今月の料理(11月)_白和え
秋に入って立て続けに台風に見舞わたせいか野菜の高騰が話題になっています。先日、東京に住む友人からレタスや葉物、ニンジンなどの値段を聞かされその馬鹿々しい値段に少し呆れかえりました。もちろん、便乗値上げなどもあるのでしょうが日常使う野菜が高いのは考えものです。こんな時は田舎住まいの良さを痛感しますが、地方も段々と都市の悪いところ?を真似て少しづづ野菜などが値上がっているのも事実のようです。
収穫の季節も終わり、刈り取った田にはこの暖かさでひつぢ穂が勢いよく育っています。この頃、見渡しの良くなった田圃に見かけるのはびっりしと実をつけた柿の木。昔は貴重な食糧だったのでしょう。梅と共にどの農家にも必ずと言ってよいほど植えてありました。以前、新潟から東京へ就職した知り合いが「東京では柿とイチヂクを売っている」と驚いて話してくれましたがこの風景を見ると納得します。こちらでは、柿やイチヂクは庭や野にあるものなのです。
さて、何もかも枯れて行く中で柿の実が赤々と実っているのはとても印象深いものです。昔は天の取り分として最後の一つを木につけたままにしておく習慣がありましたが、これが「木守」です。まだ、本格的な冬には時間がありマーケットには柿が沢山出回っています。今月の料理は柿を使った白和えです。精進料理などにはよく柿の白和えが用いられますが、少しアレンジして若い方にも好まれるように洋風にしてあります。柿ばかりでなく、手近にある果物を使ってお試し下さい。
普通白和えと言えば和え衣にお豆腐を使いますが、水切りが中々面倒です。そんな時は水切り不要の濃いお豆腐を使うと簡単に出来ます。ここで用いたもは普通のお豆腐よりかなり水分がぬけていてオリーブオイルと塩、コショウでいただくもの。商品名は「ナチュラル豆腐」とありました。丁度頂き物の柿がありましたので、柿とリンゴを使って仕上げてあります。キューイフルーツなどもおすすめです。
和え衣はお豆腐のほかクリームチーズを使っています。ここではお豆腐とチーズを同量でもちいましたが、チーズが苦手な方はお豆腐を多めにしてチーズで和え衣のコクを出すようにすると食べやすいと思います。
【作り方】
クリームチーズとお豆腐をよく混ぜあわせ和え衣つくります。チーズは冷蔵庫から出して室温に戻すと柔らかくなります。
リンゴは一部皮を残して剥き、柿と共に同じ大きさに切りチーズとお豆腐とで合えます。味は塩とレモンで整えます。果物の甘みが強い時はレモンを利かすとさっぱりといただけます。