↓
 

caffe kigosai

作成者アーカイブ: mitsue

投稿ナビゲーション

← 古い投稿

「カフェきごさいズーム句会」五月句会報告 飛岡光枝選

caffe kigosai 投稿日:2026年5月10日 作成者: mitsue2026年5月10日

第三十八回 (2026年5月9日)の句会報告です。(  )は添削例。この句会はどなたでも参加可能です。右の案内からどうぞ。見学も大歓迎です。

第一句座              
【特選】
百年の夢の続きを山椒魚      斉藤真知子
真つ先に君に告ぐべし虹二重    鈴木勇美
竹林の大くらがりを夏の蝶     葛西美津子

【入選】   
スコップの氷を浴びる鮮魚かな    花井淳
(スコップの氷を浴びて初鰹)
眠たげな莢の蚕豆剥きにけり     斉藤真知子 
一八や母のひとり居守りをり     矢野京子
(一八やひとり居の母守らんと)
命継ぎメタセコイアの芽吹きたり   早川光尾
(天を衝くメタセコイアの芽吹きけり)
花嫁の花冠の薔薇の香りけり     矢野京子
(花嫁の花冠の薔薇香る)
宙へ飛ぶ若狭の鯖の光かな      花井淳
子鯉またひとつ増えたり鯉のぼり   矢野京子
放課後のチャイムアンネの薔薇揺れて 葛西美津子
藁を巻く靴にまかせて雪渓へ     花井淳
(靴に藁巻きて挑むや大雪渓)
伽羅蕗を煮るに大鍋ゆらしけり    斉藤真知子
(伽羅蕗を煮るや大鍋ゆらしつつ)
大楠や五月の風に身をゆだね     斉藤真知子
宅急便たけのこ乗せて西東      矢野京子
(宅急便たけのこ積んで西東)
渦潮に呑まれゆく蕊白牡丹      伊藤涼子
花林檎香る窓辺の五時限目      鈴木勇美
(花林檎白く香るや五時限目)

歌舞伎座のはねて薄暑の顔ならぶ  光枝

第二句座(席題・夏座敷、守宮)
【特選】        
暗がりに吸はれて何処守宮かな   葛西美津子

【入選】
寝転んで入道雲や夏座敷       立花武 
遠く来て富士一望の夏座敷      斉藤真知子
突然の雷鳴響く夏座敷        立花武
腹見せて深夜のやもり夜警なり    立花武
鎌倉の海を一望夏座敷        伊藤涼子
(鎌倉の海は白波夏座敷)
よく見れば愛らしき顔守宮かな    斉藤真知子
けふもまた昨日の守宮すぐそこに   斉藤真知子
床の間に一輪の百合夏座敷      伊藤涼子

干涸びし守宮掃き出す山の家  光枝
  

「カフェきごさいズーム句会」四月 句会報告(飛岡光枝選)

caffe kigosai 投稿日:2026年5月5日 作成者: mitsue2026年5月5日

第三十七回(2026年4月11日)の句会報告です。(  )は添削例。この句会はどなたでも参加可能です。右の案内からお申込みください。見学も大歓迎です。

第一句座              
【特選】
波音を聞きたし箱の桜貝        斉藤真知子
(波音の恋しき箱の桜貝)
一枝のかくもふぶいて雪柳       葛西美津子
(一枝のかくもふぶくや雪柳)
おぼろへと万のともしびクルーズ船   伊藤涼子
菜の花やこの村のどこ歩きても     斉藤真知子
【入選】   
一片の花屑つけてコリーの背      田原眞知
かたくりの花の見送る峠道       藤井和子
見下ろせる松の緑や南大門       田原眞知
花冷やしみじみ母の掌         赤塚さゆり
しやぼん玉力抜くとはむつかしく    高橋真樹子
ふるさとの山は転た寝山桜       早川光尾
背戸に吊る箒古びぬ山椿        花井淳
もう十年酌みて八十花あかり      花井淳
(あと十年酌みて八十花あかり)
かぎ針で春を編み込むコースター    矢野京子
(かぎ針で春編み込むやコースター)
菜の花や一息ついて野良仕事      赤塚さゆり
パンダ無きパンダ舎となりかげろへる  伊藤涼子
(パンダ無きパンダ舎たたく春の雨)
日々増ゆるハンガー鴉の巣現はる    伊藤涼子
(日々増ゆるハンガー鴉の大きな巣)
初花やこのふろしきと旅いくつ     花井淳
(初花やこのふろしきと旅幾度)
菜の花やキャッチボールを日暮まで   高橋真樹子
初花やにはかに街の動きだし      矢野京子
(初花やにはかに街の動きだす)

