第二十一回カフェきごさいズーム句会 (2024年12月22日)句会報告です。
「カフェきごさいズーム句会」は、どなたでも参加いただけます。ご希望の方は右の申し込み欄からどうぞ。見学も大歓迎です。
第一句座
【特選】
ともかくも冬至は餃子の欠かせない 周龍梅
(ともかくも冬至は餃子欠かせない)
冬薔薇人待つごとき蕾かな 斉藤真知子
(冬薔薇人待つごとく蕾あり)
しまひ湯の妻に柚子の実ひとつ足す 斉藤真知子
北国の不機嫌の並ぶ牡蠣の口 高橋真樹子
(北国の不機嫌並ぶ牡蠣の口)
【入選】
いづこより湧きゐる水や冬芹田 村井好子
(いづこより湧きでる水や冬芹田)
仕舞風呂捥ぎたての柚子一つ足し 藤倉桂
何編むにあらず真紅の毛糸買ふ 葛西美津子
数へ日やまだ捜し物してをりぬ 前﨑都
(数え日やまだ探し物見つからず)
侘助に聞かれてゐたり独り言 葛西美津子
ときどきは気が乗らぬ日も猿回し 斉藤真知子
野川てふやさしき名もて川枯るる たきのみね
(野川てふやさしき名もて冬枯るる)
鬼ごつこ銀杏落葉をまき上げて 鈴木勇美
手渡せることも喜びお年玉 高橋真樹子
(手渡せることの喜びお年玉)
マッチ擦る祖母の手夜の玉子酒 たきのみね
討入りの日我ら句会に集ひけり 前﨑都
冬麗の真白き富士へ一機かな 伊藤涼子
(冬麗の真白き富士へ一機行く)
三姉妹大中小に着ぶくれて 鈴木勇美
(三姉妹大中小と着ぶくれて)
寒風を行くただ人に会わんため たきのみね
(寒風を行くただ一人に会はんため)
初詣この大杉と幾十年 花井淳
移り住み京の雑煮に馴染みけり 斉藤真知子
鴨の陣水にゆはへてあるやうな 葛西美津子
指先の触るればふはり冬木の芽 村井好子
(指先に触れる確かさ冬木の芽)
我めがけヒマラヤ杉の落葉降る 伊藤涼子
どの家も冬至の風呂の沸くころか 飛岡光枝
第二句座(席題・雪だるま、冬帽子)
【特選】
喜びのでんぐり返る雪だるま 周龍梅
もう誰の手にも負へずよ雪まろげ 葛西美津子
【入選】
どこまでも父の冬帽目じるしに 矢野京子
(雑踏を父の冬帽目じるしに)
今日買ひし冬帽子今日失くしけり 村井好子
男来る今年も同じ冬帽子 斉藤真知子
再会のうれしさにある冬帽子 斉藤真知子
(再会のうれしさにあり冬帽子)
イーハトーブ抱きしめ歩む冬帽子 藤倉桂
泣きべその片目となりぬ雪だるま 葛西美津子
夜勤明け耳まで被る冬帽子 上田雅子
髪怒る冬帽風に奪はれて 藤倉桂
出棺の胸元に置き冬帽子 飛岡光枝