子どもの頃初めて蕎麦掻をを食べたのは父の膝の上でした。晩酌の肴として食卓に上がったもで何かもわからず欲しがっておねだりをしたようです。少しだけですが、それは硬くて辛くてとても美味しいとは思えるものではなっかた記憶があります。その後大人になってお蕎麦屋さんで注文した蕎麦掻は大きな朱塗りの器にたっぷりとお湯をはり木の葉の形にした蕎麦掻がゆったりと沈んでいました。良い香りの出汁に山葵をきかせ薬味をのせて頂いたのですが、子供の頃食べたあの蕎麦掻とは違い箸でちぎれるほど柔らかくふわふわとしていました。長い間子供の頃食べてあれ
は何だったのかと思っていたのですが、それは蕎麦掻の作り方の違いだと納得したのは自分が料理をるようになってからです。
父の膝の上でいたずら半分に食べたものはそば粉を熱湯でさっと練り上げた「椀がき」
お蕎麦屋さんで食べたのは「鍋がき」と言うものでした。大人になってみれば薬味を
きかせ生醤油でたべた蕎麦掻はお蕎麦の香りが高く手早く出来て、酒の肴にぴったり
かも知れません。
今年も後一か月です。年末には年越しそばをいただきますが平成最後の年、少し目先
を変えて蕎麦掻はいかがでしょうか。
椀がきは蕎麦粉を熱湯で勢いよく練り上げるもで作り方などありませんが、鍋がきは
蕎麦粉をお湯で溶き、火に掛けて練り上げるものです。ちょっと忙しい思いをします
が先に好みの汁と薬味を揃えておけばふわふわの美味しい蕎麦掻ができます。
シンプルな蕎麦掻だけでは物足りない時、鴨なんの要領で焼き葱と鶏肉、牛蒡を出汁
で煮て具入りの蕎麦掻にすると軽い食事にもなります。今でしたらいろいろな茸を入
れた茸汁にしても良いかも知れません。今年は暖冬傾向のようですが、寒い時は暖ま
る食事で風邪などひかれないようにお元気でお過ごしください。
【分量】
そば粉 100グラム 水270シーシー
汁はお好みで。
【作り方】
鍋に分量の水を入れ沸かします。
蕎麦粉をだまにならないように入れかき混ぜます。
すぐかたまり始めますが弱火にしてすりこぎ等で練っていきます。
段々と粘りがでてくるので艶が出るまで練り上げます。
滑らかになったら、手に水をつけ濡れ布巾にとって形を整えできあがりです。
後はお好みの汁でいただきます。