飛岡光枝出句
西郷どん今年の花にまみれけり

第二句座(席題・ものの芽、遍路)
【特選】        
みな後ろ姿となりし遍路杖  高橋真樹子
東に月の残れる遍路かな        葛西美津子      
【入選】
ものの芽のあかあかとまたあをあをと  葛西美津子
堅パンを携へ歩む遍路道        花井淳
青い目のお遍路お茶に合掌す      伊藤涼子
黒潮の風に飛ばされ遍路笠       伊藤涼子
ものの芽にかがむや箒投げ出して    藤倉桂
波音にもらふ力や遍路みち       斉藤真知子
見のがせぬうどん食べる遍路かな    花井淳
(見のがせずうどん食べる遍路かな)

飛岡光枝出句
白きものばかりを干して遍路宿

今月の花(五月 番外編)バーレーン「生命の木」

caffe kigosai 投稿日:2026年4月27日 作成者: mitsue2026年4月27日

昨年(2025年)の2月、バーレーンの首都マレーマに花をいけに行き、すっかりこの国に魅せられた私はまた行きたいという希望を持っていました。

願いが叶い、2026年3月の末、バーレーンに行くことになりました。今回は現地の壮大な国立劇場のホワイエに現地の若者たちといけばなインスタレーションをする計画で、大使館を通じ花材やその他の素材の発注を御願いしていたところでした。

大きないけばな作品の制作を通じて日本や、来年開催の花博に関心を集めるためでもありました。お手伝いは主にバーレーン大学の学生さんたち。江戸時代おたくの男子生徒、日本語流ちょうな女子生徒、もう、アーテイストとしてデビューしている学生さん、アニメや日本が大好きな女子学生がプロジェクトの中心メンバーで、そのほかたくさんの若いボランテイアが手伝ってくださると聞きとても楽しみにしていました。

私のほうも英語が得意で家元のアシスタントの明るい若者が来てくれることとなり、アラブの国は初めてという彼に一年前に経験した話をしていました。

しかし、ご存じの通りの大変な事態となり、このプロジェクトは全くの中止となってしまいました。

はしごを外されたような気持ちを毎日抱えていた私はふと、一年前の平和な中で「生命の木」を見たことを思い出しました。あの木は今度も生きのびたでしょうか。

砂の中に点在するたくさんの油田の近くの小高い丘に枝を広げていた木、爆撃のとばっちりを受けてないだろうか。

何百年もこの国を見てきたあの木。気になって仕方のない毎日があれから続いています。(光加)

(以下は2025年3月の今月の花から)

生命の木

この二月、バーレーンの首都、マレーマで仕事が終わり、空港に向かうまで時間があったので「生命の木」を見てきました。

ここにもあったのだ!というのが私の感想でした。「Tree of Life」と呼ばれる不思議な木は他の国にもあり、それぞれパワースポットになっていることは聞いていました。いずれも長い年月そこにあり、土地の人々にとって特別なシンボルツリーとして存在しているのだそうです。御神木は日本でも時々見かけますが、私にとっては初めての生命の木との出会いでした。

バーレーンは島で、国土も小さく琵琶湖くらいと言われています。石油が採れることがこの島を経済的に豊かにしていて、人口の半分が他国から働きに来ているのだそうです。砂漠からの砂が舞い上がり、雨も少なく真っ青な空が見られることはめったになく、大きな太陽が薄グレーの空に薄オレンジ色となって消えていきます。

