カフェきごさい店長、飛岡光枝が捌く「いどばた歌仙 飛梅」が始まります。どなたでも参加可能なネット歌仙です。参加ご希望の方は、長谷川櫂さんのサイト「俳句的生活」の「いどばた歌仙 飛梅」参加フォームからどうぞ。第一巻は4月1日スタート、途中からの参加はできませんのでご注意ください。歌仙初心者の方も気楽にご参加ください。お待ちしています。(店長)
カテゴリーアーカイブ: 店長より
第九回 カフェきごさいズーム句会
毎月1回ズームで行う「カフェきごさいズーム句会」、今月の句会報告です。
添削例も参考にしてください。
この句会はどなたでも参加可能です。ご希望の方は右のご案内から、どうぞ。
第九回 2023年12月9日(土)
飛岡光枝選( )は添削例
第一句座
【特選】
浅草や色とりどりに着ぶくれて 鈴木勇美
鵯の食ひ散らかすや木守柿 早川光尾
雪催たんと漬け込む山東菜 前﨑都
出番待つ羊並ぶやクリスマス 高橋真樹子
(出番待つ子羊並ぶクリスマス)
【入選】
初氷秩父連山晴れ晴れと 藤倉桂
空つ風鯛焼き二つポケットに 藤倉桂
イマジンの遠くなりけりレノンの忌 早川光尾
夕されば欲しき寄る辺や寒昴 伊藤涼子
飄々と冬の空へと旅立てり 前﨑都
眠る山起こさぬやうに山の径 斉藤真知子
舌仕舞ひ忘れて猫の日向ぼこ 赤塚さゆり
咲き満ちて大シャンデリアしやこさぼてん 伊藤涼子
柚子の香のふはり風呂吹透きとほる 伊藤涼子
(柚子の香の風呂吹大根透きとほる)
鯛焼の惜しみなく餡はみだしぬ 高橋真樹子
アリゾナは海の墓標に開戦日 伊藤涼子
(アリゾナは海の墓標よ開戦日)
滔滔と黒き大河や去年今年 葛西美津子
第二句座(席題、冬芽、鼻水)
【特選】
知らずして水洟垂らす写経かな 葛西美津子
水洟を拭く間も惜しく遊びけり 上田雅子
【入選】
ほの赤き冬芽を包む小さき手 藤井和子
鼻水の乾き切つたる笑顔かな 藤倉桂
吹き荒ぶ風も落とせぬ冬芽あり 藤井和子
街路樹は冬芽ゆたかに北辛夷 高橋真樹子
くちやくちやの笑顔の羅漢みずつぱな 藤倉桂
鼻水も空飛んでゆく大回転 藤井和子
水洟をすすりて詠まん戦の句 矢野京子
しろがねや天を目指して冬木の芽 伊藤涼子
樹齢百年牡丹の冬芽赤々と 藤倉桂
(百年の牡丹の冬芽赤々と)
第八回 カフェきごさいズーム句会報告
毎月1回ズームで行う「カフェきごさいズーム句会」、今月の句会報告です。
今月から添削例も併記しました。参考にしてください。
この句会はどなたでも参加可能です。ご希望の方は右のご案内から、どうぞ。
第八回 2023年11月11日(土)
飛岡光枝選( )は添削例
第一句座
【特選】
堂々と老い山茶花の白が好き 前﨑都
(堂々と老い山茶花の白愛す)
これよりは佳き日重ねむ返り花 藤倉桂
【入選】
七五三晴れ着のままに眠りけり 斉藤真知子
小春日や茶の湯の会へ人の列 花井淳
鶏頭を剪るにすこしの勇気かな 斉藤真知子
(鶏頭を剪るにすこしの勇気欲し)
秋の空飛行機雲の迷ひなし 藤井和子
(秋の空飛行機雲の迷ひなく)
近づいてやつぱり咲いてゐる柊 葛西美津子
(近づいてたしかに咲いてゐる柊)
立冬や煮豆ことこと終日 藤倉桂
診察を待つ窓の外冬紅葉 早川光尾
(冬紅葉診察を待つ窓の外)
秋晴れを掴みて吾子の初立つち 藤井和子
