↓
 

caffe kigosai

カテゴリーアーカイブ: à la carte (アラカルト)

投稿ナビゲーション

← 古い投稿

浪速の味 江戸の味 七月【冷し酒】(浪速)

caffe kigosai 投稿日:2025年7月7日 作成者: youko2025年7月9日

江戸積銘酒名寄

日本酒の歴史は古く、3世紀頃に大陸から稲作の伝来とともに伝えられ、お米からお酒を造り飲酒を楽しんでいたという記録があります。

兵庫県は酒造業が盛んであり、県内各地に66の酒蔵があります。「灘の生一本」で有名な日本一の酒どころ灘五郷(今津郷・西宮郷・魚崎郷・御影郷・西郷)は、江戸時代には日本一の酒どころと言われるようになりました。それに先んじて、まず伊丹で酒造りが盛んになりました。伊丹といえば大阪・伊丹空港があり、大阪に隣接しています。元禄十年(1697年)、伊丹の蔵元のうち、二十四軒に名字帯刀が許され、江戸幕府の「官用酒」となり、これを「御免酒」と称しました。一般の酒屋とは区別され格式高いものでした。新酒が江戸積され幕府に献上されるまで。他の酒は町中に販売できなかったそうです。その中でも「老松」は最も格式が高く宮中奉献酒として、将軍の御膳酒として有名でした。現在、伊丹では二つの酒蔵のみとなりました。その一つが、元禄元年創業の御免酒「老松酒造」です。元禄年間(1688年~1703年)に江戸で版行されたという「江戸積銘酒名寄」では、伊丹の「老松」は堂々東方の大関として載っています。横綱はないので、トップの評価です。阪急伊丹駅、JR伊丹駅から徒歩5分くらいのところに「老松」の紺暖簾がかかった店があり、先日立ち寄りました。暑い夏には冷し酒が飲みたくなります。おすすめの御免酒「純米吟醸」を買いました。お酒に強いわけではないのですが、すっきりと美味い冷し酒に暑気払いをした気分になりました。

句会終へこれぞ老松冷し酒   洋子

カテゴリー: à la carte (アラカルト), 浪速の味 江戸の味

加賀の一盞(三月) 利休忌茶会

caffe kigosai 投稿日:2025年2月21日 作成者: mitsue2025年2月21日

ひと口の和菓子に雅を感じる。金沢に美味しいものは多いが、その一つが和菓子、古くより茶の湯文化と相まって脈々と続いている。茶道は足のしびれを我慢しなければならないが、お菓子と抹茶が楽しめるところ。このコラムを始めるにあたり若かりし頃体験した利休忌茶会を紹介する。

千利休は茶の湯を広く世に示した人物、毎年三月の忌日に茶会を催す。当時習っていた先生は裏千家の業躰(家元で業を体得した師範)で茶会は百数十人の集まりになる。参加の皆さんは着物なので私もお召しに草木染の袴を新調し参加した。

金沢市内の料亭を貸切り、先ずお薄を頂きその後茶懐石へと進む。お菓子はお薄の席で菓子器から一つ頂く。これを主菓子といって練り切りの上生菓子、春の題材で特に利休が好んだ菜の花がこの茶会にはよく選ばれる。口に含めるととろりと解け風雅な味わい。金沢の老舗菓子屋に聞くと季節々々で数百種類の主菓子を作りそれぞれ銘があるとのこと。写真は「春告草」の練り切り。

よどみなくお茶銘問ふや春の雪  淳

茶会は先ず女性から三十名ほどずつ席に入る。男性陣(約二十名)はお点前、お運び、裏方茶筅振りなどの役を務め、最後の席でお薄を頂き茶懐石へと移る。

先ず塗の平盃にかんなべからお酒を注いで頂き乾杯をして料理を頂く。盃からぐい吞みに変ったころから定番の余興が始まる。謡やそれに合わせての仕舞、歌やおもしろ話など。最後は能「高砂」の「四海波静かにて」と「千秋楽は民を撫で」を皆で謡上げ締めとなる。

茶の湯はほとんどの美術工芸を集めた総合芸術、金沢にはそのすべてが用意されている。和菓子を始めとする芸術に触れるのも人生の楽しみのひとつだろう。(淳)

杜今日子さん新刊『0.1.2えほん はんぶんこ』

caffe kigosai 投稿日:2023年5月8日 作成者: mitsue2023年5月8日

イベント「カフェきごさい・花仙の会」で華麗な書を披露してくださる日本画家、杜今日子さんの新刊絵本『0.1.2えほん はんぶんこ』(福音館書店・900円+税)が刊行されました。

この作品は、2020年に月刊絵本「こどものとも0.1.2」10月号として子供たちの手に渡りました。すると多くの反響が寄せられ、新たに単行本として刊行された絵本です。

