朝日カルチャーセンター〈カフェきごさい句会〉9月
朝日カルチャーセンターの9月のカフェきごさい句会。兼題は8月の「カフェきごさい」より「夏休み」「夏野菜」「朝顔」です。
【特選】
大空を祓へて竹を伐りにけり 隆子
竹の状態のよい秋に竹を伐る。ゆさゆさと竹が動く様子を自ずから大空を祓っていると詠んだ。秋の澄んだ空気をも感じさせる一句。
【入選】
野兎の二匹のなかや萩の花 稲
萩が咲きこぼれるほとりで遊ぶ二匹の兎。子兎だろうか。「なかや」では兎と萩の関係が逆転してしまう。
水亭の標に植うる木賊かな 隆子
自ずから標になっているという形にしたい。
朝顔の行灯さげて男来る 隆子
朝顔にも男にも風が吹いている。
川風に休む草叢虫の声 守彦
風の心地よさに思わず腰を下ろした。描写がしっかりできている。
朝顔やわれの名を呼ぶ母の声 澄江
子供のころの朝の思い出か。初秋の感じがよく出ている。
月のぼり山女ねむれる沢ふかし 稲
句がだらだらと流れてしまった。「沢ふかく山女ねむれる月夜かな」。
朝顔や紺の一輪今日とする 周作
ある決意。「紺一輪を今日として」。
10月の「カフェきごさい句会」の兼題は「秋の野の花」「木賊」です。
ぷかぷかと海月も遊ぶ夏休み 光枝