いどばた歌仙 善哉「花の巻」初折の表 五
母子が安らかな寝息をたてています。今日の月が優しく見守っているよう。
△の中の2句は前句の「役者」からの発想かと思います。おもしろいの
ですが、前々句に「祝電」があるので、名優ととらえられない方がいい
です。句としてよくても、流れがあるので、ここでは採れないこともあり
ます。
いただいた句は、様々に転じることができると思います。
六(折端)は、秋の短句です。
【初折の表】
発句 残生やひと日は花を鋤きこんで 飴山實(春・花)
脇 白き蝶々あそぶ川舟 真樹子(春)
第三 春風に乗りて祝電届くらん みつこ(春)
四 役者の朝は豆腐味噌汁 久美(雑)
五 母と子の寝息安らか今日の月 美津子(秋・月)
〇
母と子の寝息安らか今日の月(美津子)
△
望月を睨み上げつつ見得を切る(尾燈子)(望月をぐいと睨みて首途告げ)
風となり駆ける忍者を月照らし(真樹子)
銭湯の帰りに仰ぐけふの月(真知子)
・
打ち寄せる波いや高く能登の月
月の出にかざす手つきのほつそりと
出産に立会ひしパパ月今宵
月浴びて狼となる男共