美味しそうなドーナッツややきいもが、次のページでは「はんぶんこ」の声とともに・・・。自然な色合いの絵とシンプルなことばで構成された絵本は、読むものをやさしい気持ちにさせてくれる一冊です。お子さんやお孫さんとぜひご一緒にどうぞ。(店長)

ネット句会 投句一覧(12月)

caffe kigosai 投稿日:2022年12月3日 作成者: mitsue2022年12月3日

12月の「ネット句会」の投句一覧です。
参加者は(投句一覧)から3句を選び、このサイトの横にある「ネット句会」欄(「カフェネット投句」欄ではなく、その下にある「ネット句会」欄へお願いします)に番号と俳句を記入して送信してください。
(「ネット句会」欄にも同じ投句一覧があります。それをコピーして欄に張り付けると確実です)

選句締め切りは12月5日(月)です。後日、互選と店長(飛岡光枝)の選をサイトにアップします。(店長)

(投句一覧)
1 小春日や缶からドロップ何の色
2 冬支度大したことは何もせず
3 大根干す海はるかなる峠道
4 野良猫の庭に住みつく石蕗の花
5 鰯ではなく鯛なるぞ鯛焼食ぶ
6 飛騨からの大工を待つも冬構
7 宝くじ売場に並ぶ冬帽子
8 閑かなり猟犬はまだ夢の中
9 どこでもドアぎいと開くや雪の夜
10 狐火やあまたの人にみとられて
11 埋火へ深く埋めん夢ひとつ
12 ミサイル来寝てはをれぬぞ山目覚む
13 よぢ上りぐるり螺髪の煤払ふ
14 秋風や笑う橋場のばんばいて (檜枝岐村)
15 百年の柱磨きて年用意
16 冬ぬくし刺し子ふきんの花模様
17 秋澄むや黙礼かはすウオーキング
18 手に顎をのせて火鉢の太宰かな
19 直会が済んでほろ酔い秋収め
20 実千両決然として庭の隅
21 タイマーのごときゆばりや寒夜かな
22 静けさの身に沁みとほる小夜時雨
23 ひとしきり窓を濡らして初しぐれ
24 橋裏に水面の揺らぎ小六月
25 身に叶ふ椅子を月見の座となせり
26 開戦日油焼けした花骨牌
27 塊りとなりて塒へ冬の鳥
28 ひとひらの花閉ぢ込めて滝氷る
29 狼の遠吠へ抱き山眠る
30 耳鳴りの寂しき音に耳袋
31 バス停の前は海原石蕗の花
32 夕焼けの飛行機雲や神の旅
33 電車待つ下りホームや枇杷の花
34 湯ざめして再び試すパスワード
35 それぞれがいびつ誇るや花梨の実
36 森深閑遠く熊鈴熊の架 (たな)
37 今日もマスク行こ行こ仮面舞踏会
38 氷面鏡辷らせてゆく鳥の影
39 秋暮れて古書よりゲルベゾルテの香

カテゴリー: à la carte (アラカルト), 店長より

カフェきごさい「ネット投句」10月 飛岡光枝選

caffe kigosai 投稿日:2022年10月25日 作成者: mitsue2022年10月26日

【入選】
ゆらゆらと池塘に映り赤とんぼ  和子

命を繋ぐために集まってきた赤蜻蛉を、青空ごと映す澄み切った水。ゆらめいているのは命かもしれません。原句は「赤蜻蛉池塘に映るゆらゆらと」。三段に切れてしまい、何が言いたいのかが不明瞭になっています。赤蜻蛉に焦点が当たる句作りを考えてみましょう。

今月の花(八月) 蛍袋

caffe kigosai 投稿日:2020年7月19日 作成者: dvx223272020年7月19日

春のスノーフレークやおだまき、初夏の鈴蘭、そして晩夏の蛍袋。いずれも下を向いて咲き、その姿から可憐な雰囲気を醸し出す楚々とした花々です。その中でも蛍袋には、明るいイメージが加わるのはその名前からでしょうか。

蛍袋は、子供がとらえた蛍をいれたのでこの名前が付いたともいわれています。蛍の明りのイメージがこの花に、光による華やかさと灯りを通した透けるような軽さとを与えたのかもしれません。

釣鐘型の花はいよいよ夏も本番という頃、野山や、近頃では街でもちょっとした草むらで見かけるようになります。花はせいぜい4,5センチで先は5つにさけ、白 ピンク、濃い紅紫などがあります。

梅雨も終わりの頃咲くので雨降り花、提灯花、釣鐘草という名前もあります。釣鐘といえば 教会の鐘の形のようなカンパニュラという名の花があったと思う方もおいででしょう。カンパニュラはホタルブクロ属の属名です。ラテン語でベルを意味するので、日本の「ホタルブクロ」にも「campanula punctate」 というカンパニュラを頭につけた学名がつけられています。

