いどばた歌仙 さへづり さへづりの巻/初裏/初句
【初折の表】
四 牧場に響くカウベルの音 千閑(雑)
五 国境の街は眠らず望の月 桃瑪(秋・月)
六 海鳴遠く鷹渡りゆく 由美子(秋)
【初折の裏】
初句 十年の蟄居をかこつ菊作り りえこ(秋)
これはうまい。杜国の面影。
次は雑。そろそろ恋の句でも、恋の呼び出しでも。
事柄を詠むのではなく、如何に現実味を持たせるか。
【付句候補】
・◎
十年の蟄居をかこつ菊作り
・×
熱々の彼女と歩く花野道
ひやひやと国土売買サインして
優勝は牛一頭や草相撲
卓囲む四人の輩今年酒
猿酒にぬつと潜伏兵の腕
読み聞かす千夜一夜の物語
十年の蟄居をかこつ菊作り
秋の風軍艦島を吹き抜ける
如意棒をうっかり落とし藁塚の中
酋長と交はす盃村祭
ああらぎの実は井戸塀を越えて落つ