いどばた歌仙 善哉「花の巻」初折の裏 一
四の「役者」を「初日」にします。(五で「母と子」、六で「あきんど」と
人物が続いたので)
五の「今日の月」を「けふの月」にします。(発句、四と「日」が続くので)
「こうしなければならない」ということではなく、全体の流れを見ての変更
です。
初折の裏の一句目は、時事句とも言えます。
カトリック教会の最高指導者だった、教皇フランシスコの葬儀が26日に行わ
れるとのニュースが流れ、世界中から数十万人が参列するとのこと。
コンクラーベは、「教皇選挙」のことです。外部の干渉、介入を遮断して選挙
が行われます。
折しも、映画「教皇選挙」が公開されています。
次は、雑の短句です。
【初折の表】
発句 残生やひと日は花を鋤きこんで 飴山實(春・花)
脇 白き蝶々あそぶ川舟 真樹子(春)
第三 春風に乗りて祝電届くらん みつこ(春)
四 初日の朝は豆腐味噌汁 久美(雑)
五 母と子の寝息安らかけふの月 美津子(秋・月)
六 あきんど集ふ豊年の村 貝太(秋)
【初折の裏】
一 長き夜にコンクラーベの始まりて 史生(秋)
二
〇
長き夜にコンクラーベの始まりて(史生)
△
虫の声突如断ち切る機銃音(尾燈子)
ゆけゆけの事業拡張天高し(茉胡)
朝霧に大事な馬を見失ひ(みつこ)
・
爽やかに老いあの頃の未来都市
異国後の飛び交う古都の秋深し
どの家も笑ふかぼちゃに魔法掛け
ことしまた日の出の前に鶴来たる
贋作と知りて見据える長き夜