朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」(2月)
2月の朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」。今月の兼題は1月の「カフェきごさい」から
季語「七草」料理「餅」花「裏白」です。
【特選】
立春大吉みどりごのおほあくび 稲
まさに春のめでたさ。漢字とひらがなの表記が生きている。
丸餅を一つ真中に望の粥 隆子
「餅の粥」は小正月の小豆粥。椀の中に出現した大宇宙。
【入選】
雑炊や音たてなんぼのうまさかな 光加
音をたてて旨いものが日本にはある。
寒波来るピシパシピシと空裂きて 澄江
真っ青な空。
みどり濃く妊婦に炊きし薺粥 稲
思いのこもった薺粥。「炊きて」。
寒の水濁りの底の四角餅 周作
四角餅はあまり聞かないが、この句の場合は存在感が出た。「濁りの底に」。
触れし手やもしかして君雪女 光加
ときめきと恐ろしさと。
裏白と古きを語る野老かな 隆子
語り合うのが「古き」ではつまらない。
白き息今か今かとダイヤモンド富士 澄江
「今か今か」が臨場感がある。「息白く」。
水餅や深く沈みて出番待つ 光加
「出番待つ」を一考。
搗きあげて雪の白さや寒の餅 隆子
図式的。もっと実感を。
3月の「カフェきごさい句会」の兼題は2月の「カフェきごさい」より、季語「鳥帰る」料理「鍋」花「柊」。冬から春の間の季語が並びました。
裏白の反る東京の青き空 光枝