車は歩道のない街の大道路からやがてパイプラインが張り巡らされる砂漠へと進んでいきます。周りには緑もなく、山も見えず。原油が採掘されている証か、ちらちらと櫓から炎が出ているのがところどころ見えました。時々、バンガローと書かれた小さなテント小屋の集まりを過ぎていきます。観光客用、またはここで働いている人たちのもの?と思っていると「ほら、見えた」と運転手さん。

10メートルもないような砂丘の上に悠々と四方八方に手を広げ、私たちを出迎えているかのような一本の木。周りには土産物屋も売り子もいない。丘に上って見ている人も数人。木の周りだけ柵があり、ガードのような人が一人。ぐるぐるに頭部を巻いて目だけでているのは砂埃から守るためでしょうか。足元に気を付けながら砂の丘を登ってたどり着いた木は、高さは5mくらいですが周りの広がりは直径10メートルではきかないでしょう。

ごつごつしている枝の先には、薄緑のねむの木のような葉がついていました。柔らかな新芽は、樹齢400年というこの木がこれからも成長していくことを表していました。木はProsopis cineraria、英語でPersian mesquite またはGhaf。砂の下10~40メートルに地下水が流れ、地下茎が達しているという人もいます。バーレーンはエデンの園があったという伝説があり、聖書では楽園の中央にTree of Life、生命の木が立っていたということからなぞらえているのでしょうか。

宗教的な意味がある図形のTree of Lifeもあることを思い出しました。西アジアにも同様な木があることを知りました。でもこの木は、雨の極端に少ないこの地域にこんな大木になって立っているのは奇跡です。表皮が少しささくれているような古い枝を撫でて、パワーをください、と念じてきました。(光加)

浪速の味 江戸の味〈四月〉 ホンビノス貝(大蛤)【江戸(東京)】

caffe kigosai 投稿日:2026年4月7日 作成者: mitsue2026年4月7日

春の行楽のひとつ潮干狩。その昔は江戸では品川、大阪では住吉の浜が名所とされていました。どちらも埋め立てられ現在はその面影はありませんが、東京湾には潮干狩が楽しめる場所がまだいくつか残っています。

潮干狩で採取するのは主に蛤と浅利ですが、東京湾では近年ホンビノス貝もその対象となっています。

原産分布海域が北アメリカ大陸の大西洋岸であるホンビノス貝は、食用としてアメリカ西海岸はじめヨーロッパなどにも移入されていましたが、日本では1998年に千葉県の幕張海岸で見つかったのが最初でした。原産地である北米大陸から船舶の船体に付着したか、バラスト水に混ざって運ばれたかなど諸説あります。 
 
その形状から当初は「シロハマグリ」「大ハマグリ」と呼ばれていましたが、味の良さと安価なことから「ホンビノス貝」の名は広まり、千葉県ではブランド水産物に指定して新たな江戸前の貝として供する店も増えています。

写真はホンビノス貝の炭火焼き。「大ハマグリ」と呼ばれるだけある大きさと肉厚の身は食べ応えたっぷり、春の磯の香りが口いっぱいに広がります。

在来種との関係などこれから調査が必要な貝ですが、浅利、蛤が激減している現在、新しい江戸前がうまく定着することを願っています。

弁当を鳶にさらはれ潮干狩  光枝

「カフェきごさいズーム句会」三月 句会報告(飛岡光枝選)

caffe kigosai 投稿日:2026年4月5日 作成者: mitsue2026年4月5日

第三十六回(2026年3月7日)の句会報告です。(  )は添削例。
この句会はどなたでも参加可能です。右の案内からお申込みください。見学も大歓迎です。

第一句座              
【特選】
うぐひすの声聴く見知らぬ者どうし  伊藤涼子
母炒るや白一色の雛あられ      藤倉桂
(母の炒る白一色の雛あられ)
我の編む我の王冠クローバー     鈴木勇美
春愁の自画像多き美術館       鈴木勇美