冬立つ日空澄みわたり術後の目 前﨑都
(術後の目立冬の空澄みわたる)
太秋柿由来知らねど良き名なり 前﨑都
雪ばんば今日は一斉下校といふ 高橋真樹子
綿虫のむらさきいろのあたたかし 高橋真樹子
ぴゆうと風吹きて三つ星濃くなりぬ 伊藤涼子
熊よけのラジオ流れる露天風呂 村井好子
舟寄せて浮島の松手入れかな 矢野京子
(ぎいと舟寄せて浮島松手入れ)
足場組むハンマーの音今朝の冬 村井好子
シャコサボテンごま粒ほどや花の精 伊藤涼子
(シャコサボテンごま粒ほどの莟つけ)
稲架掛けや父と息子の息合ひて 早川光尾
(稲架掛けや父と息子の息合はせ)
再びのサイレン聞こゆ今朝の冬 赤塚さゆり
第二句座(席題、白鳥、セーター)
【特選】
出来上がらぬ夫のセーター三年目 村井好子
(出来上がらぬ夫のセーター三十年)
【入選】
湖に眠りし白鳥の夢いくつ 斉藤真知子
(湖に眠る白鳥夢いくつ)
新しきセーターに猫甘えくる 斉藤真知子
セーターのトンネル抜ける赤ん坊 高橋真樹子
夕闇につがいの白鳥いよ白し 藤井和子
(夕闇につがひの白鳥いよよ白し)
白鳥も加賀の湯の里好むとや 花井淳
温きかなまだ編みかけのセーターよ 藤倉桂
セーターの裾を掴みて離れぬ子 矢野京子
思ひ出を消すごとセーター解いてゆく 前﨑都
第七回 カフェきごさいズーム句会報告
毎月1回ズームで行う「カフェきごさいズーム句会」、今月の句会報告です。
この句会はどなたでも参加可能です。ご希望の方は右のご案内から、どうぞ。
第七回 2023年10月21日(土)
飛岡光枝選
≪第一句座≫ (当季雑詠)
【特選】
秋の渚花のやふなる貝の殻 上田雅子
故郷への橋は流され秋出水 鈴木勇美
山一つ湖に映して走り蕎麦 高橋真樹子
【入選】
秋風やこの身まるごと入れかはり 矢野京子
山ぶだう葉陰にルビー散りばめて 伊藤涼子
寄鍋に方言おどる同級会 前﨑都
節榑の指いとほしや栗を剝く 前﨑都
蒼き空独り占めせし雪の穂高 藤井和子
赤飯の蒸籠三段秋日和 葛西美津子
百六十センチ我を超したりアワダチソウ 上田雅子
水晶や祖父の命の今年米 藤倉桂
涙して人情噺菊日和 赤塚さゆり
秋空や神は何処ぞパレスチナ 早川光尾
秋晴や顔華やげる志功の画 花井淳
ふかし藷めぐる季節のまん中で 矢野京子
鬼やんまクラーク博士の指の先 鈴木勇美
りんご狩り新種いくつか味見して 矢野京子
あちこちに国の訛りや神の旅 斉藤真知子
第二句座(席題、、冬隣、運動会)
【特選】
羊羹の黒きひと口冬隣 花井淳
【入選】
暗渠より鈍き水音冬近し 葛西美津子
運動会鉛筆一本三等賞 葛西美津子
運動会昼はをさまる砂ぼこり 花井淳
休日の父の薪割冬近し 上田雅子
泣きながらビリを走るよ運動会 赤塚さゆり
冬となり真つ赤なコーヒーマグを買ひ 矢野京子
冬近し沖に黒々牡蠣筏 矢野京子
第六回 カフェきごさいズーム句会報告
毎月1回ズームで行う「カフェきごさいズーム句会」、今月の句会報告です。
この句会はどなたでも参加可能です。ご希望の方は右のご案内から、どうぞ。
第六回 2023年9月9日(土)
飛岡光枝選
≪第一句座≫ (当季雑詠)
【特選】
猿の腰かけ木の魂喰うて太りけり 前﨑都
ふるさとの山は大なり栗ごはん 早川光尾
病室の窓から見えるだけの夏 上田雅子