花屋さんでカンパニュラといって売られている白やピンクや紫のたくさんの花をつけた花は、19世紀後半にヨーロッパから園芸種として入ってきた風鈴草と呼ばれるものかもしれません。背が高く作られるようになったこのカンパニュラ(Campanula medium)はもともと二年草です。

蛍袋は多年草で花は下から上に咲いていきます。毎夏のように行っていた山の小さな宿には、穂が出ていない薄の葉や桔梗と一緒に、蛍袋が小さな竹かごに無造作に生けられて床の間に置かれていた思い出があります。

街の花屋さんでは手に入らない蛍袋は、その宿に行く道の草むらでも見かけることができ、暑い都会からやっと到着した私たちを高原の風と共に迎えてくれたものです。今年も同じところに咲いて待っていてくれたみたいと言いながら、宿への無事の到着を喜んだことが何十年もたってよみがえってきました。

蛍袋の思い出が、ふっと灯ります。(光加)

杜今日子さん 「晴れるや」動画配信のおしらせ

caffe kigosai 投稿日:2020年4月27日 作成者: mitsue2020年4月27日

日本画家・絵本作家の杜今日子さんの作品が動画配信でご覧になれます。カフェきごさいイベント「花仙の会」でいつも鮮やかな墨書を披露してくださる杜さんのパステル・ドローイング作品が、本人セレクトの豊かな音楽に合わせて紹介されます。4月20日から25日まで開催の銀座「うしお画廊」での個展会場が舞台です。原画とはまた違う魅力に引き込まれる動画サイト、ぜひご一覧ください。(店長)【You Tube「杜今日子」で検索ください】

カテゴリー: à la carte (アラカルト), 店長より

浪速の味、江戸の味 (四月)桜餅

caffe kigosai 投稿日:2019年3月22日 作成者: youko2019年3月28日

20190321152

桜の花が開くころ食べたくなる桜餅。関東と関西ではその姿は異なる。関東では小麦粉の生地を薄くのばして焼いた皮で餡を巻き、塩漬けの桜の葉で包む。関西では、道明寺粉の生地で餡をくるみ、桜の葉の塩漬けで巻く。関東の桜餅はさっぱりとしたクレープのような、関西の桜餅はもっちりとした食感である。初めて長命寺ゆかりの桜餅を食べたのが三年前で、それまでは道明寺粉の桜餅しか知らなかった。姿、食感は違ってもそれぞれおいしいし美しいと思う。

桜餅は桜の名所で知られた江戸向島の長命寺の門番山本新六が考案し売り出したのが始まりといわれている。文化・文政年間(1804~1830)には大評判となった。いつごろから小麦粉を原料とするようになったのかは不明である。江戸後期の随筆『嬉遊笑覧』には、初めはうるち米の粉仕立、後に葛粉で作られるようになったとある。他の文献では小麦の粉を練り蒸して生地にしていたと書かれているので、店それぞれが工夫していたのであろう。評判になった桜餅は各地に広まる。

大坂では道明寺糒(ほしいい)を原料にして作られた。道明寺は藤井寺市にある菅原道真の叔母、覚寿尼ゆかりの寺である。覚寿尼は道真が太宰府に下った後、毎日陰膳を供え無事を祈った。そのご飯のおさがりが病気回復にご利益があったので広く求められるようになったといわれている。道明寺糒は、もともと飯を干したものであった。現在はもち米を水に浸した後、蒸したものを乾燥させ粒子をそろえた道明寺粉が使われる。

どちらの桜餅も桜の葉の塩漬けがあればこそで、桜餅の風味の立役者である。

初役にいどむ稽古や桜餅   洋子

 

カテゴリー: à la carte (アラカルト), 浪速の味 江戸の味

今月の料理(四月) くずやき

caffe kigosai 投稿日:2018年3月19日 作成者: yoshiko2018年3月19日

 甘いものは別腹などどいいますが、食後にほんの一口でもデザートがあるとなんだかとっても幸せな気持ちになります。お客様を家に招待した時など食後のデザート迄には手が回らないものですが、やはり手作りのスイーツはいただく方も嬉しい物です。今月は簡単に出来る葛を使ったスイーツをご紹介します。

葛は秋の七草の一つ葛の花の根を掘り精製したものです。料理ではとろみをつけるのに用いる事が多いのですが、今は廉価な片栗粉(馬鈴薯でんぷん)が主流のようです。ブランドでは吉野葛が有名ですが生産量は鹿児島県が日本一だそうです。葛は日本中どこでもあり、近年まではいたる所で採れていたのではないでしょうか。以前に近くの山で採れたものですと言って頂いた事がありました。根を掘り出しそれを精製して作るもので手間もかかるうえ段々作る人も少なくなり今や高級品の仲間入りをしそうな食材になってしまいました。

