↓
 

caffe kigosai

カテゴリーアーカイブ: à la carte (アラカルト)

投稿ナビゲーション

← 古い投稿
新しい投稿 →

a la carte 門松

caffe kigosai 投稿日:2017年12月30日 作成者: youko2018年1月1日

 正月の神祭の場所であることを示し、歳神様を迎える門松。松飾などとも言い、松をはじめとする常緑樹の緑が冬枯の景色の中でひときわ美しい。自ずと新年を迎える心持になる。吟行で先日、掛川市八坂にある事任(ことのまま)八幡宮を訪れたところ、鳥居の傍らに門松が立てられていた。「枕草子」にも(ことのままの明神いとたのもし)とこの社の名前が登場する。東海道筋の箱根に次ぐ難所といわれた小夜の中山の手前に鎮座している。道中の無事を祈って、昔の人々はこの社に参った。和歌にも詠まれ、多くの紀行文にも記載されている。真を知る神、言の葉で事を取り結ぶ働きをもたれる神、言の葉を通して世の人々に加護を賜う「ことよさし」の神である。ことだまの社である。しっかりとお参りをした。みなさま、よい歳をお迎えください。

門松やはるかに白き富士の山     洋子

 

a la carte_銀杏の実

caffe kigosai 投稿日:2017年10月5日 作成者: yoshiko2017年10月13日

福岡市にある櫛田神社で、恒例の
「ぎなん落とし」が行われました。
博多では銀杏の実のことを親しみを込めて
「ぎなん」と言います。
境内のご神木の銀杏の木は
樹齢300年ほど、
雌雄が寄りそい立ち上がっています。
高さは二十メートルを超えるほどです。
その姿から夫婦銀杏と言われています。
神事のあと
たすき掛けの神官が五メートルほどの竹竿で
枝を大きく揺らすと、パラパラと黄金色の実が落ちて
あっという間に地面を覆い尽くしました。
巫女が箸でひとつずつ
三宝に拾いあげ、それを神前に供えます。
きれいに洗い乾燥させた銀杏の実は
不老長寿、子孫繁栄などのお守りとして
参拝者に配られます。
「ぎなん落とし」がすむと
博多の町の秋も深まってゆきます。(真知子)

三宝にのせてぎなんの畏まる    真知子

a la carte 蓮池

caffe kigosai 投稿日:2017年7月4日 作成者: youko2017年7月5日

万博記念公園の蓮池に行きました。

1970年、大阪の千里丘陵で開催された日本万国博覧会の跡地が記念公園になっています。当時植えられた樹木が、半世紀近く経過した現在、大緑陰をつくっており、訪れる人々の憩いの場となっています。公園を歩きながら、当時何度か万博に通い、各パビリオンの描く「未来」にわくわくしたのを思い出しました。

蓮池は日本庭園内にあり、1200株の蓮の花がちょうど見ごろでした。水面からすっくと茎が伸び、蓮の葉が風に翻っています。明日咲きそうな莟には、エネルギーが充満している感じです。蓮池を見渡せるベンチに休憩しながら「天上界ってこんなところかも」と思いました。

蓮の花が咲くこの時期に、早朝観蓮会が開催されます。そして、大きな蓮の葉の中心に穴を開け、酒を注ぎ、切断した茎をストローにして飲む「象鼻杯」を楽しみます。飲んだ方に伺ったところ、蓮の茎の苦味が少し加わった味わい深いお酒だそうです。(洋子)

ぽんと咲く音を聞きたや蓮の花    洋子

a la carte_茶摘み

caffe kigosai 投稿日:2017年5月6日 作成者: yoshiko2017年5月6日

日本有数のお茶の産地、八女にある茶畑に行きました。
今年は春に気温の低い日が続き、例年よりすこし遅れて
茶摘みが行われていました。
ここでは玉露の茶葉を育てておられ
年に一度だけのお茶摘みです。
(煎茶は二番茶、三番茶を摘みますが玉露は一番茶だけ)
煎茶用の茶葉と違い
玉露にする茶畑は、お茶摘みの20日ほど前から
稲わらを編んだもので被覆されます。
覆う事で日光を遮り、茶葉が薄く大きくなり旨みが増すとの事です。
ここにある約千本のお茶の木を20人ほどの人々が手際よく摘んでいきます。
玉露にする葉は先端の柔らかい部分しか摘まない為に
千本の木からの茶葉の収穫量は35キロほどで
製茶されると、その一割ほどの量になるそうです。
茶園主の「お茶の葉が静かでひんやりとしている間に
ひといきに摘むんです」という言葉に
お茶に対する思いの深さを感じました。
近年は欧米の高級レストランでも食事の終わりに
玉露を出す店があり
八女のお茶も世界に広まりつつあります。(真知子)

