリオーサや雲の峰     上田雅子
森の樹の眠り覚ますや朝の蝉       斉藤真知子
(森の樹の眠りを覚ます朝の蝉)
夏霧の涯に浮ぶや花の島         鈴木勇美
をちこちの担ぎ手能登へ夏祭       花井淳
手花火の懐かしきかなビル住まひ     伊藤涼子
思ひ出の真ん中に立つ大夏木       伊藤涼子
ひらがなをやうやく書けて星の竹     斉藤真知子
蝉の殻風の軽さとなりにけり       藤倉桂
(蝉の殻風の軽さと吹かれけり)
青簾してつつがなき暮らしかな      矢野京子
(青簾ゆれつつがなき暮らしかな)
入院の夕餉の皿に初メロン        村井好子
形代に我家の犬を描き添へて       赤塚さゆり
バタフライ鯨となりて大海を       藤倉桂
(バタフライイルカとなりて大海を)
そろばんと名付けて旨し鮎なます     花井淳

飛岡光枝出句
サーフボードオリーヴの花すり抜けて
 

第二句座(席題・パイナップル、合歓の花)
【特選】         
アナナスや山原になほ不発弾      花井淳
(パイナップル山原になほ不発弾)
夕風に心許すや合歓の花        藤倉桂
(夕風にこころを許し合歓の花)
【入選】
南国の客室に盛る鳳梨かな       周龍梅
(南国の客室に盛り鳳梨かな)
まだ夢の最中にをりて合歓の花     斉藤真知子
合歓咲くや見てゐて眠くなりにけり   斉藤真知子
パイナップルほんに上手に切り分けて  矢野京子   
銀の雲流れてきたり合歓の花      葛西美津子
久闊の孫と鳳梨ふいに来る       前田悠
パイナップル市場の女王の髪飾り    周龍梅

飛岡光枝出句
パイナップ売るパイナップルのシャツを着て

今月の花(八月) 番外編・いけばなと俳句

caffe kigosai 投稿日:2025年7月23日 作成者: mitsue2025年7月24日

Liisa Nurminen 作(フィンランド)
 

Sandra Marker 作(オーストラリア)

昨年、フィンランドでのいけばなワークショップで、英語とフィンランド語に訳した芭蕉の俳句から考えを飛躍させ作品を作るという試みを参加者にしてもらいました。俳句に詠まれたものの再現ではなく、その中から各自強くひかれた点を、目の前の花材の特徴を見極めて作品としてあらわすのです。私の海外とのオンラインクラスでは、数十年いけばなに携わっている師範たちにも時々この俳句と花のかかわりの課題を出しています。

草月の本部からの私のオンラインクラスは、日本在住の会員のためのものでした。先日、あえて地球の北半球と南半球に住んでいる二人、オーストラリアとフィンランドの門下を選びこの試みを紹介しました。その時はドナルド・キーンさん英訳の芭蕉の句、そして山頭火の句をとりあげました。

四十年近く私の門下であるリーサは、フィンランドで数か所の町でいけばなを教えています。日本にはほぼ毎年来ていて万葉集や書の勉強もしています。「じゃ、あとでね!」というと(ワレテモスエニアワントゾオモウ)などと言ってびっくりさせます。

夏草や兵共がゆめの跡 芭蕉

写真はこの句を元とした作品で、黒いものは馬鍬だそうです。毎夏行く自分たちのサマーハウスの近くで見つけたものでしょう。もう使われてはいないけれど、昔動いたその音が聞こえてきそうです。枯れた花材はサマーハウスの近くの草むらからでしょうか。

北半球に住むリーサに対して、真逆の季節の南半球、オーストラリアのサンドラもいけばなクラスをたくさん持って活躍しています。彼女には種田山頭火の句を選びました。

分け入っても分け入っても青い山 山頭火

送られてきた作品は初めは下の緑の部分が少なかったので、迫力がもう少し欲しいと思い緑を加えてもらいました。

何十年ものキャリアがあり、どこか自分の表現に物足りなさを感じた時、俳句は全くほかの方向からIkebana artistたちの感性に揺さぶりをかけてくれるのでは、と私は思っています。(光加)