お伝えするくずやきは葛を使ったクレープのようなものです。実は何か機会があったら作ってみたいと思って沢山のレシピをストックしてあるのですがその中の一つです。何とも素朴であっさりとした、フライパン一つ出来る簡単なものなのでお試し下さい。

【作り方】

分量のこしあん、葛、水をよく混ぜ合せる。葛は溶けにくいので丁寧に混ぜる。
テフロンのフライパンに薄くオイルをしく。
クレープを焼く要領で薄くのばし火を通す。
焼き上がったら端からくるくると巻きサランラップの上にとり形を整える。

【分量】

本葛 水Ⅰに対し市販の練あん3の割合

今月の料理(三月) バター風味の粉吹き芋

caffe kigosai 投稿日:2018年2月19日 作成者: yoshiko2018年2月18日

この冬の雪は東京も含め日本海側でも大変でした。その影響でいつもは少々高くなる程度の野菜は葉物を中心に驚く程の値上がり。地方では出荷出来ない不揃いの大根や白菜など廉価で出回るのに今年はそれも品薄状態でした。立春を過ぎての寒波も大変なもので、マーケットに行っても何だか淋しい品揃え、家計を預かる主婦は頭の痛い事この上なしでした。

現在も二月の中場にもなると言うのに降りやまぬ雪を見つつため息をついている状態です。北陸では例年の六倍の雪とか。これからまだまだ、寒さも続きそうですし葉物など野菜の入荷が遅れそうです。テレビなどでは冷凍野菜とか切干大根など乾物の野菜を使うレシピが紹介されていました。

そこで、今月の料理は常備されているジャガイモを使ったお惣菜を。ちょっと一品不足の時などに便利なおかずになる粉吹き芋です。

【作り方】

1)ジャガイモは粉吹き芋の要領で適当な大きさに切って茹でます。
2)鍋にゆで汁が少し残る程度に茹で上げ、火が通ったらジャガイモにバターと醤油を入れます。
2)バターと醤油を全体にまぜます、ジャガイモに旨みが不足でしたら砂糖を少々加えます。
4)この時バター風味の茹で汁ををすっかりジャガイモに吸わせます。
5)後は普通の粉吹き芋の要領で水分と飛ばして出来上がりです。
6)バターと醤油の量はお好みで。熱いうちに召し上がって下さい。

投稿ナビゲーション

← 古い投稿

「カフェきごさいズーム句会」のご案内

「カフェきごさいズーム句会」(飛岡光枝選)はズームでの句会で、全国、海外どこからでも参加できます。

  • 第二十八回 2025年7月19日(土)13時30分(今月は第三土曜日です)
  • 前日投句5句、当日席題3句の2座(当日欠席の場合は1座目の欠席投句が可能です)
  • 年会費 6,000円
  • 見学(1回・無料)も可能です。メニューの「お問い合せ」欄からお申込みください。
  • 申し込みは こちら からどうぞ

Catégorie

  • à la carte (アラカルト)
  • 今月の季語
  • 今月の料理
  • 今月の花
  • 加賀の一盞
  • 和菓子
  • 店長より
  • 浪速の味 江戸の味
  • 花

menu

  • top
  • きごさいBASE
  • 長谷川櫂の俳句的生活
  • お問い合せ
  • 管理

スタッフのプロフィール

飛岡光枝(とびおかみつえ)
 
5月生まれのふたご座。句集に『白玉』。サイト「カフェきごさい」店長。俳句結社「古志」題詠欄選者。好きなお茶は「ジンジャーティ」
岩井善子(いわいよしこ)

5月生まれのふたご座。華道池坊教授。句集に『春炉』
高田正子(たかだまさこ)
 
7月生まれのしし座。俳句結社「青麗」主宰。句集に『玩具』『花実』『青麗』。著書に『子どもの一句』『日々季語日和』『黒田杏子の俳句 櫻・螢・巡禮』。和光大・成蹊大講師。
福島光加(ふくしまこうか)
4月生まれのおひつじ座。草月流本部講師。ワークショップなどで50カ国近くを訪問。作る俳句は、植物の句と食物の句が多い。
木下洋子(きのしたようこ)
12月生まれのいて座。句集に『初戎』。好きなものは狂言と落語。
趙栄順(ちょよんすん)
同人誌『鳳仙花』編集長、6月生まれのふたご座好きなことは料理、孫と遊ぶこと。
花井淳(はない じゅん)
5月生まれの牡牛座、本業はエンジニア、これまで仕事で方々へ。一番の趣味は内外のお酒。金沢在住。
©2025 - caffe kigosai
↑