いどばた歌仙 善哉「初空の巻」名残の表 五
裏口を叩いている雪女を想像すると、背筋が寒くなりますが、ここから
恋に転じるのもありかと思います。自由に転じてください。
次も冬で詠んでください。
【初折の裏】
折端 箱いつぱいに届く草餅 真知子(春)
【名残の表】
初句 兄嫁が守りし生家炉の名残 茉胡(春)
二 坂をのぼれば見ゆる黒船 久美(雑)
三 乱発の大統領令劫火揺れ 一郎(雑)
四 パソコン閉ぢてお茶を一服 史生(雑)
五 さつきから裏口叩く雪女 真知子(冬)
六
〇
さつきから裏口叩く雪女(真知子)
△
次の間に火鉢を囲む編集者(久美)
星々の犇めきあひて冴ゆる空(美津子)
・
虎落笛書けぬ漢字のかくも増え
「七番」の速きリズムや冬の空
足跡を隠さんとして降る雪に
薮医者も行列となり夕時雨
風に立つ広場の主の大枯木
百年の家しんしんと隙間風(いいのですが、初句の生家に重なる感が)