第二十七回 カフェきごさいズーム句会報 (飛岡光枝選)

caffe kigosai 投稿日:2025年7月12日 作成者: mitsue2025年7月12日

第二十七回カフェきごさいズーム句会(2025年(令和七年)6月14日)の句会報告です。(  )は推敲例。
「カフェきごさいズーム句会」はどなたでも参加できます。見学も大歓迎。詳しくは右の案内をご覧ください。

第一句座              
【特選】
イアーゴのたじろぐ白や朴の花       悠
ソーダ水みんな哀しく美しく        真樹子
(ソーダ水昭和哀しく美しく)
わが髪のうねりいよいよ梅雨入りかな    京子
若き日のヴィトンのバッグ黴にやる     美津子
【入選】
老鶯応ふや夫の口笛に           桂
(夏鶯応ふや夫の口笛に)
呼ばれても聞こえぬふりの端居かな     真知子
花南天かすかな風か零れけり 悠
家々の麦飯旨き芒種かな          龍梅
(わが家の麦飯旨き芒種かな)
夏闇に寝る一瓶の梅酒かな         京子
(一瓶の梅酒の眠る夏の闇)
梅雨寒し背番号3旅立ちぬ         光尾
(荒梅雨や背番号3旅立ちぬ)
田植ゑ終へ煙草喫ふ父背の大き       光尾
(煙草吸ふ父の背大き植田風)
これからも二人きりなる冷蔵庫       真樹子
(これからも二人きりなり冷蔵庫)
こどもらはカープデビューよ夏帽子     京子
家中の時刻まちまち時の日よ        光尾
(人類の時刻まちまち時の日よ)
あたらしき夏へ開かん能登の海       京子
(あたらしき夏へ漕ぎ出す能登の海)
骨のかけら珊瑚のかけら沖縄忌       雅子
尾山祭気負ふしんがり能登キリコ      淳
便りまず紫陽花色づきしことを       京子
(便りせん紫陽花の色づきしこと)
半袖の子の腕細し更衣           雅子

飛岡光枝出句
鱚釣りて父の機嫌や酒一合

第二句座(席題・鯰、籐椅子)
【特選】         
人の世を笑ひて不動鯰かな        光尾

【入選】
籐寝椅子からだ横たふるに足りず     京子
この川に鯰ゐるとかゐないとか      京子
ひと風呂の汗ひいてきし籐の椅子     美津子
縄文の色とも思ふ鯰かな         真樹子
(縄文の色して静か大鯰)
空き家なる縁側の主籐の椅子       悠
(空き家なる縁側にゆれ籐の椅子)
籐椅子に雲の曼荼羅見てをりぬ      真樹子
(籐寝椅子雲の曼陀羅見て飽かず)
梅雨鯰泥に潜れて憩ひける        龍梅
(梅雨鯰泥に潜りて眠りけり)
籐椅子を猫に譲りし昼下り        さゆり
(籐椅子を猫に譲りて父の昼)
破れたる父の籐椅子捨てられず      真知子

飛岡光枝出句
中華包丁つるりと逃れ梅雨鯰
  

今月の花(七月)おおでまり

caffe kigosai 投稿日:2025年6月22日 作成者: mitsue2025年6月25日

帯広の北海道ホテルに花を飾る展覧会は昨年に続き3回目。正面でお客様をお迎えする花は竹を使って床からいけ、3メートル近くの高さに。レセプションには、季節の花を華やかに。一方、私の門下とその門下は、棚の上、廊下、柱の前、カウンターの上などにいけ、レストランへ行く絵が飾ってある廊下の壁は数名の合作で、青竹の筒にいけられた花が10作ならびました。