【入選】   
またしても爆撃惨禍雛の日      赤塚さゆり
殺人の兵器飛び交ふ春の空      早川光尾
湧きあがる雲に飛び込め春スキー   藤井和子
早春の蠢く蘇鉄湯気の立つ      立花武
(早春の蠢く蘇鉄湯気を立て)
ころころと根つこの並ぶ植木市    花井淳
(ごろごろと根つこの並ぶ植木市)
故郷の泥は旨かろつばくらめ     花井淳
花こぶし故郷の酒の空き瓶に     鈴木勇美
落ちてなほ物考へてゐる椿      斉藤真知子
ひなあられ怖き白髭左大臣      矢野京子
山笑ふ大きな声の人来たる       斉藤真知子
谷間の梅林少し紅交り        田原眞知
春立ちてヘルペス勝手にムズムズし  周龍梅
(春立ちてヘルペス勝手にムズムズす)
赤ん坊まだ泣き止まぬ春障子     矢野京子
(春障子まだ泣き止まぬ赤ん坊)
うっかりし慌てて投句遅日かな    早川光尾
(忘れゐて慌てて投句遅日かな)
春キャベツちぎる指先かろやかに   鈴木勇美
皿洗ふ妻の鼻歌早春賦        早川光尾
気まぐれや三寒四温妻の顔      周龍梅

飛岡光枝出句
姉ひとり早も欠けたる雛かな
 
第二句座(席題・白木蓮、田螺)
【特選】        
田螺鳴く田はまぼろしとなりしかな  伊藤涼子
白もくれん太子建立らしき寺     田原眞知
(田螺鳴く太子建立らしき寺)
恋をして田螺連れ去るよだかかな   藤倉桂

【入選】
どこからも見えるもくれん総本家   藤倉桂
ふるさとの地酒とあらば田螺和へ   矢野京子
青空を見上げて飽かず白木蓮     斉藤真知子
泥かぶり心やすらぐ田螺かな     藤倉桂
白木蓮月より白く輝ける       伊藤涼子
風無きにはらはらはらと紫木蓮    伊藤涼子
木蓮に空の低さよ重たさよ      矢野京子
夕闇にやすらふ空や紫木蓮      葛西美津子

飛岡光枝出句
風に耳立ててはくれん花盛り

今月の花(四月)あぶらちゃん

caffe kigosai 投稿日:2026年3月22日 作成者: mitsue2026年3月28日

桜の便りがあちこちから聞こえ始め、花々がその美しさを競うころ、桜ほどは目立たないが気になる花木があります。

私は都会に住んでいるので、特別な仕入れ先を持つ花屋さんが稽古の花材としてもってきてくれます。花の季節が短く毎年市場に入ってくるとは限らないので今年も会えればうれしい植物です。それは「あぶらちゃん」 (油瀝青)、クスノキ科の花木です。

花材が届くと教室ではひとしきり話題となります。生徒さんたちはその面白い名前に興味をもちます。三月末から四月の初めの葉が出る前に薄い黄色い小さな花が咲きます。雌雄異株だそうです。

山の中で2メートル、成長しても5メートルくらいの木です。枝を折ると、かすかに香りがします。同じクスノキ科の黒文字、青文字も良い香りがします。

丸い実は1.5センチ程で、乾燥すると中から丸い種が落ちます。昔、果実や樹皮から油をとり灯用にしていたとか。漢名の「瀝青」の瀝は滴るという意味で、この青は黒に近い色をさすのだそうです。瀝青の字の謎が解けます。

早春の山歩きでは、いろいろなクスノキ科の小さな愛らしい花を見つけることが多いと言われます。

クスノキで思い出しました。クスノキから作る樟脳の香りです。タンスを開けると香ってくるどこかすがすがしく、でもきりっとしていて優しい香り。この香りは虫を寄せ付けないからと母が着物の間に入れてました。じかに着物に触れないようにと、包まれた紙のまま。

