いどばた歌仙 善哉 雲雀の巻 初折の裏/九
二日に行われた叡王戦五番勝負第三局で、藤井聡太叡王が逆転負けとなり
伊藤七段に王手をかけられたという、ほやほやのニュースをうまく詠んで
います。叡王だけでなく、八冠を堅持できるかということが話題になって
いますが、「好敵手」に込められた作者の思いを感じていただきたい。
先へ進める中で、前句の主体が変化する、自ずから浮かび上がってくると
以前、書きました。
この句が付くことで、夕月を仰いでいた人は藤井聡太叡王だったのかと、
いろいろ想像できます。
全体の流れを見て、主体の変化をみるのもおもしろいです。
では先へ進めてください。
次も雑。 月曜日の午後8時までに投句してください。
【初折の裏】
二 あちらこちらに配る釣書 茉胡(雑・恋)
三 だみ声のママと夜通し酌み交し 貝太(雑・恋)
四 週に一度のフェイシャルエステ 真知子(雑)
五 紀元前の王の眠れる墓いづこ 尾燈子(雑)
六 砂漠をすすむ隊商の列 真知子(雑)
七 祇園会を飾る異国の懸装品 茉胡(夏)
八 団扇片手にあふぐ夕月 桃瑪(夏・月)
九 叡王も顔色変へる好敵手 美津子(雑)
十
【付句候補】
〇
叡王も顔色変える好敵手(美津子)(変える→変へる)
△
ずたずたの地球は戦止められず(久美)
八冠の危ふくなりぬ将棋盤(尾燈子)
起き抜けの為替相場の乱高下(貝太)
・
逃亡の犯人監視カメラ撮る
朝錬へ目覚まし要らぬ蝉時雨 (雑で。)
幕前に何度もさらふ道成寺
明日からは四国一周巡礼に
ふる里を一人守る姉長電話