いどばた歌仙 さへづり さへづりの巻/初裏/三
【初折の表】
五 国境の街は眠らず望の月 桃瑪(秋・月)
六 海鳴遠く鷹渡りゆく 由美子(秋)
【初折の裏】
初句 十年の蟄居をかこつ菊作り りえこ(秋)
二 緖締の玉の渋きかんざし 淳(雑)
再募集
「かんざし」を挿す人物の相手に成りきるところ。
【付句候補】
観音へ舟を頼んで礼参り
倅には内緒で指輪買ひ与へ
棒紅を落とす舞妓の拾ふ奴
花魁の仮面脱ぎ捨て間夫狂ひ
みそめられモルガンお雪玉の輿
境内の石灯籠へ隠す振り袖
新婚の旅は薩摩へクルーズ船
七つ屋へ通ふ妻へと手を合はせ
境内の骨董市をそぞろ行く
手を取りて地獄を見んとつづら折り
振り向かぬ人を追ひ越し目をちらと
映画の闇を手をつなぎ出る