今は多くは化学的に作られたものにとって代わっていますが、福岡県には今でもクスノキから純正樟脳を作っている江戸時代から5代続く樟脳師の方がおいでだそうです。6トンのクスノキからわずか25キロしか出来ない貴重な品です。

工場はさぞやさしい香りに包まれていることでしょう。このような日本の伝統が長く続いていくようにと心から願いました。

闇の中にあぶらちゃんからの油で灯りがともった部屋は、どんな香りが漂っていたのでしょうか。

クスノキ科のあぶらちゃんは、想像を膨らませてくれる春の贈り物です。(光加)

今月の花(三月)柘植の花

caffe kigosai 投稿日:2026年2月28日 作成者: mitsue2026年2月28日

和柄の赤い布のケースにいれられた柘植の櫛。それは初代家元の奥様に頂いたものです。何かの集まりにその場にいた女性全員にくださいました。晩年は車いすでしたが豊かな白髪を後ろで短くちょこんとまとめられ、付き添いの方の手をかりて本部の会館にお出ましのところを何度かお目にかかりました。

柘植の櫛は手入れがよいと一生ものと言われます。柘植の枝をいけてみて、その意味がわかる気がしました。見た目が細いわりに鋏を入れると固く、四画い断面は緻密です。なるほど印鑑や彫刻にも使われる理由もわかります。

柘植はツゲ科のツゲ属で高さは5メートルにもなるそうですが、私は家の庭に植えられていたおよそ1メートルくらいのものしか見たことがありません。光沢のある1センチちょっとの卵型の葉が特徴で、春には枝先に小さな薄黄色の花が咲きます。

柘植の花は一個の雌花の周りを雄花が取り囲んでいてあまり目立たないそうで、家の柘植の花には気が付きませんでした。葉の付け根や枝先にまとまって咲くそうです。

柘植の枝が固いこと、枝分かれが多いことから、枝をまるごと漂白して刈込み、丸い形にして柘植玉と呼びいけばなの大作に使うこともあります。

柘植の櫛の手入れには椿油がいいといわれます。105才までしっかりしていらした、大奥様と呼ばれた初代家元夫人の見事な白髪は柘植の櫛で整えられていたのでしょう。

会館でお目にかかった時の車いすからの呼びかけはいつも「あなたたち、勉強してる?しないと止まるわよ!」

柘植の櫛を手に取るたび、あの声が聞こえてきます。(光加)

加賀の一盞(三月)梅貝

caffe kigosai 投稿日:2026年2月22日 作成者: mitsue2026年2月22日

ご存じ加賀百万石は前田家、その家紋は梅鉢である。この梅鉢にちなんだ商品は多く、その代表が福梅。家紋そのままの形を最中にしたものでお正月にどの家庭でも食される。その他、梅の字をつけた食品は数多い。今回は冬から春に美味しい巻貝の一種、梅貝としたい。

主に能登半島以西の日本海側で漁れる貝類でバイ貝と称されるが、ご当地加賀ではもっぱら梅貝と表示される。ツブガイの一種で殻の色は黄土色、大きさは大きくて全長15センチくらい。身は乳白色をしていて、一番奥にはこげ茶色の肝がついている。ツブガイほどの硬さは無く、丁度良い歯応えだ。主に刺身や酢の物、おでんの具として一般的でどこの魚屋、スーパーでも売っている。

先ずはお刺身からご紹介しよう。スライスして盛り付けると白瑪瑙のような乳白色が反り返り、新鮮さが見た目でも解る。絵付けの皿との相性もぴったりだ。加賀の旨味醤油をつけて頂くと、絶妙な歯応えがたまらない。これぞ春の響きと感じる加賀人は私だけではない。もちろん加賀能登の地酒とマッチすることは言うまでもない。雪の空がようやく春の光を纏い始めるころ、欠かすことの出来ない感覚だ。

