いどばた歌仙 善哉「新米の巻」 名残の裏 三
ここは叙景の句がほしいところ。
山麓の傾斜に沿って築かれた登り窯。焼成にかかる二日あまりは交代で
火の番をします。焼き上げた後は20日ほどかけて自然冷却し陶磁器を
取り出します。登り窯の煙の上がる山麓の景です。
次は早春の句を詠んでください。
五が花の定座なので、植物は避けてください。
【名残の表】
十 迎えに来たる輿は月へと 尾燈子(秋・月)
十一 やつと寝て絵本を閉ぢる秋燈下 眞理子(秋)
十二 鳴らぬひよんの実ポケットに入れ 桃瑪(秋)
【名残の裏】
初句 中学の恩師を囲む集ひへと 真知子(雑)
二 不惑で始む杜氏の修業 美津子(雑)
三 久々に煙の上がる登り窯 真知子(雑)
四
〇
久々に煙の上がる登り窯(真知子)
△
水旨き峡の里へと移住して(眞理子)(水清き山峡にある小さき村)
顕微鏡覗けば小さき生命あり(貝太)(小さき生命あり→円き細胞が)
山裾の林貫く銃の音(桃瑪)(林貫く→林に響く)
・
つひつひと試飲重ねてべろべろに
飼い主を襲ひし獣に吠える犬
三人の孫に俳句を教へもし
スマホから離れて過ごすありがたさ
箸とりて夕餉につくが今日の幸
フレンチに合ふ辛き吟醸