廃屋を飲み尽くさむと凌霄花 藤倉桂
沈黙の半跏思惟像秋暑し 赤塚さゆり
【入選】
台風の置き土産なり虫合奏 早川光尾
Tシャツもくたびれ残る暑さかな 赤塚さゆり
草揺らし草揺らしては飛蝗かな 矢野京子
連山のくつきりと見え蛇笏の忌 斉藤真知子
蟹漁の港真つ赤に染まる秋 前﨑都
虫ごゑに五体傾くや仕舞風呂 藤倉桂
母癒ゆる猿のこしかけ神棚へ 前﨑都
灯篭や涙の川を消えてゆき 藤井和子
どれもこれも細き刀や秋刀魚買ふ 上田雅子
広島忌永久に怒れるゲンであれ 矢野京子
銀輪の向かふ奥能登秋の虹 花井淳
皆元気便り送らむ今年酒 藤井和子
底紅は眼を見開いて雨の中 葛西美津子
鯊ゐるかのぞく佃の舟溜り 葛西美津子
新生姜人肌色のなまめかし 矢野京子
≪二句座≫(席題、蜻蛉、稲妻)
【特選】
稲光あるはずのなき天守閣 伊藤涼子
【入選】
赤とんぼ人を待つにはあらねども 高橋真樹子
かつて居りし追い払ふ程の赤とんぼ 上田雅子
親しげに帰郷の我に蜻蛉くる 斉藤真知子
ひねもすを谷地田に群るる蜻蛉かな 藤倉桂
鬼やんま一世教師で逝かれしか 前﨑都
稲妻や旅寝のシーツひやひやと 葛西美津子
第五回 カフェきごさいズーム句会報告
毎月1回ズームで行う「カフェきごさいズーム句会」、今月の報告です。
この句会はどなたでも参加可能です。ご希望の方は右のご案内から、どうぞ。
第五回 2023年8月12日(土)
飛岡光枝選
≪第一句座≫ 当季雑詠
【特選】
日盛りのいま絢爛と金閣寺 伊藤涼子
勝ち進むざんばら髪や大団扇 前﨑都
夏の果ボトルシップに射す夕日 鈴木勇美
太陽と同じ大きさトマト熟る 赤塚さゆり
【入選】
炎昼やラーメンスープ飲み干せり 村井好子
一粒も欠けぬかがやき巨峰盛る 伊藤涼子
高く低く蛍連れ舞ひ星に消ゆ 藤井和子
産毛なす白磁の肌や桃香る 伊藤涼子
砲声のまだ鳴りやまぬ麦の波 早川光尾
かたまって人上りくる墓参り 高橋真樹子
桃太郎出よ大きく紅き桃 葛西美津子
この暑さ五右衛門釜に入りしごと 斉藤真知子
桟橋を這ひずる蛸や雲の峰 前﨑都
亡き兄の笑顔も揺れて吊忍 早川光尾
八月の影うづくまる上野かな 葛西美津子
蟻の列ついてゆきたる子供かな 斉藤真知子
朝顔や今日も始まる町工場 赤塚さゆり
ひと晩は星に抱かれキャンプかな 斉藤真知子
大いなる墳墓を守り芒原 鈴木勇美
第二句座(席題、鰡、星祭り)
【特選】
畑のもの供へる母の星祭り 藤倉桂
荒縄で括りつけたり七夕竹 藤倉桂
【入選】
七夕竹寄せ来る波の音を聞き 斉藤真知子
ダイキリへカシスの赤み星祭 花井淳
願い事に重くなりたり七夕竹 伊藤涼子
鰡飛ぶやみなとみらいの夜景美し 伊藤涼子
老いてなほ小さき願ひ星まつり 斉藤真知子
七夕に生まれし吾子や二児の父 伊藤涼子
白き糸白き短冊星まつり 葛西美津子
ふるさとによき菓子ありて星祭 矢野京子
七夕や遥かとなりし君の星 上田雅子
第四回 カフェきごさいズーム句会報告
第四回 2023年7月8日(土)
飛岡光枝選
≪第一句座≫ 当季雑詠
【特選】
笑はせて笑はせられてさくらんぼ 真樹子
抜けし我が羽根とも知らず踏みゆけり 真知子
誰待つとにあらねど風の竹床几 美津子
【入選】
ほととぎす止むを待つてのティーショット 光尾
夜濯や夜も明るき街に住み 都