続いておでん、おでん屋の大鍋にはいろいろな具材と共に梅貝が殻ごと入っている。注文すると殻から身を出してお皿にごろりと盛り付けてくれる。最後の肝の部分も丁寧に出す。もちろん乳白色の身も美味だが、濃厚な味の肝がたまらない。おでんには欠かせない名残りの加賀源助大根に添えて頂くと梅貝の味が大根に染みわたり格別となる。おでんには燗酒と合わせるのが一番、ついつい進んでしまう。

この季節、金沢の和食屋で梅貝の置いてないところはない。また洋食屋でもカルパッチョやパスタの具材など広く使われている。金沢の早春の歯応えを是非ご体感ください。

梅貝の春の歯応へ能登の酒 淳

「カフェきごさいズーム句会」二月報告 飛岡光枝選

caffe kigosai 投稿日:2026年2月21日 作成者: mitsue2026年2月22日

第三十五回(2026年2月14日)の句会報告です。(  )は添削例。この句会は見学ができます。右の問い合わせ欄からお気軽にどうぞ。

第一句座              
【特選】
枯れながら花ぶら下がる芭蕉かな    葛西美津子
(芭蕉枯れ大きな花のぶら下がる)
満作や水音高き酒の蔵         花井淳
銀盤のスピンかたかご花開く      伊藤涼子

【入選】   
目の限り大極殿址の草萌ゆる      田原眞知
(目の限り大極殿址草萌ゆる)
日脚伸ぶ立ち話から長話        赤塚さゆり
雪嶺に抱かれ眠る琵琶の湖       藤井和子
(雪嶺に抱かれ眠る湖ひとつ)
涅槃像ひとひざ進め鑑賞す       伊藤涼子
(涅槃像ひとひざ進め手を合はす)
やらはれて老いぼれ鬼は躓きぬ     矢野京子
凸凹の二人も良けれバレンタイン    高橋真樹子
菜をきざむ音にも春の来てをりぬ    斉藤真知子
マフラーに鼻まで埋まり英単語     鈴木勇美
(マフラーに鼻まで埋づめ英単語)
混沌の世界明けゆく初日かな      上田雅子
ひとり居の三日支えるおでんかな    前田悠
立春の目白頬白木から木へ       藤倉桂
(立春の目白鳴きつつ木から木へ)
結ばれしあまた願いや初詣       上田雅子
(結ばれて願いあまたや初詣)
初雪や小さきうさぎをベランダに    上田雅子
春の風邪母のまなざし独り占め     藤倉桂
退職の朝に添えるや寒卵        鈴木勇美
(退職の朝ぱかと割る寒卵)
芹摘むや浸み込む泥はそのままで    田原眞知
(芹摘むや浸み込む泥はそのままに)

飛岡光枝出句
バレンタインデー炎の色の薔薇一本

第二句座(席題・猫柳、春の雪)
【特選】        
猫柳野川に鯉の土煙         藤倉桂
ねこやなぎ誰か手を振る向かう岸   矢野京子    
【入選】
工房に硬き木の椅子春の雪      藤倉桂
半分は降る間に消ゆる春の雪     花井淳
春雪に濡れて届きし訃報かな     葛西美津子
早出してうさぎ当番春の雪      葛西美津子
着納めとなる制服や春の雪      伊藤涼子
春の雪二上山を包むやも       前田悠
(春の雪二上山を包むかに)

飛岡光枝出句
大拙の水四角三角猫柳

「カフェきごさいズーム句会 1月」報告 飛岡光枝選

caffe kigosai 投稿日:2026年2月7日 作成者: mitsue2026年2月7日

第三十四回「カフェきごさいズーム句会」 (2026年1月10日)の句会報告です。(  )は添削例です。

第一句座              
【特選】
初明りしらかば林弾きつつ 花井淳
真ん中に大きな目玉煮凝れる     葛西美津子
大寒や波もて波を砕く音  斉藤真知子
寒梅の白きは昨夜の月の色      葛西美津子