昨年とほぼ同じ時期の開催のため、同じような種類の植物をいけるのはできるだけさけたいと思いました。しかし、遥か十勝の山々を駆け上がっていくあふれんばかりの緑の中で、使える花材はわずかです。本州に比べると北海道はいけられる樹木の種類が少ないようで、またうっかりついている虫などをホテルに持ち込むことはご法度です。去年は、高さ2.5メートルの満天星つつじ3本を花屋さんを通じてオーダーした結果、私の帯広への航空運賃より高くつきました。今年の開催日を少しずらしたのは、母の日に近づくと花が値上がりするからです。

「使えたら、どうぞ!店のお客さんのお花の先生の庭にたくさん咲いていて、使っていいと言われたので切ってきました」と花屋さんがみせてくれたのは「おおでまり」でした。この季節の丸く白いボールのような花には、白いアジサイ、そしてもう少し早い時期には、フレッシュな緑から白へ移る小花の塊を見せるスノーボールと呼ばれるビバーナムがあります。おおでまりと同じスイカズラ科で洋種潅木とも呼ばれていますが、違いは葉が3か所さけているところです。葉が楕円形で葉脈がはっきりしているおおでまりと区別できます。

緑の葉に清々しい白い大きな毬のような花は、枝を手に取るたびに細い枝の先で頭をくるりと振って数輪の白い小花を散らします。花が咲くと頭が重くなるからでしょうか。その柔らかな曲線が魅力ではあるものの、会期終了まで花は持つのだろうか。枝の元を水切りの後でたたき、ミョウバンをしっかりと擦り込みました。

展覧会の2日間、おおでまりは同時にいけたどの花より涼感を与える白の持つ美しさをしっかりと保っていました。北海道では育たない青竹を千葉から取り寄せ、その直線と良いコントラストをみせ、旅のお客様を迎える使命を果たしました。

帯広は農業が盛んです。そして人は優しいと、訪れるたびに思います。北の大地に育ったおおでまり、その本当の底力を見た思いをしたのでした。(光加)

第二十六回 カフェきごさいズーム句会報告(飛岡光枝選)

caffe kigosai 投稿日:2025年6月1日 作成者: mitsue2025年6月1日

第二十六回カフェきごさいズーム句会 (2025年(令和七年)5月10日)
の句会報告です。(  )は推敲例です。
「カフェきごさいズーム句会」はどなたでも参加できます、見学も大歓迎です。詳しくは右の案内をご覧ください。

第一句座              
【特選】
蝮草誰も見に来ぬ花咲かせ      和子
豆かんの二色だけを好みけり     雅子
(豆かんの二色好み好々爺)
桜貝どこへもゆけぬ君のため     京子
クサ亀が転げ落ちたり花の闇     桂
草笛や予期せぬ音の嬉しさよ     桂
(草笛の予期せぬ音の嬉しさよ)

【入選】
牡丹散る庭の要の失せにけり 桂
父母の待つ宇出津へあばれ祭の日   淳
(父母の待つ宇出津へあばれ祭かな)
便り来ぬ子の棲む国のおぼろかな   悠
光集む楓若葉は歓喜の歌       和子
(光集め楓若葉は歓喜の歌)
新品の田植機届く代田かな      好子
(新品の田植機すすむ代田かな)
白玉や君が幼な子だつたころ     真樹子
白牡丹ためらはず切る父のため    桂
田水張り蝦夷の富士山浮かべんと   真樹子
(田水張る蝦夷の富士山浮かべんと)
けふ一日ビニールシートも花筵    京子
(けふ一日ビニールシートの花筵)
大袈裟に啜るうどんや夏来る     さゆり
さわさわと茅花流しや雲の富士    光尾
瞑想や竹の落葉の降りしきる     美津子

飛岡光枝出句
夏の闇うごめく鯉の口幾万

第二句座(席題・ダービー 母の日)
【特選】
美しき水の流れよダービーは      桂
(美しき水の流れよダービーよ)
母の日や中国の母日本の母       龍梅
母知らぬ母と気付けり母の日に     悠
(母知らぬ母と過ごすやカーネーション)