艶やかな茄子を主役に夏料理 雅子
病む夫と歩幅合はせて茅の輪かな 桂
田の神が渡つて行くや青葉風 桂
目標の日に八千歩雲の峰 京子
朝一番生死確かむカブト虫 都
茅の輪くぐる少し変身したやうな 都
白蓮の夜明けの空に月残る 美津子
遠雷や眠りの淵をうろうろと 美津子
≪第二句座≫ 席題;甘酒・七夕
【特選】
暗く深き室にふつふつ一夜酒 美津子
七夕竹叶はぬ願ひずつしりと 雅子
【入選】
七夕はつれなき雨に流れゆく 和子
短冊に書くは体のことばかり 光尾
甘酒を啜り一息山の小屋 和子
世界中の星に願はん平和の世 雅子
一匙に母の笑顔や一夜酒 桂
我熱く夫は冷たく一夜酒 雅子
軒下に覗く七夕飾りかな 和子
第三回 カフェきごさいズーム句会報告
飛岡光枝選
第一句座
【特選】
てのひらの木もれ日を汲む岩清水 伊藤涼子
蟻一匹抱へきれざるもの抱へ 葛西美津子
裏路は十薬通りとなりにけり 伊藤涼子
【入選】
急がねば百の桃へと袋かけ 斉藤真知子
鵜一羽杭にとどまり走り梅雨 上田雅子
潮風の恵みたつぷり枇杷熟るる 前﨑都
雲海の蒼く明けにし月の山 葛西美津子
大空にはや夏のあるハンモック 高橋真樹子
ハンモック夢も浮かんでをりにけり 伊藤涼子
釈迦堂へ千の石段梅雨晴れ間 前﨑都
土もよし水よし新茶香りけり 矢野京子
みづうみは氷河の雫カヌー出す 高橋真樹子
麦飯を喰らひ戦後を生き延びて 前﨑都
二階から二階見てゐる合歓の花 高橋真樹子
母の帯締めてすがしや初浴衣 高橋真樹子
地震続く能登や婆さまの鮑とり 花井淳
風薫る公園ベンチで宿題を 矢野京子
水の中背伸びしてゐる早苗かな 藤井和子
第二句座(席題、水遊び 梅雨茸)
【特選】
人の世の話聞きをる梅雨茸 斉藤真知子
水遊あの頃はまだ母若く 赤塚さゆり
太陽にとことん愛され水遊び 藤倉桂
【入選】
梅雨茸のひよつこり顔出す棕櫚の鉢 伊藤涼子
びしよ濡れの服いかにせん水遊び 斉藤真知子
不意打ちの水鉄砲を浴びにけり 伊藤涼子
白々と一夜に生えし梅雨茸 葛西美津子
鳥の糞ひとすぢかかる梅雨茸 高橋真樹子
最後には裸になりぬ水遊び 上田雅子
誰よりも母が本気の水合戦 葛西美津子
梅雨茸蹴とばしながら球探す 花井淳
浴室のアトムとウラン水遊び 花井淳
第二回 カフェきごさいズーム句会報告
飛岡光枝選
第一句座
【特選】
オオイヌノフグリ踏み分け猫の行く 早川光尾
吹かれきし花ひとひらを葛干菓子 矢野京子
【入選】
新緑の海を泳ぎて峠越え 藤井和子
真緑に染まる魂菖蒲の湯 藤倉桂
皺深き手こそ玉なり桜餅 藤倉桂
この星の割れていく音底雪崩 藤井和子
孫娘曾孫も娘粽食ぶ 赤塚さゆり
母の日や飛び切りの肉下げて来し 前﨑都
紫陽花の毬の中から青蛙 葛西美津子
囀りや大拙館の一樹より 花井淳
まつすぐに海へ駆けだす子供の日 伊藤涼子
亀親子鼻突き出して夏の川 藤倉桂
うぐひすや町内みんな顔を上げ 早川光尾
第二句座(席題、カーネーション 夏帽子)
【特選】
遙かなる遺影の君よ夏帽子 上田雅子
一輪のカーネーションの華やぎよ 藤井和子
【入選】
夏帽子形ととのへこの箱へ 前﨑都
山荘に夏が忘れし夏帽子 葛西美津子
リビングに汐の香りや夏帽子 伊藤涼子
夏帽子一陣の風の奪ひたる 藤井和子
子のヰない君へ供へるカーネーション 花井淳