【入選】   
何の咎彷徨へる熊撃たれをり     高橋真樹子
(何の咎彷徨へる熊撃たれけり)
あれこれと抱負の浮かぶ初湯かな   鈴木勇美
(あれこれと煩悩浮かぶ初湯かな)
薺打つ兄も弟も起こされて      藤倉桂
身欠き鰊ほろと煮崩る霜夜かな    葛西美津子
鶴亀の水引踊る屠蘇祝い       立花武
(鶴亀の水引躍る屠蘇祝ひ)旧仮名遣いの作品の場合
輪飾りの稲を雀の食べ尽くし     矢野京子
淑気満つ花嫁のれんくぐりいる    立花武
(淑気満つ花嫁のれんくぐり入る)
芹なづな雪を払ひて摘みにけり    斉藤真知子
龍の玉浄めの水のかたはらに     葛西美津子
火の護符が舞ひに舞ひたる大どんど  藤倉桂
初旅やササラ電車の勇ましく     鈴木勇美
飾取る藁の匂ひの名残かな      伊藤涼子
(飾取る藁の匂ひも名残かな)
南洲を振り向かせたる寒牡丹     花井淳
夜神楽の荒ぶる神も酔ひにけり    斉藤真知子

飛岡光枝出句
野には早青むものあり初筑波

第二句座(席題・花八手、春を待つ)
【特選】        
白鳩のくぐもる声も春を待つ      葛西美津子
顔見せぬ猫の鳴き声花八手       高橋真樹子
 
【入選】
ばさばさと風に音立て花八手      矢野京子
スカートはタータンチェック春を待つ  花井淳
故郷に母は一人や花八つ手       藤倉桂
ほんたうに来るのかしらと春を待つ   高橋真樹子
花八手横切る宇宙ステーション     花井淳

飛岡光枝出句
神宮の森の深さよ花八ツ手

投稿ナビゲーション

← 古い投稿

「カフェきごさいズーム句会」のご案内

「カフェきごさいズーム句会」(飛岡光枝選)はズームでの句会で、全国、海外どこからでも参加できます。

  • 第三十九回 2026年6月13日(土)13時30分
    (原則第二土曜日です)
  • 前日投句5句、当日席題3句の2座(当日欠席の場合は1座目の欠席投句が可能です)
  • 年会費 6,000円
  • 見学(1回・無料)も可能です。メニューの「お問い合せ」欄からお申込みください。
  • 申し込みは こちら からどうぞ

Catégorie

  • à la carte (アラカルト)
  • 今月の季語
  • 今月の料理
  • 今月の花
  • 加賀の一盞
  • 和菓子
  • 店長より
  • 浪速の味 江戸の味
  • 花

menu

  • top
  • きごさいBASE
  • 長谷川櫂の俳句的生活
  • お問い合せ
  • 管理

スタッフのプロフィール

飛岡光枝(とびおかみつえ)
 
5月生まれのふたご座。句集に『白玉』。サイト「カフェきごさい」店長。俳句結社「古志」題詠欄選者。好きなお茶は「ジンジャーティ」
高田正子(たかだまさこ)
 
7月生まれのしし座。俳句結社「青麗」主宰。句集に『玩具』『花実』『青麗』。著書に『子どもの一句』『日々季語日和』『黒田杏子の俳句 櫻・螢・巡禮』。和光大・成蹊大講師。
福島光加(ふくしまこうか)
4月生まれのおひつじ座。草月流本部講師。ワークショップなどで50カ国近くを訪問。作る俳句は、植物の句と食物の句が多い。
木下洋子(きのしたようこ)
12月生まれのいて座。句集に『初戎』。好きなものは狂言と落語。
趙栄順(ちょよんすん)
同人誌『鳳仙花』編集長、6月生まれのふたご座好きなことは料理、孫と遊ぶこと。
花井淳(はない じゅん)
5月生まれの牡牛座、本業はエンジニア、これまで仕事で方々へ。一番の趣味は内外のお酒。金沢在住。
©2026 - caffe kigosai
↑