a la carte_万作(まんさく科)
はるか昔、森繁久弥の主演する(まんさくの花)という題名のドラマがありました。かすかに記憶にあるこのドラマ、何でこの題名になったのか子どもの私には知る由もなかったのですが、ずっと気になっていました。
まんさくーー春に まずさく --なるほど。葉より先に非常に特徴のある黄色い花が咲きます。枝に沢山の花がつきますが、黄色い花弁はねじれ、なんだかアジアのお菓子にありそうな姿です。
万作は、今では日本だけでなく欧米でも改良された園芸品種があります。日本原産のまんさく、北アメリカ原産のアメリカまんさく、中国原産のしなまんさくなどあるのですが、たまに赤い色をした万作もみかけます。
季節が進むと丸くて青い葉も使え、紅葉もまたよし。しかもその線を表現するのに枝を矯めやすいという、使い勝手のいい花材なのです。
英名は witch hazel (北アメリカ原産のアメリカ万作)で、Japanese witch hazel (日本原産の万作)、そして Chinese witch hazel(中国原産のシナ万作) がありますが、いずれもwitch hazel がつきます。witch とは魔女のこと。
万作は、同じ季節の他の花木のおもむきとは少し違い、花の形に独特の躍動感があります。春のいたずら好きな小さな魔女たちが、枝の上で遊んでいるような気もしてきます
hazel というとへーゼルナッツが思い浮かびますが、こちらは「せいようはしばみ」で(かばのき科)です。(光加)