カフェネット投句(10月)飛岡光枝
【入選】
ひつそりと外人墓地に女郎花 弘道
丈高い女郎花がよく見える。
太陽にかわく泪や実オリーブ 隆子
「実オリーブ」が窮屈。「太陽にかわく泪やオリーブ摘む」。
霧の中ぬーつと接岸鉄の船 周作
もっと焦点を合わせたい。「鉄の船霧の中より現はるる」。
筋雲と確かな秋の浅間山 周作
「筋雲の確かな秋や浅間山」。
からがらの命ぬくめよ芋煮会 隆子
秋の行楽の「芋煮会」にからがらの命は少し大げさだが、自然災害が多い昨今、被災地などでの芋煮会ではこんな思いが重なるのかもしれない。温かい料理の季語にするとより焦点が絞れる。
【投句より】
今月より、入選外の句についても取り上げます。
・竜胆を一輪活けて珈琲を
「竜胆」でなくてもよい句。しっかりした一句にするには、「竜胆」にぐっと迫る必要がある。竜胆の何に感動したのかを見極めたい。
・不気味なり大きな船は霧の中
「不気味なり」で片づけないで、具体的な事象で。