【入選】
ダービーを気に掛けつつの句会かな   京子
勝馬の勇姿拝まん人の群れ       さゆり
母の日やうらやむ父の独り言      龍梅
母の日や好みは加賀の豆すはま     淳
(母の日や母の好みし豆すはま)
母の日や娘も母にならんとす      さゆり
         
飛岡光枝出句
鼻息の荒くしづかにダービー馬

今月の花(六月) かなめもち

caffe kigosai 投稿日:2025年5月21日 作成者: mitsue2025年5月21日

この季節、生垣でよく見かける「かなめもち」。新緑も濃くなった中で赤い輝くような葉が目立ちます。そういえば、この花材がお稽古に出てくることは今まであったかしら、と記憶をたどってみました。

花鋏で切ってみると枝の細さに比べて思いのほか固いことがわかります。かなめもちの名の由来は扇のかなめに使われたからという説もあります。材質がしっかりしていて、扇を束ねるのに適しているのでしょう。

初夏のお稽古では、枝物は他にも「梅花ウツギ」「ななかまど」「エボタ」などがあるのですが、ひときわその赤い葉の色が目を引きます。その赤の下にうっすらと緑を隠していると思ったのは、もう少し経つと赤い葉は緑になっていくからです。そして、小さな5弁の花びらを持つ白い花が集まって咲きはじめます。

枝の物をいけばな用に生産する人たちは、高齢化、そして世代交代のためにその数を減らしています。お稽古の後、枝が大きいと飾るところがないからと枝を切って持って帰る人もいます。生産者の苦労を知っている、枝好きな私としては心が痛みます。

仏さまにも見せたいからと短く切ってお仏壇に小さく飾る人は良しとしましょう。こじんまりした家でも、床に何かを敷いた上に花器を置いて枝を大きくいけ、家族やお客様を迎えてもいいのでは?職場に持っていって楽しんでいただくこともできるのでは?もっと飾る場所をさがしましょうよ、と呼びかけたい思いがあります。

かなめもちの枝は水の中で切り、切ったところをたたいて割っていけます。一度水が上がると、フレッシュなまま、長持ちします。

それぞれ置かれた空間の中で、人々をつなぐかなめの役割をこのバラ科の花材のニューフェースに期待しています。(光加)

加賀の一盞(六月) 岩魚炭火焼

caffe kigosai 投稿日:2025年5月18日 作成者: mitsue2025年5月18日

白山は水が良い。特に手取川水系は水質において高く評価されている。水の善し悪しが重要な液晶や電子部品のメーカーが多数大きな工場を建てている。もちろん酒造りもさかん。となれば川魚の美味しいのは必然、まして上流域の岩魚はことさらである。

白山をご神体に仰ぐ白山比咩神社はこの手取川扇状地の扇のかなめの地に鎮座されている。その社の真後ろに知る人ぞ知る『いわなの庵』がある。谷川の水をそのまま生簀に流し自然のままに養殖している。

店はその生簀のすぐ脇にある。夏のみの営業で今頃は若葉風が通り、谷川からは雪解水の流れが聞こえる。中央には囲炉裏が置かれ客はそれを囲んで座る。炭火が熾り、串に刺された岩魚が立ちて並ぶ。焼き上がりまで約40分、庵の親父はせわしなく炭の具合を見、串の角度を変えたり表裏を返したりして余念がない。奥さまと娘さんは塩焼きに合わせる炊込みご飯や山菜の和え物、みそ汁など用意する。

焼き上がった岩魚は食べやすい20センチくらい、頭からかぶりつく。この時の感動がすごい。頭や骨を噛む感触が無く心地よい歯応えなのだ。丁度良い苦みが加わり野趣が最高、どんどん食べて尻尾まですべて堪能する。岩魚定食は1匹だが、いつももう1匹追加し2匹で注文する。この美味しさは1匹ではもの足りない。鳥が囀り山吹が色を添える中、白山の岩魚は欠かせない。

転じてお隣の富山県には立山連峰がある。名峰劔岳から続くところ、滑川市に句友の酒井きよみさんが坐忘庵と名付けたお宅に住んでおられる。数年前にお邪魔したら、きよみさん自身が釣った見事な岩魚をご馳走してくれた。後ろは劔岳、前は富山湾から能登半島を望める絶景の坐忘庵、岩魚も格別でした。

