今月の料理(八月)_夏野菜のスープ
ここ数年の人気で、皆さまの中にも家庭菜園をなさっている方がいらっしゃると思います。田舎は都会より、土地に余裕のある方も多いせいか、薬味になる紫蘇の葉やハーブなどを庭の隅に植えたり、ナスや胡瓜のプランターを置いている家庭をよく見かけます。中には本格的になさっている方も多く、「買ったほうが安い」などと言いつつ野菜作りを楽しんでいるようです。
そんな方達からは沢山採れたからと、お裾分けに頂くのがナスや胡瓜です。不思議にもよく出来る年があるらしくいろいろな方から「よかったら食べて」と頂くのは同じものばかり。作られた方は自分が育てた思いもあり無駄にはしたくないのでしょう。
この度は夏の野菜を使ったスープです。面倒なのはトマトをおろし金で摩り下ろすことだけです。これだってフードプロセッサーを使えば簡単。沢山作っておくと重宝します。そしてトマトは絶対皮ごと使ってください。旨みが全く違います。
深めの鍋にトマトを摩り下ろしていきます。軟らかいのでぐるっとトマトの形にそって皮の部分のみおろし金をあてます。力をいれるとつぶれるのでかえっておろしにくくなりますから皮だけすり下ろす感じで擂っていきます。皮の剥けたトマトは適当に刻んで、汁と一緒に煮込んでいきます。トマトジュースとピュレの間のようなものができますので、丁寧になさるなら荒めの笊で漉して使います。
ここまでくればあとは頂き物の夏野菜をオイルでさっといため、先のスープで煮れば出来上がりです。野菜は茄子、ピーマン、ズッキーニ、人参、玉葱、オクラなどあるもので。この季節冷たくても美味しくいただけます。ボリュウムを出したければベーコンなど入れても。また、少しスープを煮詰めてラタトゥイユにすれば、パスタのソースにしたりオムレツの中身にいれたりといろいろ重宝します。ラタトゥイにする時は、にんにくをオリーブオイルでいためて、オレガノやバジルなどの香草を入れるとぐっと美味しくなります。
これからはひび割れたり、形のそろわないトマトが山積みで売りに出されます。少しの手間で市販のものとは違った美味しさが楽しめますので、機会があったらお試しください。
【作り方】
トマトの皮の部分だけをおろし金ですりおろします。皮の剥けたトマトは適当に切って鍋にいれ煮ます。面倒ならフードプロッセサーに皮ごといれてください。
このトマトジュースを一度沸騰させあくをとります。
スープにするなら濃さを見て、濃すぎたら水を入れて料理の用途に応じて調節します。沢山出来たら小分けにして、冷凍しておくと便利です。
分量はそれほど気にせずに野菜の具の多い少ないはお好みで。