朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」1月
1月の兼題は「カフェきごさい」のサイトより、「餅」「餅花」です。
【特選】
餅花や飛騨の大雪気にかかり 光加
目の前で揺れる餅花と飛騨に降る雪。理屈ではない。原句は「餅花や飛騨の積雪気にかかり」。
餅花やあらたまの日々弾ませて 涼子
新しい年の新たな日々が、まるで餅花のように弾んでいる。
とんどの火宇宙船より見へるらん 弘道
宇宙ではなく宇宙船と言ったことで、実感がある句となった。「見ゆるらん」。
ゆであげて雪の白さの白魚かな 隆子
湯気と雪と白魚の白。
【入選】
寒蜆あひ照り合うて盛られをり 隆子
「盛られをり」一考を。
着ぶくれの中分けゆくや土俵入り 光加
「着ぶくれの人を分けゆく」。
海山の幸を田の字にお重詰 隆子
「海山の幸」が目出度い。
探梅や酒一本を懐に 弘道
うすら寒い季節の楽しみ。
初声やさねさし相模の浪間より 涼子
「さねさし相模」が囃調子でめでたい。
丸餅を焼けば怒れる玉となり 今日子
丸餅だから玉となるという理屈を抜けたい。
ふれあつて霰の音や餅の花 隆子
ぱらぱらと音をたてる餅花。
これがまあ一茶の里の深き雪 弘道
「一茶の里か雪深く」という形もある。
門松を飾りに帰る父母の家 今日子
「父の家」「母の家」もあり、一考を。
大寒や白湯一口のうまさかな 稲
身体に染み入る白湯の味。「大寒の白湯一口のうまさかな」「大寒や白湯一口のうまきこと」。
聞き上手話し上手や雪列車 弘道
「雪列車」が少々強引だが様子はよくわかる。
挟み得てのつぴきならず粥柱 隆子
「挟み得て」が大げさ。「挟みあげのつぴきならぬ粥柱」。
2月の兼題は「今月の季語」節分、「今月の料理」酒粕、「今月の花」土筆です。
餅花をゆらして春は来たりけり 光枝