大岩魚これを釣つたんきよみさん 淳

浪速の味 江戸の味(五月) 柏餅【江戸】

caffe kigosai 投稿日:2025年5月5日 作成者: mitsue2025年5月5日

端午の節句が近づくと餅屋、和菓子屋はもちろんのこと、スーパーやコンビニの店頭にも柏餅が並びます。

奈良時代に朝廷で始まった端午の節句は、江戸時代には民間の行事として盛んに行われるようになりました。当時から江戸では主に柏餅、京阪地方では粽が節句の菓子として愛好され、江戸の柏餅は自家製が多かったようです。

柏の葉を用いた柏餅は、九代将軍家重から十代家治の頃、江戸で生まれたといわれています。この時代は田沼意次が活躍した庶民文化興隆の時期にあたります。その後、参勤交代で全国に広まったと考えられています。

柏の葉は、新芽が育つまで古い葉が落ちないことから子孫繁栄を願って用いられたといわれますが、清々しい香りと色が端午の節句に相応しいと思います。何よりそのまま持って食べられるのが好もしい。 

写真は、飛鳥山にほど近い東京都北区上中里の「平塚神社」境内の一角にある和菓子店「平塚亭つるおか」の柏餅です。「平塚神社」の歴史は古く、創立は平安後期といわれています。

源氏の棟梁、八幡太郎源義家が奥州征伐の凱旋途中にこの地を訪れ、領主に鎧を下賜、それを清浄な地に埋め塚(平塚)を築いたところから平塚の地名となったそうです。御祭神が武勇に秀でた義家とその弟達という「平塚神社」。その門前の柏餅を頬張ると力が漲る心持がします。

をみなこそここ一番ぞ柏餅 光枝

追記
俳句結社「古志」の長年の句友、福島県南相馬で餅屋を営む宮本みさ子さんが、初句集『餅屋句集』(青磁社)を上梓されました。「わが店の柏餅なりすべて白」をはじめ、柏餅の秀句が並びます。機会がありましたらぜひご一読ください。

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「カフェきごさいズーム句会」のご案内

「カフェきごさいズーム句会」(飛岡光枝選)はズームでの句会で、全国、海外どこからでも参加できます。

  • 第三十三回 2025年12月13日(土)13時30分(原則第二土曜日です)
  • 前日投句5句、当日席題3句の2座(当日欠席の場合は1座目の欠席投句が可能です)
  • 年会費 6,000円
  • 見学(1回・無料)も可能です。メニューの「お問い合せ」欄からお申込みください。
  • 申し込みは こちら からどうぞ

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スタッフのプロフィール

飛岡光枝(とびおかみつえ)
 
5月生まれのふたご座。句集に『白玉』。サイト「カフェきごさい」店長。俳句結社「古志」題詠欄選者。好きなお茶は「ジンジャーティ」
岩井善子(いわいよしこ)

5月生まれのふたご座。華道池坊教授。句集に『春炉』
高田正子(たかだまさこ)
 
7月生まれのしし座。俳句結社「青麗」主宰。句集に『玩具』『花実』『青麗』。著書に『子どもの一句』『日々季語日和』『黒田杏子の俳句 櫻・螢・巡禮』。和光大・成蹊大講師。
福島光加(ふくしまこうか)
4月生まれのおひつじ座。草月流本部講師。ワークショップなどで50カ国近くを訪問。作る俳句は、植物の句と食物の句が多い。
木下洋子(きのしたようこ)
12月生まれのいて座。句集に『初戎』。好きなものは狂言と落語。
趙栄順(ちょよんすん)
同人誌『鳳仙花』編集長、6月生まれのふたご座好きなことは料理、孫と遊ぶこと。
花井淳(はない じゅん)
5月生まれの牡牛座、本業はエンジニア、これまで仕事で方々へ。一番の趣味は内外のお酒。金沢在住。
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