よき風の山よりきたる茶摘みかな  真知子

a la carte 枝垂桜

caffe kigosai 投稿日:2017年4月3日 作成者: youko2017年4月5日

三月下旬に愛知県犬山市の圓明寺(えんみょうじ)の境内で、樹齢300年の枝垂桜をみました。今年の開花は例年より少し遅いようです。その時はまだ五分咲きほどでしたが、淡いピンクの可憐な花が天から降りそそいでくるようでした。

古木の太い幹には草が生えています。その枝垂桜を撮影している男性がいました。私も写真を撮ったのですが、「こちらから撮るといいですよ。」と声をかけてくださいました。聞くと毎年この枝垂桜を撮りに通っておられるとのこと。今年も満開になるまで毎日通われるそうです。

「今年も元気でこの枝垂桜の開花を見ることができたというのが、私の生きている証なんです。」と言われたのが心に残りました。人それぞれ、心を通わす桜の木があるように思います。根を下ろした場所で300回も花を咲かせてきた枝垂桜が、来年も可憐な花を咲かせていること、そしてまたあの男性が元気に枝垂桜に会いに来られることを祈ります。(洋子)

再会を約す一本桜かな     洋子

à la carte_煤払

caffe kigosai 投稿日:2016年12月22日 作成者: yoshiko2016年12月24日

今年もあと十日程となりました。博多の総鎮守、櫛田神社で、二十一日朝から「煤払」が行われました。まず神殿で祝詞があげられ煤払をする神官と巫女、笹竹が祓われご神体がほこりをかぶらないように御簾がおろされます。白いたすきをかけた神官と巫女が5メートルほどの笹竹で一年間にたまった神殿の中の天井や梁の煤を払いました。その後、神殿を出て楼門や神門の煤も払われました。普段は掃除が行き届かない場所までほこりが払われて清々しくお正月を迎える準備が整いました。(真知子)

煤掃の煤をかぶるもよかりけり  真知子

a la carte 運動会

caffe kigosai 投稿日:2016年10月22日 作成者: youko2016年10月22日

undoukai先日、近くの小学校区の13の自治会が集まって市民体育祭が開催されました。参加者は幼児から父母世代、祖父母世代と幅広いです。

美しい秋空の下、小学校の校庭で全員参加のラジオ体操から始まりました。競技内容は、小学生の50m走、中学生の100m走、グランドゴルフ(60歳以上)、障害物リレー、紅白玉入れ、大縄跳び、綱引き、パン食い競争など盛りだくさんです。

パン食い競争は、私の子どもの頃は餡パンと決まっていましたが、今はコロッケパン等バラエティーに富んでいます。目指すパンに向かってダッシュです。

一番盛り上がる種目は、自治会対抗リレーです。午前中に予選があり、上位6チームだけが午後の決勝に出場できます。小学生、中学生、高校生、大人とバトンを繋いでいきます。オリンピックならずとも、自治会のチーム優勝を目指して、真剣勝負です。お父さん、お母さんが少年、少女にもどって必死に走ります。そんな両親を子ども達が大きな声で応援しています。

私は今年、自治会の役員をしていて、前日のテント設営などの準備からお手伝いをしました。近隣の人々の交流の場として、運動会はいいものだと改めて思った楽しい一日でした。(洋子)

兄ちやんが二人抜いたぞ運動会    洋子

a la carte 燕の子

caffe kigosai 投稿日:2016年6月26日 作成者: youko2016年6月27日

001最寄り駅の券売機の右上の壁に、燕が巣を作り子育て中です。ここなら、いつも人がいて鴉が襲ってくる心配もありません。

燕が巣を作り上げてしばらく経つと、雛がぴいぴいと鳴きながら顔を覗かせるようになりました。最初二羽かと思っていたら、だんだん増えて六羽いるようです。

親燕が餌を探しに行ってしまうと、子燕はおとなしく口を閉じて親の帰りを待っています。頭の毛が立っていてなんとも愛らしいです。親燕が餌を運んで来ると、顔より大きく口を開けて、必死で餌をねだります。人間同様、親燕は子育てに奮闘しています。

改札を通る人の頭上に糞が落ちないよう、駅員さんが巣の下に段ボールで作った「糞受け」を取り付けました。そして、「しばらくの間、あたたかく見守ってください」と書いた、子燕のイラスト入りポスターが貼られました。

