第二十二回「カフェきごさいズーム句会」(2025年1月11日)句会報告です。(( )は推敲例)。
このズーム句会はどなたでも参加可能です。ご希望の方は右の申し込み欄からどうぞ。見学も大歓迎です。
第一句座
【特選】
さいはひ橋渡つて仕事始かな 鈴木勇美
菰を着て誰が面影や冬牡丹 葛西美津子
大欅ひび割れさうな冬の空 葛西美津子
【入選】
寒雀小さき礫のごと降り来 たきのみね
(寒雀光の礫となり降り来)
再会の辛子にむせぶおでんかな 鈴木勇美
(再会は辛子にむせぶおでんかな)
咲きながら眠れる冬の牡丹かな 葛西美津子
(くれなゐの眠れる冬の牡丹かな)
掃除会社からバイトの子煤払ひ 上田雅子
(煤払ひ掃除会社のバイトの子)
ストーブに火の揺らめきてポトフかな 高橋真樹子
(ストーブの火の揺らめきてポトフかな)
四世代ゐてなみなみと初湯かな 赤塚さゆり
(初風呂の湯をなみなみと四世代)
買初にすべらぬ箸を夫のため 前﨑都
(買初やすべらぬ箸を夫のため)
ごめ啼くや能登の寒さはいかばかり 葛西美津子
雪煙富士駆け上がりくれなひに 藤井和子
(富士駆け上がりくれなゐの雪煙)
丹頂の求愛のこゑ真白かな 高橋真樹子
(鳴き交はす真白きこゑや丹頂鶴)
冬眠の蛇おそろしき夢に醒め 斉藤真知子
人もまた雪にまみれて雪達磨 高橋真樹子
水仙のみなぎる命束ねけり 伊藤涼子
(水仙のしづかな命束ねけり)
ガザの子にせめての春や早く来い 早川光尾
(ガザの子に小さき春よ早く来い)
数独のなかなか解けぬ寅彦忌 村井好子
初雀ベランダの日を啄めリ 飛岡光枝
第二句座(席題・土竜打ち、寒夕焼)
【特選】
土竜打つでたらめの歌大声で 葛西美津子
(土竜打ちでたれめな歌大声で)
【入選】
解体は明日も続きぬ寒夕焼 葛西美津子
(瓦礫解体明日も続く寒夕焼)
へうたんのような男の子よ土竜打つ 高橋真樹子
(へうたんのやうな男の子が土竜打つ)
土竜打ち叩きし縄はぼろぼろに 斉藤真知子
信州の雪舞ひ上げつ土竜打 花井淳
(信州の雪舞ひ上がる土竜打)
藁束もゆきまみれなり土竜打つ 矢野京子
(藁束のゆきにまみれて土竜打つ)
首かしげ鴉見てゐる土竜打 花井淳
土竜打つ戦なき世を願ひつつ 飛岡光枝