いどばた歌仙 善哉「初空の巻」名残の表 六
どきっとする恋への転換。
もう一句、雑で恋を詠んでください。
【名残の表】
初句 兄嫁が守りし生家炉の名残 茉胡(春)
二 坂をのぼれば見ゆる黒船 久美(雑)
三 乱発の大統領令劫火揺れ 一郎(雑)
四 パソコン閉ぢてお茶を一服 史生(雑)
五 さつきから裏口叩く雪女 真知子(冬)
六 炬燵の中で足絡ませる 真樹子(冬・恋)
七
〇
炬燵の中で足絡ませる(真樹子)
△
すぐ目の前に迫る山火事(一郎)
寒天つくる母の腕前(桃瑪)(母に習うて寒天つくる)
・
冬の雷またキャンセルの君
母呼ぶ声は吹雪にまぎれ
冬休み終へ戻るキャンパス
乳欲る声も吹雪にまぎれ
スキーの腕はプロ級の妻
川の字に寝るひとつの布団
旧友招き囲む猪鍋
猫も鼠も炬燵で眠り