乗降客は足をとめ、「大きくなったね。」と笑顔で成長を見守っています。私も、燕の子に元気をもらっています。巣立ちの日がくるのが、うれしいような寂しいような気分です。(洋子)

いつだつて腹をすかせて燕の子    洋子

若葉

caffe kigosai 投稿日:2016年5月13日 作成者: yoshiko2016年5月13日

kusu熊本地震から、ひと月が経ちました。多くの人が被害を受け今も一万人以上の方々が避難所で生活しておられます。

築城400年、難攻不落と言われた熊本城も、天守閣や強固な石垣が、甚大な被害を受けました。熊本城は、森の都、熊本の象徴的なもので
幼い頃からお城を眺めて暮らしてきた私にとっても崩落の現場を見ることは、信じがたく辛いものでした。地震後は城内に入ることは出来ませんが近くを通ると城内にある樹齢600年を越える大きな楠をはじめ沢山の木々に今年も勢いよく若葉が萌えたっているのが見えました。

熊本城の復興には20年程の歳月が必要だといわれています。楠はじめ多くの木々はその復興を見守り私たちに力を与えてくれると思います。
熊本は、まだ余震が続いていますが、一日も早く、皆さんに日常の暮しが戻ることを願っています。(真知子)

熊本の人たくましき若葉かな    真知子

a la carte 春筍

caffe kigosai 投稿日:2016年4月26日 作成者: yoshiko2016年4月26日

2016/ 4/ 5 10:50

2016/ 4/ 5 10:50

春の陽気に誘われて
里山に住む知人を訪ねました。
裏山には鶯が鳴いています。そこには
手入れされた竹林が広がっていました。
前夜の雨に濡れた竹の落葉を払い
気をつけて見渡すと、土の中から少しだけ
黄色い頭を出した筍が見つかりました。
筍の周りを注意深く掘りすすみ
筍の根が見えてきたら筍の生えている根元に力を入れて
鍬を振り下ろします。
思ったよりも大きな筍がとれました。
その場で筍の皮を剥ぎ、薄く切って生のまま食べると
サクサクと梨のような食感です。
火であぶった焼き筍は甘くて野趣にとんだ味です。
とりたてを、すぐに茹でた筍は、えぐみ等全くなく
若竹汁や木の芽和え、筍ご飯等々の料理になり
春の山の恵みを存分に味わうことが出来ました。 (真知子)

  
  
  春筍を転がしてある石の上   真知子

投稿ナビゲーション

← 古い投稿
新しい投稿 →

「カフェきごさいズーム句会」のご案内

「カフェきごさいズーム句会」(飛岡光枝選)はズームでの句会で、全国、海外どこからでも参加できます。

  • 第二十六回 2025年5月10日(土)13時30分(原則第二土曜日です)
  • 前日投句5句、当日席題3句の2座(当日欠席の場合は1座目の欠席投句が可能です)
  • 年会費 6,000円
  • 見学(1回・無料)も可能です。メニューの「お問い合せ」欄からお申込みください。
  • 申し込みは こちら からどうぞ

Catégorie

  • à la carte (アラカルト)
  • 今月の季語
  • 今月の料理
  • 今月の花
  • 和菓子
  • 店長より
  • 浪速の味 江戸の味
  • 花

menu

  • top
  • きごさいBASE
  • 長谷川櫂の俳句的生活
  • お問い合せ
  • 管理

スタッフのプロフィール

飛岡光枝(とびおかみつえ)
 
5月生まれのふたご座。句集に『白玉』。サイト「カフェきごさい」店長。俳句結社「古志」題詠欄選者。好きなお茶は「ジンジャーティ」
岩井善子(いわいよしこ)

5月生まれのふたご座。華道池坊教授。句集に『春炉』
高田正子(たかだまさこ)
 
7月生まれのしし座。俳句結社「青麗」主宰。句集に『玩具』『花実』『青麗』。著書に『子どもの一句』『日々季語日和』『黒田杏子の俳句 櫻・螢・巡禮』。和光大・成蹊大講師。
福島光加(ふくしまこうか)
4月生まれのおひつじ座。草月流本部講師。ワークショップなどで50カ国近くを訪問。作る俳句は、植物の句と食物の句が多い。
木下洋子(きのしたようこ)
12月生まれのいて座。句集に『初戎』。好きなものは狂言と落語。
趙栄順(ちょよんすん)
同人誌『鳳仙花』編集長、6月生まれのふたご座好きなことは料理、孫と遊ぶこと。
花井淳(はない じゅん)
5月生まれの牡牛座、本業はエンジニア、これまで仕事で方々へ。一番の趣味は内外のお酒。金沢在住。
©2025 - caffe kigosai
↑